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転職先でのスタートがテレワークだったら?スムーズな仕事のための10のポイント

転職先でのスタートがテレワークだったら?スムーズな仕事のための10のポイント

このブログをお読みになっている皆さんは、おそらく近頃転職活動に成功した方々でしょう。おめでとうございます!しかし昨今の状況下では、新しい仕事や研修をリモートでスタートしなければならなかった方もいらっしゃるのではないでしょうか。オフィスでの仕事や研修とは勝手が違って戸惑うこともあるかもしれません。それでも新しい仕事は出来る限り前向きにスタートしましょう。

オフィスとリモートでは、仕事のやり方が異なります。その大きな違いとは。

新しい勤務先での仕事のスタートが、オフィスではなく在宅勤務であったなら、不安に感じてしまうのも無理はありません。新しい同僚や上司に直接会うことも出来ないのですから。新しいシステムや仕事のやり方を覚えようとしても、誰かが隣ですぐ助けてくれるわけでもありません。

企業の社風や文化に馴染むことは、一段と難しいでしょう。実際にオフィスに出勤してチームの仲間に会わなければ、そのチームの雰囲気を感じ取ることはなかなか出来ないものです。それでも在宅で働きながら、これらのことを理解する方法があります。その大切なポイントをこのブログで紹介していくことにしましょう。

このブログでは、新しい仕事を成功させるためのコツを簡単にご案内します。上司や同僚と実際に対面することが出来なくても、良い第一印象を持ってもらえるように頑張って下さい。

新しい仕事をリモートで開始するための10のコツ

1. 「ナレッジ・バディ(何でも相談出来る同僚)」を紹介してもらいましょう

新しい勤務先では、仕事の方法を含め、これまでとは異なるプロセスに慣れていかなければなりません。以前の会社ではとても簡単だった手続きも、新しい企業では全く勝手が異なるように感じられるものなのです。例えば、有給休暇の申請の仕方や、不明点が生じたときに質問する担当者・担当部門などもその一つです。また、社内用語やプロジェクト名も、最初のうちは外国語のように聞こえるかもしれません。在宅勤務であれば、これら馴染みのない事態に萎縮してしまっても不思議はありません。なぜなら、オフィスのように隣の社員に質問したり、同僚たちの様子から学び取ることが出来ないからです。

マギー・エバンス博士は、このようなケースについて「上司は新入社員のために『ナレッジ・バディ』をつけてあげましょう」と提案しています。ナレッジ・バディとは、新入社員が仕事のやり方や社内の問題で困ったときに、ちょっとした相談に乗ってあげる同僚のことです。入社後1週間が経ってもナレッジ・バディを紹介してもらえないときは、こうした同僚を紹介してもらえるよう上司に働きかけてみましょう。

紹介してもらえたら、直接会うことは出来なくても、ナレッジ・バディとは有効にコミュニケーションを取りましょう。例えば、短時間でも毎日電話で状況を確認しあったり、気になっていることを質問してみても良いと思います。状況に応じてインスタントメッセージを送ることもお勧めです。ナレッジ・バディと良好な関係を築くことが出来れば、お互いにメリットになるでしょう。

2. 自己紹介のための時間を作りましょう

転職後や新しい仕事についてからの1週間は、ミーティングや新人研修などが必ず設けられます。オフィスでこれらが行われるときと同様に準備を進めて下さい。

ヘイズ・オーストラリアのリージョナル・ディレクター、エリザ・キルビーは、「例えスタートが在宅であったとしても、最初の数日間が肝心なことに変わりはありません」とコラムで述べています。キルビーはこのコラムの中で、その数日間を効果的に過ごす方法について紹介しています。彼女が奨励しているのは、LinkedInや企業のウェブサイトの活用です。これらから情報を集め、誰とコミュニケーションすべきなのか、また相手の仕事がその会社でどのような役割を担っているのか、また、あなたの仕事とどのように繋がっているのかを把握しましょう。

また、普段から気になることを書き留めておいて、最初のミーティングで効率的に質問出来るように準備しておきましょう。周囲は、「準備がよく出来るプロフェッショナル」としてあなたに一目置くようになるかもしれません。

入社後数日が経過しても自己紹介の機会を与えられない場合は、自分から積極的に調整したり、マネージャーに数週間以内に自己紹介するチャンスがあるかどうかを確認して下さい。自己紹介は、新しい職場で良好な人間関係を築く第一歩です。

3. 新しいシステムなどの使い方を事前に学んでおきましょう

ともあれ、まずはシステムなどの使い方を覚えましょう。テレワークのために新しいコンピュータやツールを貸与された場合は、勤務開始日までにハードやソフトの稼動状態をテストし、必要なシステムが適切に稼働することを確認しておきましょう。また、仕事に必要なプログラムなどにも十分慣れておくことが必要です。準備の仕方については、ジョブディスクリプションを確認しても良いでしょうし、リクルーターやマネージャーに訪ねてみても良いでしょう。

また、技術的な問題が発生した場合に備えて、対応部門と連絡方法について出来る限り早めに確認しておきましょう。ロックアウトされたり、システムが使えなくなった場合でも仕事を滞らせることなく進行させることが出来ます。

また、勤務開始日までに動画や音声を忘れずにチェックし、自己紹介が効率よく出来るように手配しておきましょう。ミーティング中の心配事(少なくともシステムがらみの心配事はなくなります)が解消するだけではありません。準備に積極的な姿勢は、上司にも好印象を与えることが出来ます。

オンライン会議では、自分の意図が十分に伝わっているのかを確認することが重要です。オンラインでは、スクリーンに映る自分の姿や話している相手の表情に視線を向けがちですが、カメラに視線を集中することで参加者全員とアイコンタクトしているように映ることが出来ます。また、会議中はボディランゲージや姿勢、画面に映る背景にも注意しましょう。

最後に。オンライン会議がどんなに大規模で、長時間にわたったとしても、集中力を切らさないことが大切です。熱心に耳を傾ける姿を示すことで、あなたの印象やパーソナルブランドも向上します。つまらなそうにしたり、画面から目を逸らしたりする態度は慎みましょう。

4. 安心して会議に参加出来るよう、メモやプロンプトを手元に置きましょう

テレワークの利点は、他の人に見られたくないメモや「虎の巻(プロンプト)」を手元に置きながら仕事が出来ることです。オフィスでは、新しい同僚がデスクの近くを通っても、その人の名前をはっきりと聞いたり、誰かに確認したりすることは憚られるものですが、テレワークでは、連絡を取り合う同僚や関係者の名前をリストにして机に貼ったり、コンピュータに保存しておくことも出来ます。名前の他、所属部門や役職をメモしておいても良いでしょう。会議やディスカッションをしたことがあれば、その内容を記録しておくのも有効です。メモやリストを効果的に使えば、それぞれの担当分野や、自分の仕事が彼らの仕事とどのように関わっているのかをすぐに思い出すことが出来ます。

同じチームの仲間について気づいたことや彼らの習慣を書き留めておくのも良いでしょう。例を挙げると、他のメンバーが好んで使用するコミュニケーション方法などです。インスタントメッセージ、ビデオ会議、電話のうち、最も好まれているのはどれですか?こうした習慣に注意すれば、チームの雰囲気を理解すると共に、それぞれのメンバーがどのような交流方法を好むのかについても把握することが出来ます。

多人数の前では、なかなか気軽に自己紹介することは出来ないかもしれません。最初の数回であれば、目の前にプロンプトを置き、頭の中が真っ白になったとき気後れがしたときは、それを見ながら挨拶しても良いでしょう。前職でどのような仕事をしてきたのか、これまでどのような業績を挙げてきたのか、学生時代はどんなことを勉強していたのかなど、新しい同僚に知って欲しいことを箇条書きにしてまとめておけば便利です。

5. 目標は「SMART」に

1週間が過ぎ、自己紹介や新人研修が終了する頃には、自分の仕事や重点目標に対する理解も深まってくるでしょう。ここで重要なのは、上司と相談して「SMART」な目標を立てることです。今後1ヶ月、半年、1年間であなたが達成したい「SMART」な目標、つまり「specific(具体的)」、「measurable(測定可能な)」、「attainable(達成可能な)」、「relevant(妥当な)」、「time-scaled(時間軸で設定出来る)」目標を設定しましょう。あなたのポテンシャルを最大限に引き出すためにも、重要なステップです。

当初の目標は、小さくても構いません。大切なのは、新しい仕事に就いて最初の1週間、1ヶ月間にあなたが集中して取り組める目標であることです。こうした目標を確りと持てば、同僚の支援や会社からのサポートがなくても、途方にくれたり、的外れな作業をしたりすることなく、正しい方向性で仕事を進めることが出来るようになります。

また、目標を持つことで、自分自身が進むべき方向がはっきりと見えてきます。仕事に対する姿勢も固まり、生産性の向上にも繋がります。仕事に対する自信がつけば、新しい上司にも好印象を与えることが出来るでしょう。

目標設定後は、定期的にキャッチアップミーティングを行って、上司に進捗状況を報告して下さい。テレワーク中は難しいかもしれませんが、このような姿勢は、あなたの仕事に対するモチベーションの高さを示すことにもなります。

6. 決められた時間は厳守しましょう

決められた時間は、きちんと守りましょう。これは転職後どんなに時間が経過しても変わらない原則です。自宅のコンピュータやテレワークでの仕事は、オフィスでの仕事と大きく勝手が異なりますが、それでも時間厳守の姿勢はキープしましょう。就業時間には仕事を開始すること、会議には遅れずに参加すること、少し前から準備しておくことが大切です。

例えば午前11:00開始の会議に1分くらい遅刻しても、それほど大きなダメージはないと思うかもしれません。しかし、上司や同僚は、あなたの時間管理能力に不安を感じる可能性も考えられます。また、遅刻を繰り返せば、「他人の時間を尊重していない」との印象を持たれる場合もあるのです。もちろん、そんな第一印象を与えたくはありませんよね!

上司や同僚、関係者やお客様からの質問には、出来る限り速やかに回答しましょう。周囲を積極的にサポートする姿勢を続けて下さい。

7. 分からないことは積極的に質問しましょう

分からないこと、例えば今後数週間、数ヶ月間で自分がすべき仕事、または現在の仕事に関する疑問点などがあれば、躊躇せずに質問しましょう。テレワーク中は、これを第一に心がけて下さい。

あなたが新しい仕事で良好なスタートを切ることは、あなた自身のみならず上司や仲間のためでもあります。ですから、あなたが沢山質問をしたとしても、彼らは好意的に受け止めてくれるでしょう。「こんな質問をしたら馬鹿にされてしまうのでは?」などと、ためらう必要はありません。自分が正しい方向に進んでいるのかを確認するため、また誤解をなくすためにも、質問するのは大切なことです。

転職専門家であり関連著作もあるマイケル.D.ワトキンス氏は、ハーバード・ビジネス・レビュー誌の中で、キャリアを続ける上で自分自身に問いかけるべき5つのポイントを解説しています。同氏は、自分自身を成功に導くために、これらの質問を転職直後だけでなく、継続的に行っていくことを奨励しています。新しい仕事の中で価値を生み出すためには何が必要か、早期に影響力を身に着けるためにはどうすればよいのか、さらなる飛躍のために伸ばすべきスキルは何か、などがその内容です。

8. チームのメンバーと積極的に関わりましょう

また、気後れせずにチームの仲間と関わることも大切です。テレワークだからと言って躊躇する必要はありません。オンラインミーティングでの会話に気が引けるのであれば、インスタントメッセージや一人一人と個別に話をするのも良いでしょう。あなたが安心出来る方法でコミュニケーションしてみて下さい。

今は入社したばかりかもしれませんが、徐々にチームに溶け込むことが出来るでしょうし、やがては「新人」を卒業出来る日も来るでしょうから、焦る必要はありません。ですから、入社したらすぐに自分にとって一番自然で無理のない方法で、新しい仲間とコミュニケーションしても構わないのです。LinkedInも忘れずにチェックしましょう。LinkedInを使えば、お互いの距離が縮まるだけでなく、同僚の投稿を見ることで、新しい職場の雰囲気や他の社員の仕事についても知ることが出来ます。

また、朝のバーチャル・コーヒーミーティングなど、仕事以外の会話や活動に参加したり、これらを企画したりすることも大切です。リモートでしか会うことが出来なくても、これらの活動に参加することは、今後長期にわたり仲間として付き合っていく上で非常に大切なことです。

数週間、または数ヶ月間、この方法でコミュニケーションしてみて下さい。新しい上司や同僚のことを、仕事面からだけではなく、その人柄をも理解出来るようになります。他の仲間の仕事やコミュニケーション方法を知れば、職場にも早く馴染むことが出来るでしょうし、彼らのことをもう少し深く知ることも出来るかもしれません。

パンデミックが終息し安全に外出出来る状況になったら、上司や同僚に実際に会って親交を深めましょう。リモートではなかなか親密に話したり、連帯感を感じたりすることは出来ませんので、こうした機会を大いに利用しましょう。

9. 「馴染めない」、「モチベーションが上がらない」と感じたら

入社後数週間が経過すると、「馴染めない」、「モチベーションが上がらない」と感じることが出てくるかもしれません。「そもそも、この転職は成功だったのか」と悩むこともあるかもしれません。転職直後にリモート勤務となった場合はなおさらですし、そのような状態に陥ることも想像に難くありません。

しかし、ヘイズ・スペインのマネージング・ディレクター、クリス・ドッティは自身のコラムの中で、このような状態のときに積極的に行うべき対策を紹介しています。例を挙げると、環境に慣れるまで我慢すること、ネガティブな感情になる真の理由を追究すること、転職でもたらされたプラスの面に目を向けること、などです。

私には、この他にもう一つお勧めしたいことがあります。新しい上司にあなたの現状を打ち明けることです。転職後の数週間、数ヶ月はあなたにとっても周囲にとっても大切な時期です。チームに馴染めないと感じているならば、上司と一緒に対処法を考えてみましょう。 個人面談の頻度を増やす、チーム内でキャッチアップミーティングを行う、新しい同僚と交流会を行うなどの方法が見つかるかもしれません。

10. 残業はほどほどに

テレワークでは、仕事と家庭生活の線引きが曖昧になりがちです。つまり、不健康な労働習慣が身についてしまう可能性があります。Okta社がForbes誌に寄稿した調査によると、今回のパンデミック当初からテレワークで働いている労働者は、成果へのプレッシャーのあまり、労働が長時間化している傾向が見られます。

私からの最後のアドバイスです。新しい職場に入ったら、最初から「ルーチン」を決めて実行して下さい。このルーチンは、継続可能で仕事の生産を高めることが出来るものでなければなりません。こうした習慣を持てば、健康的なワークライフバランスを実現することが出来るでしょう。例えば、深夜や週末のメールには返信しないと早期から徹底すれば、周囲もあなたが業務時間外に仕事をしないと理解します。徹底することが難しければ、メールのチェックは1晩に1度、本当に必要な場合にのみ限定するのもお勧めです。

昼休みや仕事を離れるとき(例えば子供の送り迎えなど)は、上司や同僚に周知しておきましょう。仕事が出来ない時間を事前に知らせておけば、あなたが不在の時間に電話やメッセージをしてくることは少なくなります。電話やメッセージにタイミングよく対応出来ないことが、多くのテレワーカーたちが感じるストレスの一つなのです。

働き過ぎを防ぐもう一つの方法が、毎日の散歩や運動で体を動かすことです。適度な運動は、仕事の「スイッチ」をオフにすることが出来るだけではありません。脳が、その日に受け取った情報を効率よく処理することが出来るようになるのです。一日の仕事の区切りとして、仕事後に散歩をしてみてはいかがでしょうか。仕事前やランチタイムにウォーキングをして、リフレッシュしてから仕事に戻るのも良いでしょう。

転職先でのスタートがテレワークでも、あなたは十分に成長出来ます

私がこれまでお伝えしてきた10のポイントを読むことで、皆さんが安心して転職先でのテレワークに従事することが出来れば幸いです。私が一番伝えたかったこと。それは、昨今の異常・非日常的な状況下でも、自分らしさを失わずにいてほしい、ということです。

新しい仕事をテレワークでスタートしなければならないことに、違和感や躊躇を持つ気持ちは分かります。テレワークの進め方に自信が持てないときは、ヘイズUKのパーソナル&エグゼクティブ・アシスタンツ・ディレクターのロディ・アディーレの アドバイスを参考にしてみて下さい。アディーレは、「成長する意思を持つこと」、「自分が得意な分野を持ち、自信を持つこと」、「小さな成功を収めたときや、良い評価を受けたときは素直に喜ぶこと」などが、最初の数週間・数ヶ月を気持ちよく過ごす上で大切であると述べています。

あなたは、プロフェッショナルとして素晴らしい再スタートを切ったばかりです。テレワークで躓くことがないように気を付けましょう。新しい仲間と出会い、新しい組織から様々なことを吸収し、新しい責任を引き受け、新しいスキルを身に着けるチャンスを手に入れたのです。 どこで働いていようと、あなたは新しいチームを成長させ、チームに貢献することが出来るのです。熱意を失わずに新しいスタートを迎えましょう。

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著者

クリスティン・ライト
ヘイズ・アメリカ、シニアバイスプレジデント
クリスティン・ライトは、米国中西部地域の成長と拡大を担当し、国家戦略プロジェクトをリードしています。  これは、ヘイズでの25年に及ぶキャリアの中で最新の職務であり、4大陸にまたがる高業績の事業の立ち上げ、事業再生、管理を指揮してきました。  現在の職務に就く前は、アジア地域のマネージング・ディレクターとして、日本、中国、シンガポール、マレーシア、香港、インドにおけるヘイズの日々の運営管理と大幅な成長を担当していました。  また、オーストラリアとイギリスにおけるヘイズのビジネスの管理においても重要な役割を果たした。  統計学とコンピューティングの理学士号を優等で取得しており、IMD、Ashridge、De Ruwenburgのビジネススクールでビジネスプログラムを受講した経験があります。

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