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面接での自己紹介、構成と内容は?回答例と共に紹介

面接での自己紹介、構成と内容は?回答例と共に紹介

 

一見すると、面接でよく聞かれる「まずは自己紹介からお願いします」という質問に答えることは至極簡単に思えます。候補者は自分のバックグラウンドについて話すしかなく、それは他の誰よりも自分が一番よく知っていることです。こんな簡単なことはありませんよね?

しかし実際には、上手くできないケースを多々見受けます。この質問は面接におけるもっとも答え易い質問の1つと考えている人が大勢いますが、相手から強い反応を引き出すのは思うほど簡単ではありません。

第一に、これはおそらく面接官が最初にしてくる質問の1つであり、面接官が候補者に抱く第一印象のベースとなるものです。さらに、ここで対応を誤ると序盤にして自信を失ってしまい、面接の成否に影響を及ぼす可能性もあります。ですから、ここで面接官に好印象を与える回答をすることが不可欠となります。

そこで、どのような自己紹介がベストなのか、具体的な回答例も挙げて説明します。

構成に基づく回答

とにかく重要なことは、構成に基づいて回答することです。そうすることで関連するあらゆるポイントを確実に網羅することができ、面接官に自分への関心を持ち続けてもらいつつ自分をアピールすることができます。

本質的にはこの質問に対して回答し得る内容は非常に広範で、候補者は例えば自分の母校から趣味・興味まで自身に関するあらゆる情報を面接官に話そうとする場合もあります。しかし、面接のこの段階で面接官が本当に知りたいことは以下の3点です:

  1. 応募者の学歴・職歴
  2. 応募職種に直接関連する応募者の主なスキル・専門知識
  3. 応募者が次の仕事に求めているもの&その仕事に興味を抱いた理由

では、自己紹介を求められた際にこれらのポイントをどのように盛り込めばよいでしょうか?

1. 応募者の学歴・職歴

まず面接官に話すべきことは、自身の大まかな学歴・職歴です。ここでは応募職種に直接関連する経験・学歴のみ回答し、学生時代にした週末のバイトや通っていた高校の話はご法度です。例えば、デジタルマーケティング担当シニアエグゼクティブの求人で面接を受けている場合の回答例は以下になります:

「大学では経営管理を専攻し、デジタルマーケティングの博士号を取得しました。そして卒業後は、スポーツ業界で2年間マーケティング業務に携わりました」

ご覧のように、この回答は応募職種で役立ちそうなあなたの学歴・職歴のみ伝えています。こういう回答をすることで面接官はあなたへの関心を失うことなく、次のポイント、つまりあなたがその2年間の勤務で得たスキルについて聞きたいという心境になります。

2. 応募職種に直接関連する候補者の主なスキル・専門知識

次に伝えるべきは、ここまでの学歴・職歴であなたが培ってきた応募職種に関連するスキル・専門知識です。以下はその回答例です:

「スポーツ業界にいた2年間では、博士課程で学んだことを応用しつつ、デジタルマーケティングについてさらに深い専門知識を身に付けることができました」

ここでは、例えば以下のように測定可能な情報も盛り込んで、自分の回答に説得力を持たせる必要があります:

「自分のデジタルマーケティングスキルをもっとも活かせた事例としては、私の主導で先日実施したメールを活用したマーケティングキャンペーンがあり、コンバージョン率を10%アップさせることに成功しました」

ここまでを整理しますと、自己紹介におけるこの段階では、1.応募職種に関連する学歴・職歴と2.主なスキル・専門知識(およびそれらを裏付ける根拠)の両方を概説する必要があります。

3. 候補者が次の仕事に求めているもの&その仕事に興味を抱いた理由

自己紹介の最終パートは、自身が思い描くキャリアパスや次の仕事に求めているものを面接官にアピールします。

この段階では、現在勤めている会社を辞めたい理由を並べ立てたくなるかもしれません。しかしここでは、自分がこの会社に入りたい、この職種に就きたいと考える理由を簡潔に伝える必要があります。このポイントについて答える際の重要な原則は、あくまで前向きに目の前にある機会に重点を置いた回答をすることです。以下はその回答例です:

「前職ではデジタルスキルを身に付けることができました。しかし、より深い専門知識を習得するためにはスキルアップを望める新天地を目指すべきと考えました。そこで、変化の激しい世界で事業を展開しマーケティングの専門家として成長できる余地が大きいと思われるグローバル企業に着目し、さらにやり甲斐のある仕事を探していました。そして、今回の求人を目にして応募し、本日面接に呼んでいただいた次第です」

言葉遣いへの配慮

自己紹介で伝えるべき具体的なポイントを理解したところで、次は言葉遣いについて考えてみましょう。面接では簡潔な言い回しをするよう努め、可能であれば動作動詞を駆使して自分のスキルをアピールしましょう。例えば、「自分のデジタルマーケティングスキルをもっとも活かせた事例としては、私の主導で先日実施したメールを活用したマーケティングキャンペーンがあり、コンバージョン率を10%アップさせることに成功しました」という回答をすれば、自分にはリーダーシップスキルだけでなく前向きな結果を出す能力があることを面接官にアピールすることができます。

理想的な回答例

これらの重要原則すべてを考慮した「自己紹介」の理想的な回答は、以下のようなものかもしれません:

  1. 「大学では経営管理を専攻し、デジタルマーケティングの博士号を取得しました。そして卒業後は、スポーツ業界で2年間マーケティング業務に携わりました。
  2. スポーツ業界にいた2年間では、博士課程で学んだことを応用しつつ、デジタルマーケティングについてさらに深い専門知識を身につけることができました。自分のデジタルマーケティングスキルをもっとも活かせた事例としては、私の主導で先日実施したメールを活用したマーケティングキャンペーンがあり、コンバージョン率を10%アップさせることに成功しました。
  3. 前職ではデジタルスキルを身に付けることができました。しかし、より深い専門知識を習得するためにはスキルアップを望める新天地を目指すべきと考えました。そこで、変化の激しい世界で事業を展開しマーケティングの専門家として成長できる余地が大きいと思われるグローバル企業に着目し、さらにやり甲斐のある仕事を探していました。そして、今回の求人を目にして応募し、本日面接に呼んでいただいた次第です」。

継続は力なり

一に練習、二に練習、とにかく練習あるのみです。繰り返し練習することで、言うべきことを上手く伝えられない、忘れてしまう、さらには相手の目を見なかったり極度にそわそわするといった消極的なボディランゲージを見せてしまう神経症的習癖を抑えることができます。そのため、鏡やカメラ、または自分にフィードバックしてくれる信頼できる人物の前で自己紹介の練習をするのも良いかもしれません。

まとめますと、面接における「まずは自己紹介からお願いします」という質問は簡単そうに思えて実は注意を要するものであり、最初に聞かれることの1つである可能性が高いです。ですから、自分がこの職種に応募した理由・自分が有するスキルや専門知識が応募職種に最適であることを面接官にアピールできる、適切かつ簡潔にして前向きな回答をすることで、面接の主導権を握るようにしてください。

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著者

マーク・ブラジ
リージョナル・マネージング・ディレクター
2022年にアジアのリージョナル・マネージング・ディレクターに就任。
2012年に香港のリージョナルディレクターとしてヘイズに入社。2014年には、ヘイズ・タレント・ソリューション事業の責任者を担当し、2015年にヘイズ・ジャパンのマネージング・ディレクターに就任。正社員や役員、派遣社員、契約社員の紹介、オンサイトソリューションなど、あらゆる専門分野における日本事業のオペレーションと成長の責任を担った。
イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、アジアでビジネスをリードし、成長させてきた実績があり、幅広い業界と職種に関する専門知識を有している。人材業界の前は、自動車業界にてさまざまな営業やマーケティングのマネジメントを務めていた。ビジネス改革とチェンジマネジメントの経験が豊富で、機能横断的なチームの構築、育成、指導に長けている。また、ニュージーランドリーダーシップ研究所の理事を務め、アッシュブリッジビジネススクールで戦略を学んでいた。

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