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面接の不安は解消できる ― 不安を分解し個性を見極める

面接の不安は解消できる ― 不安を分解し個性を見極める

面接を控えている皆さん、自分と他の人を比べて迷ったりしてはいませんか?他の人の方が自分よりも優秀で、応募した仕事にふさわしいのではないか、などと不安に感じたりはしていないでしょうか。もしそうならば、以下を参考に面接の準備をしてみてください。
 

不安の正体をつきとめ、準備をしておく

あなたを不安にさせ、自信を喪失させているものはいったい何でしょうか?面接を受けるのが久しぶりだからでしょうか。それとも、経験不足を感じていることがあるのでしょうか。
 
経験不足で不安なら……
面接前の時間を効果的に使って準備します。面接の実践不足には、鏡を使った練習方法がおすすめ。面接で想定される質問を用意し、鏡に向かって声を出して答える練習をしてみます。また、友人に面接官の代わりを頼んでも良いでしょう。自分の回答が矛盾していないか、身振りや手振りから自信を感じられるかどうか意見を求めるのも有効。面接当日に向けてウォーミングアップを行い、必要があれば修正をしておきます。
 
現在のスキルが評価されるか不安なら……
技術的なスキルや業界経験など、面接までに修正することができない部分に不安を感じているのであれば、リクルーターやエージェントに相談することを勧めます。ひょっとしたら、スキルや業界経験は、あなたが考えているほど重要なポイントではないのかもしれません。そもそも、これらが重要な採用条件であれば、あなたが面接に進むことはなかったとも考えられます。リクルーターやエージェントは、こうした視点から適切なアドバイスをしてくれるでしょう。
 
ただし、経験やスキルの不足については面接で指摘される可能性もあります。こうした場合を想定して、どのように回答するかを考えて準備しておきましょう。こんな時は、まず、自分自身がスキルや経験不足を自覚していることを伝え、これを補うためにどのように努力していこうと考えているのか、スキルアッププランなどを具体的にアピールします。
 
不安の正体がわかったら、これに引きずられることは禁物です。その代わりに、あなたが応募した仕事や応募先の会社のために、どんなふうに貢献できそうかを考え、まとめておきます。
 

自分が貢献できることを中心にアピールする

ほかの候補者がどんなスキルや経験をもっているのかを知ることはできません。あなたが確実にわかるのは、あなた自身が、どのように応募先企業に貢献できるか、ということです。そのため、面接では自分自身の専門知識や経験を中心に話をします。
 
面接当日までの準備
~職務経歴書~
まず、職務経歴書の見直しです。職歴の内容とスキルがマッチしているか確認し、重複している部分があったらピックアップします。スキルと仕事の内容が整合していれば、応募した仕事に適任であるか否かがわかり自信をもてるようになるものです。
 
~面接練習~
次に、自分の能力に関する質問に答える練習に移ります。面接で質問に答えるときは、次の「STAR」テクニックが有効です。これまでの自分の実績を思い出し、自信をもって説明できるはずです。
 
  • Situation(状況)を具体的に説明する
  • 自分のTask(仕事)と、どのように関連していたのかを話す
  • あなたがどのようなAction(行動)をとったのかを説明する
  • Results(結果)を伝える
さて、ここまでくると当初の不安も解消し、自信もついてきたのではないでしょうか。もちろん、小さな不安はまだあるかもしれませんが、これは極めて当然のことです。では、どうすれば面接当日に自信を持って臨むことができるのかを説明します。
 

個性を具体的に説明する

実は、性格や個性というのも重要なポイントです。これを重視する採用担当者は少なくありませんし、私自身も重要だと考えています。いくら多くのスキルを持っていても、スキルを十分に発揮し役立てるためには、その人自身の個性や性格が大きな割合を占めます。性格や個性が面接の結果に大きく影響することは珍しくありません。では、その理由を説明しましょう。
 
  •  ソフトスキル 
    その人の人格や資質などを反映しているのが、ソフトスキルです。対人関係の築き方や創造性、好奇心、優れた感情知性(EQ)などがこれに該当します。これらのスキルは後天的なものではなく、先天的なものであるとされています。そして、これらの資質こそが、採用担当者が注目するポイントでもあるのです。

    自分がどのようなソフトスキルを備えているかを知りたければ、過去に仕事仲間や友人から指摘されたことを思い出してみます。周囲の人たちは、あなたをどのように褒めてきましたか?社会人になる前のことでも構いません、しっかりと思い出してみましょう。

    私自身の例を挙げると、私は子供のころからいろいろなことに興味を持ち、積極的に質問をしてくる好奇心旺盛な性格だと言われてきました。ときどき授業の妨げにはなったかもしれませんが、この性格のお陰で私は向上心を持ち続け、努力して知識を広げ、今日の自分を築くことができたのだと考えています。

    自分のソフトスキルが分かったら、次は応募した仕事にそのスキルがどのように貢献できるのかを考えます。また、そのソフトスキルを使って、面接官と良い関係を築き、好印象を与えることはできないでしょうか?あなたのソフトスキルは、あなただけのものです。そして、ほかの候補者と差別化でき、採用を左右する大きなポイントともなります。自分のソフトスキルが応募した仕事にプラスになるとアピールしましょう。
 
  • チームに馴染めるか  
    もうひとつ重要なのは、チームや組織に馴染むことができるかどうかです。馴染むことができなければ、生産性やチーム全体の協力体制に大きな影響が出て、その会社に長く定着する可能性も低くなるかもしれません。このため、応募した仕事が本当に自分にマッチしているとき、チームに馴染めるパーソナリティかどうかが鍵になります。

    このように考えてみると、面接で自分らしく振る舞うことが非常に重要であることが分かります。ですから、面接官が期待する人物像を先回りして、「演じる」ことはしない方が良いのです。例えば、自分が外交的で親しみやすい性格であれば、TPOに応じて面接でそれを表現してみましょう。どんな個性にも、それに適した仕事があります。自分にマッチした仕事を見つけるためにも、自分らしく振る舞うことが大切なのです。
 

面接当日は自信を持って

さて、ここまでのアドバイスで、自信を携えて面接に臨む準備ができたのではないでしょうか。もちろん、面接の日が近づくにつれて、気持ちが落ち着かなくなることもあるでしょう。当日の朝は、気持ちを楽にして、リラックスできるようにしておきましょう。
 
面接が成功したときのイメージを思い浮かべることも有効です。完璧な人間などいません。しかし、あなたは今、自分にしかない強みをきちんと理解しています。あなたが面接に進むことができたのは、正にこの強みがあったからこそなのです。
 
準備には十分な時間をかけてください。そして、当日は自分に最も似合う服装を選びましょう。胸を張って面接室に入り、背筋を伸ばして面接官とアイコンタクトします。自信がある振る舞いをすれば、本心は違っていても自然と自信があふれ出し、自分を肯定的に伝えることができるようになります。
 
ほかの候補者がどんな人たちで、どんなスキルや経験、資質を持っているのかを知ることはできませんし、それを変えることもできません。ですから、あなたは自分だけの価値を大切にして、応募した仕事で企業にどのように貢献できるのかを考え、面接に臨めば良いのです。面接のチャンスが与えられたことは、前向きに考えましょう。そうすれば、自信を持って面接を受け、ライバルをリードできる可能性も高くなります。
 
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著者

クリス・ドッティ
ヘイズ・スペイン、マネージング・ディレクター
英国のリバプール出身。1996年にヘイズに入社。ヘイズUKとヘイズ・ポルトガルを経て、2002年にヘイズ・スペインに異動。ドッティはヘイズ・スペインの全4拠点(マドリード、バルセロナ、バレンシア、ビルバオ、セビリア)を統括するマネージング・ディレクターを勤めている。アストン大学で国際ビジネスと現代語を専攻し、l’École Superieur de Sciences Commerciales d’Angersで1年間研究していた。大学卒業後は、アッシュブリッジ・ビジネススクールとIMDの社会人教育コースを卒業し、現在はビジネスや国際取引に関するパブリック・コメンテーターとして活躍している。

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