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転職失敗から学ぶ4つのポイントとは

転職失敗から学ぶ4つのポイントとは

何度も転職に失敗している求職者から、よく聞かれることがあります。「(こんなに転職活動に失敗している)私は、一体どうすれば良いのですか」と。こんな時私はいつも「失敗を自分のせいにし過ぎないように」とアドバイスしています。「その代わり、その経験から何を学ぶことができたのかを考えて、決して諦めないことが大切」とも。
 
「ハリー・ポッターと賢者の石」の著者、J.K.ローリング氏は、12の出版社から断られても、同書を世に出すことを諦めませんでした。希望を失わず、自分の才能を信じ続けたおかげで、この本はおよそ10億ドルを売り上げる世界的なベストセラーとなり、彼女の名前も世界的に知られるようになったのです。ローリング氏の例は、熱意をゆるぎなく持ち続けることが、成功につながると示す好例であると言えるでしょう。
 

1. 自分のせいにしすぎない

なぜ、あなたの転職が上手く行かなかったのでしょうか。ひょっとしたら、あなたの資質と応募した仕事が、マッチしていなかっただけなのかもしれません。スキルや経験がほんの少し足りなかっただけなのかもしれません。
 
ただし、私は、あなたの転職への心構えや行動を改善する必要がない、と言いたいのではありません。変えられないものがあればそれを受け入れ、変えることができるものがあれば、集中的に改善に取り組むことが大切である、と伝えたいのです。
 
失敗続きで悩んでいるならば、家族や友人に転職活動の悩みを相談してみても良いでしょう。信頼できる人に打ち明けることで、何らかの気付きがあるかもしれません。あなたに「イエス」しか言わない人が、真の友であるとは限らないのです。
 

2. 面接後の対応は慎重に

「Reacting(反応)」と「Responding(対応)」の違いについても理解しておきましょう。私は、拒絶されたときに、理性を欠き焦って行動することを「Reacting(反応)」、慎重かつ前向きに対処することを「Responding(対応)」と使い分けています。
 
転職活動で不採用になったとき、他人や世の中が自分のために何もしてくれなかった、と責任転嫁するのは簡単です。しかし、このような行動は、何も生み出しません。さらには、自分自身の資質が疑われることになり、将来のチャンスも潰してしまうかも知れません。
 
このような場合は、現実を冷静に受け止めて次にチャンスが巡ってきたときに良い結果を出せるよう努力する、つまり、効果的に「対応」することが大切であると私はアドバイスしています。こうした習慣を身に着けておけば、何度も続けて転職活動で不合格になったときなどでも、前向きに次のチャンスに集中できるようになります。
 
ここで一つ忠告させてください。最近、就職・転職活動で不採用になった企業についてSNSなどでネガティブなコメントを広げているケースを目にします。こうした行為は、将来自分自身にどのような形で降りかかり、自分を苦しめることになるか分かりません。自分の思いは、自分の胸にしまっておきましょう。面接後の対応については、こちらのブログ(面接後にやるべきこと/やってはならないこと)もご参考にお読み下さい。
 

3. 信頼できる人たちの意見を参考に

転職活動で不採用になったときのことを冷静に分析してみましょう。自分の力が及ばなかった点がわかり、克服できるようになります。タイミングが悪かったのか、採用予算に限界があったのか、または募集の条件が変わったのかなど、さまざまな観点から考えることができるはずです。不採用の理由を質問しても良いでしょう。自分では気づかなかった弱点を指摘してもらえる可能性もあります。ただし、法的な理由からフィードバックを断られることもありますので、注意してください。
 
不採用の通知を受けたら、転職エージェントか企業に連絡してみましょう。確認したい事項を何点かにまとめてメールで送信すれば、明確な説明を返してもらえる可能性も高くなります。
 
率直な助言は、時に苦い薬のようなものです。しかし、これまで気付かなかった問題点を解決する良薬にもなることが多いのです。
 
「転職エージェントや採用企業を言い負かしてやりたい」との思いが頭をもたげるかもしれません。しかし、この気持ちはぐっと抑えましょう。イライラした気持ちをぶつけたり、反論したりすることは決してしないでください。世の中は狭いのです。将来再びその相手や企業と相対することもあるかもしれません。ですから、現時点ではできる限り、プロフェッショナルとして強い関係を築いておくことに集中しましょう。前向きなフィードバックをくれた人には、必ずお礼を言い、その意見を大切にすると伝えてください。また、将来何らかのポジションが空いた時は、自分を検討してくれるよう頼んでみても良いでしょう。
 

4. 次のチャンスに集中する

理由が分かったら、次の転職活動にエネルギーを使うようにしましょう。
気持ちの切り替えに失敗すると、次のチャンスに上手く力を発揮できなくなる可能性があります。ウィンストン・チャーチルの言葉を思い出しましょう。「Success consists of going from failure to failure without loss of enthusiasm(成功とは、失敗を重ねても、やる気を失わないでいられる才能である。)」。目標への意欲を失うことで、自分を不利にしてはいけません。
 
スキルアップやボランティアに励むのも良いでしょう。自分を分析してみてスキルを伸ばすことができると判断した分野であれば、なおさら効果的です。こうした行動が、自分に自信を取り戻すきっかけとなるかもしれません。
 
転職活動を再開したら、今度は自分にマッチした求人を慎重に探しましょう。手当たり次第に応募し、手が届かない条件の案件に応募する人もいますが、これは失敗数を増やすだけです。
 

最後に

断られて痛みを感じない人などほとんどいません。しかし、失敗への向き合い方によって、最終的に成功につながるか否かが決まって来るのです。転職活動で不採用となっても考えすぎずに、冷静に、前向きに捉えてみて下さい。あなた自身の成長に繋がり、理想の仕事を掴むきっかけとなるかもしれません。
 
他にも、転職活動に役立つ情報を紹介しています。こちらの記事もぜひご覧ください。

著者

スージー・ティムリン
英国投資庁チーフ・オペレーティング・オフィサー 
英国政府投資会社(UK Government Investments: UKGI) のCOO 。UKGI の目的は、コーポレートファイナンスとコーポレートガバナンスにおける英国政府の中心で、商業的業務に取り組んでいます。
Susieの役割は、ビジネスが効果的な運営管理、最適な組織設計、またUKGIが可能な限りで人材を採用、開発、管理、報酬を得られることです。
UKGI に入社前、Hays Talent Solutions の人材・文化担当グローバルディレクターを務めていました。

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