転職活動は準備が9割!転職を成功に導く始め方とは

転職したいと考えながらも今の仕事が忙しく、隙間時間は履歴書の送付に追われる――そんな転職活動をしていませんか?
 
条件や目的を定めず、転職活動を行うのは効率的ではありません。自分に合った仕事を早く見つけるためには、しっかりとした戦略を立てることが重要。今回は、転職を成功させる戦略の立て方についてまとめました。
 

譲れない条件を考える

ヘイズCEOのアリスター・コックスはブログで、まず譲れない条件を考えることによって、どのように転職活動の戦略を立てたかを説明しています。「携わりたいと思うビジネスはどのようなものか、例えば何をどのように行っているか、今後について予測できることとできないこと、どんなタイプの人が働いていて自分はどう感じるかなど、あらゆる条件や環境について書き出してみました。理想の仕事環境が浮き彫りになり、実践的な作業だったといえます」。
 
このように、まずは自分の譲れない条件について考えます。考える際のポイントは、下記のとおりです。
 
職務範囲:理想の役割を考えた時、どのようなタイプのタスクで力を発揮できるか。たとえば、事務的な仕事よりクリエイティブな仕事をしたい、居心地のいい場所を出てより責任のある仕事をしたい、逆に責任を軽減したい、など。
 
ワークライフバランス:次に、仕事とプライベートのバランスについて、重視するポイントを考えます。よりハードな仕事をしたいか、それともプライベートを大切にできる仕事がよいのか?毎日出社して8時には席に着いていなければならないのか、フレックス制を採用しているのか?在宅勤務ができるかどうかも、ワークライフバランスに関わる点です。
 
社風:社風が性格に合うかどうかも見過ごせません。例えば、社交的な性格でイベントがよく開催される職場が良いのか、もしくは金曜日の夕方には業務を終わらせて月曜の朝までは仕事のことは忘れていたいなど、具体的に考えておけば入社後のミスマッチを減らすことができます。
 
希望する業界:どの業界に興味があるのか、仕事とプライベートでそれぞれ情熱を持って追求するトピックスは何なのか。例えば、私は常に仕事の世界に関心があり、楽しいと思える仕事をする重要性を感じていたため。人材業界に入りました。
 
現実的に考慮すべき点:給与やボーナス、勤務地、通勤、在宅勤務やフレックス制の有無など、現実的に自分が求めるものは何か考えることも重要です。
 
キャリアプラン:キャリアの目標について考えることも大切。理想の仕事や企業が、目標の達成にどのように役に立つか。例えば、上級管理職を目指したいと考えているものの、リーダーシップのスキルを磨く必要があったとします。その場合、たとえチャレンジになるとしても基本的なマネジメントの責任を持たせてくれ、昇進の可能性もあり、メンターが成長をサポートしてくれる仕事を選ぶことが、次の一歩としては重要です。キャリアアップし、出世の道を歩み続けたいのか、それとも今より責任の少ない仕事をしたいのかなど、次の機会が目標に合っているかを考える必要があります。
 

転職活動の進め方

理想的な転職条件を整理できたら、集中力とモチベーションを維持しながら、自分に合った求人に応募するための準備に取り掛かります。
 
転職エージェントのサポート:転職エージェントは、自分に合った仕事を見つけるサポートや企業への推薦をしてくれます。膨大な求人から探し出す作業をせずとも、経験や希望に合う仕事をピックアップしてくれるため、時間の節約になるだけでなく、企業の成長戦略に関わるため一般には非公開の求人の情報を入手するチャンス。譲れない条件や希望を整理できていれば、転職エージェントは頼もしい味方になります。
 
求人情報を常に把握する:どのような企業に興味があるのかわかったら、その企業のSNSをフォローし、採用サイトも確認します。ヘイズなどの求人サイトで新着求人の通知が来るように設定しておくと、素早く対応できます。
 
履歴書をすべてのデバイスに保存しておく(仕事用を除く):突然良い求人が出たときに、どこにいても、どのデバイスを使用していても、すぐに応募できます。
 
情報を整理する:応募したすべての求人の選考状況、連絡先の名前をメモしておくと◎。会議や面接の予定をカレンダーに記入しておくと、フォローアップの電話やメールをする際に確認できます。複数の選考が同時に進行している際に、いつ、誰と、何について話したか整理しておきたい場合に役立ちます。
 
希望を捨てない:希望する仕事の面接を受けられなかったとしても、モチベーションを失わないことが大切。メンターや友人、家族に、進捗状況を話したりするだけでも、息抜きになります。定期的に休息を挟み、書類通過や次の面接の案内が来た時などに自分にご褒美をあげるのも効果的。大切なのは、なぜ転職活動をしようと思ったかの初心を忘れず、そのモチベーションを一定に保つこと。
 
今回は、転職活動を始める際に最初に取り組むべきことをまとめました。次のキャリアに何を求めるかを理解し、転職活動のための時間とリソースを確保して、モチベーションと集中力を上手に維持することによって、転職活動をしようと思った背景にある希望を叶える次のキャリアステップに進むことができるはずです。
 
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著者

ジェーン・マクニール
ヘイズ・オーストラリア、ディレクター
エジンバラ大学で心理学の修士号を取得後、1987年にヘイズのロンドン本社に研修生として入社。会計・金融業界のリクルーターとしてキャリアを始め、その後11年間にわたってロンドンの銀行・金融企業向けにシニアレベルの人材紹介に従事。この間に短期間で管理職へ昇進し、景気不況に陥ったロンドンのビジネスを驚異的に回復。1992年にディレクターに就任。
2001年に西オーストラリア州のパースに異動し、10年間で従業員数を15名から250名に拡大。その後、銀行・金融業界向けの人材紹介事業をヘイズで立ち上げ、マネジメントに携わる。
2007年には、ヘイズ・オーストラリア&ニュージーランドの役員に就任。現在はシドニーに拠点を置き、ニュー・サウス・ウェールズ州と西オーストラリア州の事業と約400名の従業員を統括。また、オーストラリアとニュージーランドで銀行部門や保険部門を立ち上げるなど、現在も精力的に活動。