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自宅待機中のスキルアップ術

外出自粛中のスキルアップ術
ジェーン・マクネイル ヘイズ・オーストラリア/ディレクター

 

未だ収まらない新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大は、あらゆる仕事の現場に急激かつ重大な変化をもたらし、企業では事業継続計画の推進や従業員のテレワーク化が進んでいます。

こうした状況下では、大多数の人々の日常的な労働生活はわずか数週間前と比較しても大きく変化しているように見えます。さらに、自分が属する部門や組織が顧客への奉仕を続けるための順応をサポートする必要があります。例えば、タスクフォースに組み入れられている人もいるかもしれませんし、厳密に言えば通常の権限外の責任まで負って他のチームをサポートしている人もいるかもしれません。これらはすべて予想されることです。つまり、今のような時期こそ全員が(離れた場所にいながら)一丸となって、採り得るあらゆる方法を通じて会社や互いを支えていく必要があります。

その一方で、多くの人々は時間を持て余すようになり、そうした時間を生産的に過ごすための方法を模索しています。

 

学習と能力開発を継続する必要性

通常の権限を超える仕事のサポートを頼まれていようと時間を持て余していようと、スキルアップは、履歴書に追記できる有用で新しいスキルを身に付けつつ、自分の目的意識や満足感、自尊心を向上させることができる戦略として理に適っています。

また、この危機が終息した暁に最適なポジションで活躍するのは、コロナ禍でスキルアップに努めていた人々であろうこともよく覚えておく必要があるでしょう。

 

リモート環境でスキルアップを実現させる10の方法

当然のことながら、リモートワークまたはがのスキルアップにはデジタルツールの活用が不可欠です。そのためのツールやプラットフォームは豊富に存在します。

以下は私たちがお勧めするリモートワーク時代のスキルアップ術です:

 

1. 雇用者が提供する訓練&能力開発のためのリソースを活用する

社内外問わず、職場には何らかの研修を受けられる機会が常に用意されていたのかもしれませんが、今まではそれらを利用する時間がなかったのかもしれません。定期的に研修を受け能力開発を行っている従業員は、より良い成果を出すと共に生産性や革新性、満足度も高くなっています。さらに、これらの人々はより長く会社で働いてくれる可能性もあります。つまり、訓練によって雇用者と従業員はまさに「Win-Win」の関係となり、研修で身に付けたものは外出自粛が終わった後のキャリアにおいても長く役立ちます。きちんと時間を取って、雇用者が社員向けに提供しているオンラインリソースをチェックしてみましょう。

2. 優れたビジネス書を読む

目または耳を使ってビジネス書に学ぶことは、場所を問わないスキルアップを可能とします。例えば、世界的なリサーチ&アドバイザリーファームのガートナーは、より優れたリーダーとなって組織を成功に導くうえで役立ちそうな2020年に必読のビジネス書を紹介しています。また、ハーバードビジネスレビューは先頃、コロナ禍の中で働く人々のために同社が保有するリソースの無料アクセスを開始しており、このような時代に働く一般職と管理職両方にとって役立つリソースとなっています。

3. ポッドキャストを活用する

ポッドキャストにはあらゆるトピックが存在するだけでなく、その大半が無料となっています。また、ポッドキャストは自宅でも気軽に視聴できます。Player FMではソフトウェアエンジニアリングから投資、起業まで様々なトピックのポッドキャストが公開されているほか、Feedspotでは看護や航空、ITなど様々なセクターを扱う2020年のお勧めキャリアポッドキャストが公開されています。

4. バーチャルのイベント、カンファレンス、ウェビナーへ参加する

これまで主流だった「現実世界」のイベントからバーチャル世界への移行は短期的なムーブメントではなく、これらを活用して相互に、また顧客とのコミュニケーションを行う企業や従業員が増加しています。そもそも、新型コロナウイルスの感染拡大前であってもZoomのような企業向けビデオ会議プラットフォームの需要は高まっており、今では10万人もの同時参加をサポートするHopin など新興勢力が競争に加わっています。つまり、バーチャルのイベント、カンファレンス、ウェビナーへの参加は、ポストコロナ時代の「ニューノーマル(新常態)」となる可能性がある学習やネットワーキング、コラボレーションのあり方に順応する手助けをしてくれる可能性があります。

5. バーチャル空間経由でメンターと交流する

ヘイズUKでディレクターを務めるカレン・ヤング は以前、意欲的な人々はキャリアメンターを持つだけでなく、相手と誠心誠意向き合いながら関係を深めてゆくべきと語っていました。このアドバイスは、相手と直接顔を合わせることがない場合が多い現在にもぴったりあてはまります。メンターとの交流方法がビデオ会議ソフトウェア経由であろうと電話やメールであろうと、根本的な原則は変わりません。自分のメンターである相手への敬意と感謝を示しながら、以前に受けたアドバイスが自分にどう役立っているか、継続的な能力開発を実現させるために重点的に取り組むべき次なる課題は何か、を語り合いましょう。

6. 自分に関連するトピックを扱うオンラインコースを受講する

例えばUdemy は、世界中の一流講師が主催するビジネス、デザイン、マーケティング、IT、写真技術、自己啓発など多彩な分野にわたる10万ものオンラインコースを提供しています。同様のサービスを展開しているのがLinkedInラーニングで、1か月の無料トライアルがあります。あるいは、Googleアナリティクスアカデミー ではGoogleアナリティクスを学ぶことができます。インテリジェントデータの収集および分析は企業の将来的成功においてますます重要なものとなる可能性があるため、今のような時期は検索エンジン大手が提供する計測ツールについての理解を深める絶好の機会といえるでしょう。また、オープン大学(英国)が提供している無料学習コースのOpenLearnでライティングスキルを磨くのもよいかもしれません。これら以外の優れたオンラインコースとしてはコーディングを学べるCodecademy や言語学習のDuolingoがあり、自宅待機中に無料またはわずかな費用でスキルをブラッシュアップするための選択肢は豊富に存在します。

7. 脳トレアプリを使用する

人間であるがゆえにこうした時期には誰もがストレスや不安を抱きがちなのかもしれません。最新ニュースにすべて目を通したり最悪のシナリオについて心配したりしていない人でも、より少ない時間でより多くをこなすための仕事上の大きなプレッシャーを感じているかもしれません。人は一様ではなく、状況への対処法も異なります。そのため、脳の鋭敏さや記憶の改善のみならずネガティブな感情の軽減を主目的として設計された脳トレアプリは、こうした時期にこそ試してみる価値があるかもしれません。

8. 新たなテクノロジーに触れて理解を深める

創造的ではない仕事でも創造性が求められるのとまったく同様に、今日のデジタル化が進み相互に関連し合う世界では、「非技術系」の仕事をしている人でもある程度のテクノロジーへの習熟が求められます。こうした状況下では、以前は使用経験がゼロ、またはほとんどなかったかもしれないテレワークのためのツールやテクノロジーと向き合う必要に迫られているかもしれません。そこで、この時期をコロナ禍以前にはまったく馴染みがなかったかもしれないビデオ会議やコラボレーション、その他のプラットフォームについて学ぶ時間にしてはいかがでしょうか?技術の進歩が無秩序なペースで進む世界では時代に取り残されてしまう可能性が高いため、今後の世界で不可欠になると思われるスキルは今のうちに身に付けておく価値があります。

9. 生産的な在宅勤務術を学ぶ

在宅勤務には長所と短所両方があると思われます。おしゃべりをしようと自分のデスクに立ち寄る同僚に気を散らされることもないでしょうが、今度はビデオチャットで頼み事をされるかもしれません。文字どおり肩越しに覗き込んでくる人もいない在宅勤務では、SNSのチェックにかまけて時間を浪費してしまう可能性もあります。しかし幸いにして、幾つかの簡単な手順、例えば仕事の開始時間を早くする、職場にいるかのように仕事の段取りを組む、リラックスするための場所とは別の仕事専用スペースを設ける、そもそも自宅を職場と思って行動するなど、在宅勤務をより生産的なものとする方法は存在します。今のような時期を活用して、在宅勤務を可能な限り生産的なものにするための自分に合った方法を探してみましょう。

10. 自宅待機中のスキルアップを習慣化する

自宅待機中は日々のルーティンを確立することが重要です。そのためには、学習や能力開発をルーティンの一部とする心掛けが必要です。1日30分、時間を捻出して、何らかの自己変革に取り組むようにしましょう。

現在は私たち全員にとって困難な時代といえます。しかし、この時間を有効的かつ生産的に使うことができれば、自身のスキルを高める絶好の機会となります。そうした努力を積み重ねた者は、ポストコロナの世界においてキャリアアップに最適なポジションで活躍することができるでしょう。

 

 

ジェーン・マクニール ディレクター

マクニールは、エディンバラ大学で心理学の修士号(優等)を取得、1987年の卒業後はヘイズのロンドン本社に研修員として入社しました。会計・金融産業のリクルーターとしてキャリアを開始し、その後11年に渡りロンドンの銀行・金融企業向けの正社員上級職の紹介に従事しました。この間に管理職へと早期の昇進を果たし、景気後退に陥ったロンドン・シティのビジネスを目覚しい業績回復に導くと、1992年にはディレクターに就任しました。

2001年には、オーストラリア西部のパースに移り、現地の拠点を15名から250名の規模に拡大、銀行・金融産業へのリクルーティング部門を立ち上げ、マネジメントに携わりました。

2007年には、ヘイズ・オーストラリア&ニュージーランドのマネジメント・ボードに就任。現在はシドニーに拠点を置き、ニュー・サウス・ウェールズ州と西オーストラリア州を統括しています。両州は、飛行機で5時間ほどの距離があり、時差も3時間に及びますが、マクニールはこの2つの州で働く400名のスタッフのマネジメントを担当しています。また、オーストラリアとニュージーランド両国内に銀行・金融業へのリクルート部門を立ち上げるなど、この部門に対する熱意を現在も持ち続けています。