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なぜ企業は自社のサステナビリティ意識を証明する必要があるのか

なぜ企業は自社のサステナビリティ意識を証明する必要があるのか

組織のサステナビリティに対する責任(コミットメント)が、近年非常に重要になってきました。その重要性は、私たちが直面している構造的な課題への認識と共に、拡大の一途をたどる一方です。企業のコミットメントは、社会のあらゆる分野で高まっており、ビジネスリーダーたちは、これまでにない展望を推進すべき立場に置かれています。すでにアクションを起こしている企業は、最も優れた人材を確保し、レジリエンスを確立し、新しいパートナーを惹き付けるというメリットをますます享受するようになっています。
 
積極的なリーダーシップは、組織の最も価値ある部分である従業員にも影響を与えます。サステナビリティに対する明確なコミットメントは、従業員に再び活力を与え、イノベーションを爆発させ、彼らのウェルビーイングを向上させる可能性があります。このことを念頭に置いて、サステナビリティを証明することは、新しいビジネスの世界での事業運営に不可欠です。
 

働く人は雇用主にサステナビリティの目標に尽力してほしい

2022年7月ヘイズはLinkedInにてサステナビリティに関する世論調査(英語のみ)を実施。「サステナビリティの目標に対する企業のコミットメントは、働く会社を選ぶ際の重要な要素ですか?」という質問に対して、12,717人の回答者のうち61%が「はい」と回答しました。この結果は、私たちが2022年の初めに実施した同様の世論調査(英語のみ)に続くもので、その際は9,625人の回答者の3分の2が、入社前に企業のサステナビリティに関する実績について考慮する必要があると答えています。
 
これは驚くべきことではありません。私たちの多くにとって、最近の世界的出来事によって優先事項が変化しています。米国でオフィスに復帰した働く人に関するEssityの最近の調査(英語のみ)では、回答者のおよそ半分が、新型コロナウイルス感染拡大によって、「Greener(環境問題意識が高い状態)」になったと語っています。その一方で、回答者の71%は、職場での変化をリードしているのは、雇用主よりも従業員であると感じています。
 

サステナビリティの実績を証明できないことの危険性

では、サステナビリティを真剣にとらえなければ、どのようなことが起こるのでしょうか?変化を願う既存の従業員を失う可能性があります。私がヘイズ・キャリアアドバイス・ポッドキャスト「サステナビリティ分野でのキャリアパス」でディスカッションしたように、より多くの企業がグリーンスキルを持った候補者を求めるようになっています。もし従業員がこれについて行動を起こしたいと望んでいるのならば、積極的に参加してもらおうと考える企業は多いのです。
 
採用で人材を逃してしまうことは、現実に起こり得ます。候補者にとって、企業をリサーチすることはこれまで以上に容易になっています。そして、サステナビリティを気にかけている候補者が、サステナビリティにチアする企業のコミットメントに感銘を受けない、または、さらに悪いことになにも見出すことができなければ、人材を惹き付けることは難しくなります。
 
テクノロジー・ディスポ―サル企業であるN2Sの会長、アンディ・ゴマソール氏が今年ヘイズと行ったインタビューを掲載しているブログ「ITリーダーたちが考える、企業が未来の環境に負う責任」で予想した通り、「次の世代は、環境保護を主眼とするグリーン革命が進行するなかで成長しています。学校のカリキュラムにも、気候変動を扱う科目が含まれています。若い世代は、あなたの企業にも問いかけてくるでしょう。『御社は、サステナビリティで何を目指しているのですか?何を達成したいと考えていますか?私が御社に入社しなければならない理由は?御社では、地球を救うためにどんなことをしているのですか?』と。
 

どうすれば、組織が正しい方向性にあると従業員に信じてもらえるでしょうか?

まず何よりも、サステナビリティを事業戦略に適切に組み込みましょう。これは、ヘイズ主催のイベント「CEO Chats」で、ヘイズのCEO、アリスター・コックスとSAPのチーフ・サステナビリティ・オフィサーのダニエル・シュミットがディスカッションしたものです。
 
そして、オープンに正直に。欧州理事会と欧州議会は、「より詳細な報告要件を導入し、大企業は環境権や社会権、人権およびガバナンス要素といったサステナビリティの問題を報告することが要求される」とする企業サステナビリティ報告指令に合意しました。たとえ会社が欧州に本拠地を置いていない場合でも、これらの基準に満たすよう求められるほど大規模でない場合でも、企業がサステナビリティを深刻にとらえ、進歩していることを証明するために最新情報を報告すべきです。ヘイズのレポートはこちらに報告しています。
 
また、従業員の考えや彼らが望んでいることに耳を傾けることが重要です。アリスター・コックスが以前、ブログ「“THE GREAT RESIGNATION” – OPPORTUNITY OR THREAT?」(英語のみ)で述べているように、従業員が会社の進歩に満足しているかどうかを知るために調査を実施するのは良いアイデアです。ヘイズでは「Your Voice」という活動を通して実施しており、従業員に権限を与え、多様な意見や提案を確保できるようにしているものです。このように、従業員を戦略に巻き込むことで、組織のあらゆる人たちにメリットをもたらすことができ、企業への信頼を確かなものにできます。
 
さらに、ギャップを埋めることに注力します。日々の小さな効率性の向上からビジネスモデルの再考まで、最高のアイデアとイノベーションを創出し、特定し、支持するために、情熱的な従業員を巻き込むことです。従業員は、最高の変革推進者です。企業活動にサステナビリティを組み込むときは、その場しのぎではなく今後も続くプロセスであるではなく今後も続くと意識すべきです。より良い未来に向けて積極的に変化を起こしていると示すことで、その取り組みから得られるメリットを感じられるはずです。
 
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著者

フィオナ・プレイス
ヘイズ・グループ、グループ・ヘッド・オブ・サステナビリティ
14年以上にわたり、上場・非上場企業に対し、ESGとサステナビリティ分野に従事。主な関心は、ネット・ゼロ、責任ある調達、人権など。ヘイズ入社前は、Elevate GlobalやAnthesisでサステナビリティに関するデューデリジェンスサービスの拡大を担当。物品・サービス分野の企業に対し、サステナビリティ実現に向けたサポートを実施。また、アフリカやアジアにおいて、NGOの代表として企業責任プログラムに携わった経験も有する。

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