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Five Of The Best Ways To Be Less Busy All The Time

グローバルCEOが実践する、忙しさを改める5つの方法

「成功している人」と聞いてイメージするのは、どんな姿でしょうか?どのように自分の時間を過ごしていますか?昼も夜も刻々と疲れ知らずのように働いていますか?ひと息入れることもなく、次から次へと常に会議を駆け回っていますか?毎日自分のデスクでランチをとり、オンラインミーティングに参加しながらメールのチェックをしている姿でしょうか?成功している人物はこのようなものだと考えているとしたら、それは誤りです。
 
私は以前のブログ「仕事で忙しいを今すぐやめるべき理由とは?」のなかで、なぜ誤りであるのかを説明しました。「成功している」とは、反省や熟考のようだと考えている旨を述べています。それは、思考と休止のようです。なぜでしょうか?なぜなら、静かで、穏やかで、落ち着いているように見えるその時間こそが、実は、最高の結果、最高のアイデア、最高の思考をもたらすからです。他の人たちには何もしていないように見えるとしても、実際にはさまざまな思考やアイデアがうごめく時間だというシンプルな話です。
 
ゆえに、「成功している」と見なされるためにはいつどのような状況下でもとんでもなく忙しくしていなければいけないという誤った思い込みを、頭から取り払うべきです。常に忙しいように振る舞うことは逆効果であり、率直に言ってキャリアとビジネスの双方にダメージを与えています。
 

名誉の印である忙しさをどのように脱ぎ捨てられるか

なぜ今なのか、なぜ今こそが仕事人生を忙しくしない時なのでしょうか?前述のブログで述べた通り、ビジネスの世界は刻々と変化しており、創造性や戦略的思考、今持ち合わせていないスキルの習得が常に求められます。常に絶え間なく忙しさのトレッドミルで走っていて息つく間もないならば、次々と求められるこれらの変化にどうやって応じられるでしょうか?
 
一見すると、新しいペースを設定して仕事の忙しさを積極的に解消することは、簡単なことのように思えます。しかし、毎日仕事で身に着けている「忙しさという名誉の印」は固く、簡単には取り外せません。「忙しい」ということは何年にもわたり、仕事におけるアイデンティティの一部を形成していました。誇りをもって「忙しいという名誉の印」を身に着けてきたのであり、思ったよりも取り除くことが難しいと気づくかもしれません
では、実用的かつ現実的なレベルにおいて、どのようにすれば、あらゆる忙しさを停止し、その代わり度々一時停止ボタンを押せるようにできるでしょうか?以下に、5つの方法を示します。
 

1. マインドセットを変える

忙しさを脱ぎ捨て、一時停止の術を身に着けられるかどうかは、マインドセットにかかっています。忙しさが何を意味するのか、忙しさがどんな結果につながるのかについて、自身の認識を変える時なのです。常に忙しくすべきだと思わせているもすべきだと思わせているものは何でしょうか?何年にも渡って抱いてきた思い違いを修正するためには、内省や勇気が求められます。しかし、そのリセットボタンを押す時こそ、本当の成功を見つける時なのです。マインドセットは最終的にどの程度成功できるかに大きく影響します。忙しさへの認識も、同様のことが言えます。
 
まずは、忙しいと見られることを、ポジティブな状態または目指す姿として見なすそのとらえ方自体をやめる必要があります。10分間に10通のメールに返信し、その後、本当は参加する必要がなかったミーティングで1時間を費やすよりも、1日のなかで一時休止する時間を確保し最も重要なことに集中し直す方が、はるかに生産的で価値があると認識を改めるのです。
 
結局のところ、忙しくなるために忙しくし実質的には何も達成しない代わりに、一時休止を設け最も価値をもたらすであろう仕事に集中すれば、忙しいからではなく、やるべきことにフォーカスし生産的かつ組織の目的に合わせて行動したという点で成功していると映るのです。
 
ですから、忙しさについてのとらえ方を変える時です。もはや忙しさは、誇りをもって毎日身に着ける名誉の印でも金メダルでもないのです。会議から会議の忙しく駆け回ったり、何百通というメールを送信したりしていないからといって、「大きな価値をもたらしていない」「正しい結果をもたらしていない」ということを意味するわけではないと理解しておくことも重要です。
 

2. 他者が自分に抱く印象を考えすぎない

重要なポイントとして、ほかの人からどう思われているかを考えすぎないことを挙げます。以下のような点を考えすぎないように。
 
・ペースを落とし熟慮を重ねるスタイルに変えたらどう思われるか
・リフレッシュや休憩のために席を外す時に冷たい目を向けられないか
・「さぼっている」「生産性が低い」と思われないか
 
人間は他者からの承認を求める社会的な存在であるため、自分がどう思われているかが気になるのは当然です。自分にまつわる他者の意見が成功を定義する一種の要素であると考えているため、他者が好意的に受け止めるであろうやり方で行動するのは自然なことです。これと同様のことが、忙しさについても言えます。自分自身を忙しくするのは、そうあるべきだと他者が期待していると考えているからなのです。
 
当然ながら、ビジネスで成功するためには、ある程度の自己認識が重要です。しかし、人にどう思われているかについて過剰に悩むのは、著しく有害になる可能性があります。そのため、無理のない範囲で、あなたがどのように受け止められているかについて、過剰に悩むのをやめてみてください。覚えておいてほしいのは、最も重要なのはあなたがもたらす結果と価値であり、1日にどれだけ多くのメールを送信したかでも、夜の10時にいかに素早くメールに返信したかでもありません。
 

3. 自分の時間が貴重であることを理解する

価値が高く戦略的に重要な仕事に忙しく取り組むのは健全なこと。しかし、価値が高くより難易度の高い仕事に集中することを避けるため、あるいは価値があって成功していると思われるために忙しくしているのであれば、それは問題です。
 
まずは正直に自分自身に問いかけてください。「自分は正しいことに時間をつかっているだろうか?」。時間が最も貴重であり、最も価値をもたらすものに投下すべきです。毎朝何百通ものメールを読む代わりに一旦立ち止まり、「今日達成したいもののなかで重要なものはどれだろうか」と問いかけるのです。10のタスクをこなすのではなくその重要な1つを成し遂げることにフォーカスします。1つのことにフォーカスしながら、正しい方向に向かっているかを確認すべく内省する時間を設けます。
 
ビジネスにおいて私自身がこれまで下してきた重要な決定の数々は、オフィスでの流れ作業から離れ、静かに内省している時間に起きたことでした。私は人が大勢いる会議の最中に指示をとばすタイプのリーダーではなかったため、内省する時間に私のなかで何が起きているかは誰も知る由がありませんでした。それらの意思決定は会社と関係者全員に成功をもたらすための、非常に重要かつ広範囲に及ぶものでした。もし私が緊急の案件で忙しくするのとは対照的に重要な物事について考える時間をとらなければ、事態はどうなっていたでしょうか?
 
現実で重要な1つのことに集中するためには、永遠に0にならないTo Doリストからいくつかのタスクを削除するか、誰かにパスするかしなければなりません。また、優先度が低いタスクが新たに飛び込んできたら、背景を説明しながら勇気と信念をもってNoと言うのです。
 
私が改めて強調したいのは、自分の時間を守ることです。集中して作業する必要があればカレンダーをブロックしたり、不要な会議は断ったりするなど、自分で自分の時間をコントロールすることが重要です。自分の時間におけるオーナーは自分自身であるため、自分の心に素直に従うべきです。必要に応じて時間を確保する癖を身に着けます。
 
すこし前、自身が取り組みたい問題に対しどれだけ時間を投下できているか、ほかの人が彼らの課題のためにどれほど私の時間を埋めているかを調べてみました。すると、ほかの人の問題のためにほとんどの時間がつかわれていると判明し、衝撃をうけました。同僚と共に課題解決に取り組むことはもちろん重要ですし、それはリーダーの役割でもあります。しかし一方で、自身の思考時間がなくなるほどであれば、正しいとは言えません。24時間365日周りからの要請に対応する以上に、自分自身の時間の捻出にも断固として取り組むべきです。
 

4. 自身のキャパを見極める

どんなに生産性の高い人であっても、限界があります。自分ひとりですべてをこなすことは現実的に不可能であり、そもそもそうすべきではありません。成功を収めた人々はそれを理解して現在のポジションを築いているのです。
 
自身のキャパシティを把握すると同時に、チームの力を活用することを覚えます。数年にわたって忙しさの原因となっていたタスクを思い切って手放す必要があります。目標達成に力を貸してくれる有能なチームを擁していることを今一度思い出します。もしチームの力を信じられないとしたら、別の問題があります!
 
産業心理学者のマギー・エバンズが私たちのために最近執筆した「THREE STEPS TO HELP YOU GET BETTER AT DELEGATING」(英語)で説明しているように、多くのリーダーは「手放す」ことに苦労しています。「リーダーの多くは、手放すことに恐怖感を持っています。この恐怖は誤った思い込みから来ています。たとえば、常に自分が最善の解決策を見つけられると考えているがゆえに、ほかの人を信頼できなくなっている姿をよく目にします。タスクを説明する時間がとれないと嘆きながら、タスクが発生する度にその都度説明するという矛盾を何度も繰り返している人もいます。これらの誤った思い込みが、忙しさをつくりだす原因を手放す妨げになっていませんか?今こそその思い込みを捨てる時です。
 
最初は苦痛に感じるかもしれませんが、自分自身のみならず、学び成長したいと望むチームにとっても新しい風をもたらす可能性もあります。時間がたち信頼を築くにつれ、仕事を任せるのがどんどん容易になり、思考や一時休止、内省や戦略策定により多くの時間を投下できるようになります。これはまさしくWin-Winだといえます。
 

5. 外界との遮断

これは非常にシンプルで、以前のブログ「 仕事で忙しいを今すぐやめるべき理由とは?」で言及したものでもあります。業務内容や年次にかかわらず、全員が意識して取り組むべきこととして、「外界との遮断」を挙げておきます。パソコンの電源を切り、デスクから離れ、外に出る ― これを習慣にします。自分で決め、毎日遂行し、「忙しすぎる」という言い訳はもう通用しません。個人的には外に出るとリラックスできます。複雑な問題に明快さをもたらす助けになるのです。何時間も考え続けてきた問題の解決策が、どういうわけか魔法のように頭に浮かぶこともあります。新しいアイデアや冒険に思いをはせ、回復した気力とともにオフィスに戻り、残りの時間を集中して生産的に過ごせるようになります。
 
また、集中力を要する重要度の高い仕事にとりかかる際は、メールなどの通知を切ります。なんとなく不安を覚え、プロらしくないのではと迷うかもしれませんが、そうするのです。次から次へと届く大量のメールは忙しさを錯覚させ、あっという間に時間を奪います。価値のあることを生み出さないどころか、重要ではない仕事を余計につくりだしているのです。
 
テクノロジーの遮断は、革新的で創造性に満ちた考えを誘発します。無意識のうちにメールや通知を待ってしまうため、メールや通知をオフにすることで、価値ある仕事に十分な集中力をもって臨めるようになります。
 
上記の5つの点を実践した結果、「最近どうですか?」と聞かれた時の回答が今と異なるものになっていることを願います。
 
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著者

アリスター・コックス
ヘイズCEO
2007年9月にヘイズのCEOに就任。1982年に英国のサルフォード大学で航空工学を学んだ後、ブリティッシュ・エアロスペースの軍用機部門でキャリアをスタート。1983年から1988年までシュルンベルジェに勤務し、ヨーロッパと北米の石油・ガス産業において現場や研究の職務に従事した。
1991年にカリフォルニア州のスタンフォード大学でMBAを取得し、マッキンゼー・アンド・カンパニーのコンサルタントとして英国に帰国。マッキンゼー・アンド・カンパニーでは、エネルギー、消費財、製造業など、さまざまな分野を経験した。
1994年、ブルーサークルインダストリーズに転職し、グループストラテジーディレクターとして戦略立案や国際投資を担当。この間、ブルーサークルは新しい市場で重量の重い建築材料に焦点を当てた事業を展開し、1998年にはマレーシア・クアラルンプールを拠点にアジア事業を統括するリージョナル・ディレクターに就任。また、マレーシアやシンガポール、フィリピン、インドネシア、ベトナムの事業を担当し、2001年のラファージュによるブルーサークル買収後は、ラファージュのアジアのリージョナル・プレジデントとして、同地域の事業責任も担った。
2002年には、ITサービスおよびバックオフィス処理会社であるXansaのCEOとして英国に帰国。Xansaでの5年間の在職中に、組織の再編成を行い、英国を代表する官民両部門のバックオフィスサービスのプロバイダーとなり、インドに6,000人以上の従業員を擁する、この分野で最も強力なオフショア事業を構築した。

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