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ロボットかリクルーターか?採用・人事におけるテクノロジー活用法

ロボットかリクルーターか?
採用・人事におけるテクノロジー活用法

現在のHRテックのエコシステムは、給与計算や従業員間のコミュニケーション、勤怠管理など人材の獲得・管理の合理化をサポートしてくれるシステムとソフトウェアのハイブリッドです。
 
10年前であれば、このようなエコシステムは応募者のトラッキングやベンダーマネジメントシステム(VMS)といった人事に特化したテクノロジーで構成されていました。
 
しかし、企業はさらなる技術を求めており、既存のエコシステムは変化のスピードについていくのが難しくなってきています。たとえば、Staffing Industry Analysts(SIA)が最近発表した「VMS グローバル・ランドスケープ・サマリー」によると、VMSのNPS(ネット・プロモータ―・スコア:顧客推奨度)は、驚くべきことに-28に低下しています。
 

テクノロジーは形を変えていく

企業にとって朗報なのは、生成AIやロボティクス・プロセス・オートメーション(RPA)をはじめとするAIの目覚ましい発展がビジネスの世界に大きな変化をもたらし、エンドツーエンドで柔軟かつ拡張性のあるソリューションを実現できるようになったことです。
 
すでに以下の例が見受けられます。
 
  • 面接の日程調整など、採用における煩雑な作業を削減するタスクの自動化
  • 没入感のある面接体験を実現できるVRの活用
  • ChatGPTを活用した魅力的な求人広告の作成
その一方で、これらの変化は企業に新しい課題を突き付けています。テクノロジーの進化は、人材紹介会社の在り方に影響を与えるだけでなく、人材不足の市場において企業が求めるスキルも変化させています。
 
これは避けることのできない課題です。私たちは今、止まることのない技術競争の真っ只中にいます。2021年には、ベンチャーキャピタルがHRテック市場に120億ドル以上を注ぎ込み、投資率は2020年と比較して3倍になっています。
 
これまで企業は比較的気軽に新しいテクノロジーを導入し、適応してきました。求人情報サイトやSNS、人材プラットフォームは、人材獲得の効率化を促進するために広く受け入れられ、活用されています。
 
しかし、チャットボットや自動化されたエンゲージメント含むテクノロジーエコシステムをどのように構築するかは、各企業の目標や個々のリスク許容度に依存します。また、複雑化するIT環境をサポートできるパートナーが必要になります。
 

既存のテクノロジーと新しいテクノロジーの融合

SIAは、企業にとって、変化の激しい複雑な環境下で常に最新の情報を手に入れ続けることが大きな課題であると述べています。
 
今回は、イノベーションの最先端を走り続けるために、さまざまなテクノロジーがどのように人材確保や人材戦略に役立つのかを紹介します。
 

効率的な人材確保

オムニチャネルでの人材確保が主流となり、社内の人材ネットワークやアルムナイ(退職者)ネットワーク、海外人材、さまざまなサプライヤーなど、利用可能なすべてのチャネルを1つの戦略にまとめ、人材発掘を強化する企業が増えています。
 
企業は、人材ネットワークの多様化やチャネルの有効性について定期的な評価を行い、「いかに人材を確保するか」から「いかにビジネスを推進するか」に思考を変える必要があります。
 
しかし、明確な人材戦略をもたずにチャネルを増やしても、単に仕事が増加するだけで、採用チームの効率は悪くなります。このようなときこそ、テクノロジーが価値を発揮します。反復作業や決められたルールに基づいて行う業務に活用すれば、リクルーターや採用
担当者は優れた候補者体験の構築に全力を注ぐことができます。
 

ビッグデータ

課題:
応募者トラッキングシステムやSNS、社内のCRMスプレッドシートに情報が散在している。
 
今後の可能性:
さまざまなデータソースを統合・集約し、情報をマイニングできるシステムやプロセスを構築できれば、企業は人材獲得に役立つ貴重な知見を得ることができる。データの視認性を高めることで、企業はデータに基づいた意思決定や戦略のリアルタイムな調整が叶い、候補者の量と質の面で最も効果的なチャネルを活用できるように。
 

自然言語処理(NLP)

課題:
最近まで、採用における自然言語処理の活用は、あらかじめプログラムされた質問に答えることができるチャットボットに限られていた。自然言語理解(NLU)や生成AIの成長を組み合わせた最近の開発(ChatGPTの台頭も含む)は、人間の想像を超え、単に会話を再現するだけでなく、人間と見分けがつかないような会話を生成することができる。一方で、懸念を示す採用担当者もいる。
 
今後の可能性:
Forbesの調査によると、リクルーターの68%が、採用プロセスへのAIの導入が意図しない偏見を取り除くことができると考えている。NLPを効果的に導入できれば、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)に対するアプローチのサポートや、求人内容にキーワードを盛り込むなど職務内容の最適化による候補者の惹きつけ、ジェンダーバイアス(性差による偏見)の排除などが可能に。選考・評価プロセスにNLPを導入する場合、応募者がどのように選考に備えるべきかを詳細に示す明確なガイドラインを設定するとともに、意思決定の材料となるデータを透明性をもって共有する必要がある。
 

RPA

課題:
専門家の間では、採用活動の大半が面接の日程調整や応募者へのフォローアップなどの基本的な業務に費やされており、有望な人材と関係を構築する余裕がないという声が出ている。しかし候補者は、それぞれに合った採用体験を期待している。企業は業務上の要件と人間的な要素のバランスをどのようにとるべきか。
 
今後の可能性:
自動化は、人材紹介・派遣のプロセスにおける時間配分を根本的に変える可能性を秘めている。RPAは、大量の応募者のスクリーニング、雇用前の評価チェック、面接の日程調整、フォーム入力に活用が可能。自動化により、よりスマートに働き、感情知性(EQ)やクリエイティビティ、交渉スキルを必要とする業務に集中することができる。
 

専門家の見解

レオ・シェン(ヘイズ・チャイナ、ヘッド・オブ・テクノロジー)は次のように語っています。「採用プロセスにおいて、多くのリクルーターは人材調達に30時間以上費やしています。AIツールを活用すれば、応募者の審査や絞り込みのプロセスを加速させることができます。
 
一方で、これらのテクノロジーには、高額な費用がかかります。予算に制約がある場合、ウェブスクレイパーや検索エンジンなどの自動化技術を活用することで、より効率的に業務を進められます。
 
また、企業が求める人材のタイプに応じて、テクノロジーをカスタマイズすることも重要です。経験の少ない人材に対しては、LinkedInやその他の求人サイトよりも、FacebookやTwitter、Instagram、WeChatなどのSNSの方が適しているかもしれません」。
 

より良いテクノロジーエコシステムの構築

私たちはテクノロジーに関して、まだ表層にしか触れることができません。AIによるイノベーションは、メタバースやブロックチェーン、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)、IoTなどの複雑なテクノロジーというパズルの1ピースにすぎません。また、人材確保のみならず、オンボーディング・育成・定着の方法にも大きな影響を与えています。
 
多くの企業が従来のHRテックの課題に取り組む一方で、テクノロジーは企業の人材戦略や求めるスキルの再定義を促しています。企業は、これまで積み重ねてきた既存の技術と新たなテクノロジーをどのように統合するか考える必要もあります。テクノロジーの活用によって、効率性や拡張性、客観性を実現し、シームレスな候補者体験を作り上げることができます。
 
新しいテクノロジーをどのように効果的に導入・統合するのか、または既存のものを最大限に活用できているかを十分に検討しながら、最新のイノベーションを取り入れていくことが重要です。
 
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