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面接担当者が意識すべき心得と役割~候補者の実力を把握できる環境づくりを

面接担当者が意識すべき心得と役割~候補者の実力を把握できる環境づくりを

面接を行う立場にいる際、最新の欠員にぴったりの人材を見つけることを望んで候補者と会おうとしていますか?面接を受けに来る人のうち、少なくとも1名は、面接に極度の緊張を抱いて現れると予測できます。もちろん面接は誰もがある程度の緊張を感じるものであり、以前にも極端に緊張した人との面接を経験したことがあるのではないでしょうか。適度な緊張感は、候補者のより良いパフォーマンスを引き出すことも事実です。
 
しかし、度を超えた緊張は、スキルや経験を売り込むのに必要な自信を奪いかねません。自信のなさを補おうといつもと異なる振る舞いをしたり、思ってもいない言動をとったりと、こちらがその殻を破るのに奮闘するかもしれません。 最終的には、過度な緊張に包まれている候補者は、残念な気持ちで面接から立ち去る可能性がより高く、これは、エンプロイヤーブランドにとっても、彼らの自信にとっても良いことではありません。
 
以下にまとめたポイントは、人材探しやエンプロイヤーブランド、候補者の採用過程の体験向上のためにも、候補者に安心してもらうための対策です。
 

面接前に緊張を和らげる手助けをする 

候補者は、面接に来る前にその企業について慣れ親しんでいればいるほど、面接でリラックスできる可能性が高くなります。このため、候補者が面接官や会社により親しみを感じられるように、リクルーターとの協力を勧めます。
 
緊張をほぐすための方法のひとつとして、まずは電話面接の日程をスケジューリングします。あなたのLinkedInのプロフィールへのリンクや商品パンフレットなど、有益な情報をいくつかリクルーターに送って、候補者に渡してもらうこともできます。候補者が当日に準備ができていればいるほど、また、親しみを感じていればいるほど、彼らが緊張する可能性は低くなります。
 

面接では緊張のわずかなサインを見分ける

候補者に会ったら、緊張しているかどうか気づけることが重要です。目に見えて緊張していることもあれば、椅子の上で動いていたり、髪やペンをいじっていたり、アイコンタクトを避けたりするなどボディランゲージや様子に表れることも。言葉に詰まる、神経質に笑う、声が震えるなどもあるかもしれません。これらの場合には、「緊張するのも無理ないですよね。理解できます。ちょっと深呼吸してみましょう」など、理解を示すことで緊張をほぐせるかもしれません。
 
なかには緊張を隠すことができる候補者もいます。面接が順調だと面接官が思い込んでしまうと、候補者を安心させるためにこれらの対策をとらずじまいとなることもあります。
私は最近、「What every body is saying」と呼ばれる、ボディランゲージに関する面白い本を読みました。この本では、伝わりづらい緊張のサインをいくつか明らかにしています。
 
  • 顔を触る – 気持ちを静める効果がある
  • 手を使って、同じジェスチャーや動きを繰り返す – 反復する習慣は神経をなだめる
  • あくびをする – 心配やストレスは暑さを感じる原因になることがあり、あくびには体を冷却する効果がある
また、自分自身の経験から、候補者のよそよそしいと思える態度が緊張を示すことも知っています。よそよそしく、静かであるとの印象は、仕事に関心がないという誤解につながることもあります。実際は、ただ圧倒されているだけで、一歩引いて状況を把握しようとしている姿なのです。
 
その一方で、最初に示したように、緊張を隠すために自信があるかのように振る舞う例もあります。
 
候補者を安心させるために、以下のステップを踏めば、内心では緊張しているのか、自分らしくない状態にあるのか、リラックスする必要があるのかを見分けることができるようになります。
 

心地よい面接の環境をつくり出す

経験ある採用マネージャーとして、時間通りに面接に到着して温かい笑顔で挨拶し、旅行や趣味などの雑談から始めるのは良い試みです。しかし、候補者を安心させるために面接官が活用できる小さなステップがいくつかあります。
 
まずは、面接の場所選び。電話の呼び出し音や、通り過ぎたりのぞき込んだりするような人々に気を取られないような部屋を用意します。大きな会議室ではなく、こぢんまりしたミーティングルームがおすすめ。威圧感も大幅に少なく、面接から緊迫感を幾分取り除くことができます。
 
次に、面接官の配置も考慮します。面接官が複数名いる場合は、候補者の前に全員が並んで座るのは避けるべきです。取り調べやオーディションのように感じさせてしまう場合があり、候補者の緊張を和らげるどころか、ますます緊張させてしまいます。その代わり、候補者が文字通り誰かを味方につけることができるように、スペースを空けてテーブルの周りに座るなら、緊張の緩和につながります。
 

徐々に面接に慣れてもらう

面接を始める際には、面接官全員から自己紹介をし、なぜこの職務の採用をしようとしているかを説明します。例えば「本日お会いすることができて、非常に嬉しく思います。なぜなら、[….]の分野であなたのような経験を持っている人材を探しているからです」などの言葉は有効。その候補者に関心を持った理由を簡単に説明することで、候補者に安心感と自信をもたらす一助になります。また、面接で話すトピックを本題に入る前に伝えると、候補者の不安感を緩和できるかもしれません。
 

面接を対話形式にする

採用担当者なら、面接は、次から次へと質問と回答を繰り返すクイズセッションとは反対に、会話のように感じられるものが望ましいと知っています。しかし、緊張した候補者にとっては、どんなに面接官が親しみやすく振る舞っても、簡単には緊張が和らがないかもしれません。
 
そこで勧めたいのは、簡単な会話から始め、徐々に複雑なものに進むことです。質問はイエス/ノーではなく自由に回答できるオープンエンド型で続け、質問は一度に1つまでとし、他の面接官を遮らないように注意します。そうすれば候補者は、質問が押し寄せているとは感じないはずです。
 
また、緊張によってうまく回答できていないと気づいたら、回答をより掘り下げるか、言いたいことをすべて言えたかを確認するかして、再確認します。候補者がより詳細に説明し始めた際は、話している間に頷いたり微笑んだりすることで勇気づけられます。このような姿勢は前向きな支えとして働き、流れるような双方向の会話を維持しながら、自信をもった受け答えを促す助けとなります。
 

面接は前向きな様子で終える

面接の終盤になっても、候補者がまだ緊張をしているのであれば、聞きたかった質問を思い出そうとしているのかもしれない、ととらえます。その場合は、聞きそびれた質問や追加の質問があればリクルーターを通して後からでも尋ねられると伝えます。
 
面接が終わりに近づいたら、今後のスケジュール感を伝え、面接の感想を尋ねるとよいでしょう。感想を尋ねることによって候補者は正直に伝えるチャンスだと感じ「この仕事に興味があるため緊張した」など打ち明けてくれるかもしれません。そのような回答が返ってこないとしても、候補者はリクルーターにフィードバックすると考えられるため、速やかにリクルーターに連絡することが大切です。
 
緊張は、候補者が本当にその仕事を望んでいるサインであり、スキルや強みに影響を与えるものではありません。ただし、緊張は候補者の本来の姿を覆い隠すリスクがあるため、候補者に安心して臨んでもらえるよう企業側も最大限努力する必要があります。ただし、緊張は候補者の本来の姿を覆い隠すリスクがあるため、候補者に安心して臨んでもらえるよう企業側も最大限努力する必要があります。
 
上記に挙げたステップによって、緊張の裏にある人間性や専門性を知ることができ、チーム内で候補者が成功する可能性をより正確に判断できるようになります。
 
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著者

スージー・ティムリン
英国政府投資会社(UKGI)、最高執行責任者(COO)
UKGIは、英国政府のコーポレートファイナンスおよびガバナンスの研究拠点となり、興味深く複雑な商業的課題に対処することをミッションとした英国財務省所管の政府機関。COOとしてビジネスの効率的な運用管理や最適な組織設計および人材の採用・育成・管理等に取り組んでいる。
UKGIの前は、ヘイズ・タレント・ソリューションズ(HTS)の人材・文化部にてグローバル・ディレクターとして従事。

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