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退職を伝えた後は“立つ鳥跡を濁さず”で

退職を伝えた後は“立つ鳥跡を濁さず”で

一体、どれだけ肩の荷が下りたことでしょう。何か月にも及ぶ求人検索・応募・面接の後、ついに新たなキャリアを築く場所が決定しました。新しい仕事の契約書への署名・捺印を済ませ、現在の会社には退職する旨を伝え(退職をどう切り出すか悩んでいる場合は「退職を切り出せずに悩む必要はありません」へ)、今やリラックスできている状態だと思います。
 
現職になんらかの不満を抱いていた場合は特に、今の仕事での終わりが見えたことにより、ひとまずホッとしているかもしれません。しかし、安心感を感じることと、ここですべてを断ち切ることとは違います。私は後者については強く反対します。
 
“立つ鳥跡を濁さず”をどのように実践するか、3つのTipsを挙げていきます。
 

“立つ鳥跡を濁さず”がなぜ重要か

現在の会社で働いている間、プロフェッショナルとして認識され評価されるために、仕事に邁進してきたことでしょう。今、仕事の質や量を低下させてしまうと、その評価に傷がつきかねません。退職を伝えてからの振る舞いが、辞めた後に記憶に残る姿となるからです。
 
退職を周囲に知らせてからの振る舞いが、今後の関係や可能性に大きく影響するのです。未来への扉を開いたままにするのか、固く閉ざされたものにしてしまうのかは、自分次第です。たとえ二度と戻ることはないと思っていたとしても、今後のレファレンスや評判のために、上司や同僚とは良好な関係を保つに越したことはありません。
 
今後かかわることはないと今は思っていても、いつまた同僚や取引先となるかはわからないものです。上司や同僚からの印象を良いものとしておくことで、良いポジションがあった時の紹介や推薦、情報共有につながる可能性があります。
 
では、退職までにどのように振る舞えば、可能な限り良い状態で今の会社を後にすることができるでしょうか?
 

1. 実直に応対する

チームにとって、共に働く同僚が辞めることを聞くのはつらいかもしれません。このニュースがあなた自身ではなく上司など他の誰かからもたらされた時は、特にそうです。そこでとるべき対応は、最も親しくしていた同僚たちに対して時間をつくり、なぜ辞めるのかについて自分の口から説明することが大切です。その際は、今の仕事のネガティブな面よりも、新しい仕事のポジティブな面にフォーカスするのが◎。
 
同僚に対しては、一緒に仕事をした時間への感謝と、今後も連絡を取り続けたいと思っていると伝えます。この退職が個人的なものではなくプロフェッショナルとしての決断であると説明すれば、その思いを理解し今後もプロフェッショナルとしての結びつきを維持しようと思ってくれるはずです。
 

2. パフォーマンスを低下させない

今までの評価を引き続き維持するためには、これまで行ってきたようにプロフェッショナルらしく仕事を続けることが重要です。高水準のパフォーマンスを保ち、適切な服装で仕事に臨み、時間を守り、メールには迅速に返信をし、同僚やクライアントに対して今の仕事や職場のネガティブなことを言わない、などを継続します。
 
加えて、退職までの時間に担当分の仕事を片付け、引き継ぎがスムーズにいくように計画的にこなすことも必要です。なぜなら、この最後の仕事の片付け方が、あなたの印象や評価を大きく左右する可能性があるからです。それゆえ、上司と話し合い、どのプロジェクトと仕事を完了する必要があるのか、期限はいつか、どれを後任に引き継ぐかを明確にしておくべきです。 引き継ぎのプロセスとともに、スキルや知識をチームの誰に伝えるべきなのかを確認します。そしてその計画は、同僚全員が認識し、全員で協力できるように共有するのが理想です。
 
また、もし仕事上必要なグループメールやミーティングから外され始めたら、遠慮なくそれがまだ必要だと声を上げてよいと考えます。それらは最後の数週間、これまで通りに働くために必要なことです。外そうとした人は、退職するのだから最新の情報を望んでいないのではないかと考えているのかもしれませんが、するべき仕事は残っていますし、なによりまだ退職していないのですから。
 

3. ドアを開けたままにしておく

最後の週が近づいてきたら、キャリアを助けてくれた人や、メンターとしてサポートしてくれた人には特に、個人的なお別れや感謝を伝えることを計画し始めてください。その感謝が大きな効果を持つことがあり、なによりも今までのサポートへの感謝を伝えるために時間をつくってくれたこと自体が心に響くものになるかもしれません。LinkedInなどでつながりをもち、連絡先の交換もお忘れなく。
 
同僚には、会社や彼らの今後の発展を願っていること、今後も役に立ちそうな情報があれば共有することを伝え、退職後も良い関係を続けていきたい旨を言葉にします。将来、今まで培ったコネクションがいつどのように必要になるかわからないため、鍵となるのはドアを開いたままにしておくことです。
 
目の前には新たなキャリアステップが広がっており、スタート地点に立つまでにやるべきことは多数あります。とはいえ、退職を伝えたからといってそれがパフォーマンスを低下させてよいことにはなりません。これまで築いたコネクションを維持しながら、プロフェッショナルとしての評価を保ち、「優秀な前任の後を継ぐ人は大変だね」と同僚に言われることを目指すなら、“立つ鳥跡を濁さず”を心がける価値があります。
 
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著者

マーク・ブラジ
リージョナル・マネージング・ディレクター
2022年にアジアのリージョナル・マネージング・ディレクターに就任。
2012年に香港のリージョナルディレクターとしてヘイズに入社。2014年には、ヘイズ・タレント・ソリューション事業の責任者を担当し、2015年にヘイズ・ジャパンのマネージング・ディレクターに就任。正社員や役員、派遣社員、契約社員の紹介、オンサイトソリューションなど、あらゆる専門分野における日本事業のオペレーションと成長の責任を担った。
イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、アジアでビジネスをリードし、成長させてきた実績があり、幅広い業界と職種に関する専門知識を有している。人材業界の前は、自動車業界にてさまざまな営業やマーケティングのマネジメントを務めていた。ビジネス改革とチェンジマネジメントの経験が豊富で、機能横断的なチームの構築、育成、指導に長けている。また、ニュージーランドリーダーシップ研究所の理事を務め、アッシュブリッジビジネススクールで戦略を学んでいた。

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