仕事を上手く断る方法 ― 注意点や例文を紹介
戦略的キャリア運用には、Noも必要
仕事を上手くこなしていてある程度のキャリアを積んでいれば、周りから認められ、自然と新しいプロジェクトが舞い込むようになります。しかし、成功を積み重ねていくためには、何でも自分でできるわけではなく、すべての人を喜ばせるのは無理だと受け入れなければなりません。新しいプロジェクトに参加することが自分にとって本当に有益か、よく考えて決断することが不可欠。そうでない場合は、適切な方法で断ることが大切です。
考慮すべき点
仕事の依頼を受けたら、1度立ち止まって考えることが重要。相手の喜ぶ姿が頭に浮かんでも、すぐに「やります」と答えてしまうのは避ける必要があります。特に、その仕事が自分の担当外である場合はなおさらです。今取り組んでいる仕事の量も考慮する必要があるためあとで返事をすると依頼主に伝え、検討する時間をもらいます。すぐに返答をして、自分にプレッシャーを与えないように注意。
仕事の依頼を受けるか検討する際に考慮すべきポイント
- 仕事が自分の担当業務とどの程度関連があるのか
- 現在の優先順位や目的に合っているか
- 時間の余裕はあるか
- 依頼主は誰か、どれくらいの役職でなぜ助けを求めてきたのか
- 自分が断った場合、周囲がどう受けとるか
仕事を断る方法
仕事の依頼を断ると決めた場合、次のステップが難しい部分 ― 実際に断ることです。断るのが難しい理由は多くありますが、そのうちのいくつかは身に覚えのあることです。
- 恩を売りたい
- 好かれたい
- 関係を壊したくない
- 争いごとが怖い
- 罪悪感がある
- 自分の能力を過大評価している
仕事でもプライベートでも、これらの気持ちを克服する必要があります。正しい断り方をすれば、後悔の念に駆られることもありません。断ることは権利であり、同僚は決断を尊重すべきです。仕事を断る場合は、正直かつ透明性のある方法で行うことが大切です。
以下に、シンプルかつ効果的に断るための例文を紹介します。
- 「大変恐縮ですが、今最優先で頼まれている業務があり、お引き受けできません」
- 「今業務が立て込んでいるため、●日(日付)に再度お声がけいただけませんか?」
- 「申し訳ありませんが、ご依頼の業務は私の担当ではありません。●●(名前)の方が適任かと思います」
最後に
上記で述べたように、仕事が上手くいっていれば、遅かれ早かれ、周りから認められるようになり、仕事の依頼も増えます。しかし、あまり多くの依頼を引き受けてしまうと、そのうち、自分を苦しめることに。キャリアアップのためには、状況や優先順位、適性を客観的にとらえ、仕事を断ることも学ぶ必要があります。
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著者
スージー・ティムリン
英国政府投資会社(UKGI)、最高執行責任者(COO)
UKGIは、英国政府のコーポレートファイナンスおよびガバナンスの研究拠点となり、興味深く複雑な商業的課題に対処することをミッションとした英国財務省所管の政府機関。COOとしてビジネスの効率的な運用管理や最適な組織設計および人材の採用・育成・管理等に取り組んでいる。
UKGIの前は、ヘイズ・タレント・ソリューションズ(HTS)の人材・文化部にてグローバル・ディレクターとして従事。