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日本のテクノロジー産業の採用市場をけん引するサイバーセキュリティ、データ分析、ITインフラ

 

今回のコロナ禍で日本のデジタル技術を取り巻く状況は一変しました。テレワークで仕事をする労働者が増え、従来の就業スタイルは地殻変動にも例えられる劇的な変化を余儀なくされています。こうした変化への対応のためデジタル環境の整備に力を入れる企業が増加したことから、デジタル産業の採用ニーズが増大しています。この傾向は、日本のデジタル化推進に重要な分野で特に顕著です。

リクルートメントのエキスパートであるヘイズ・ジャパンのマネージング・ディレクター、リチャード・アードリーは、パンデミック収束後も意欲的な採用が続く分野として以下の3つを挙げています。  

1. サイバーセキュリティ – 「急激にデジタル化に舵を切ったために、サイバー攻撃に対して脆弱な企業が少なくありません」とアードリーは語り、その一例としてNTTドコモのキャッシュレス決済を巡る不正チャージ問題を挙げています。「今回のパンデミックで最も成功したと言われるZoomですらサイバーセキュリティ関連のトラブルに悩まされました。日本企業の間でもシステムの安全性確保が重要との認識が広がり、サイバーセキュリティ分野の仕事が増大、大手サイバーセキュリティ企業による大量採用本格化に繋がりました。」

現在最も需要が高い職種は、サイバー攻撃から企業のインフラを守るネットワークエンジニアや、潜在的な脅威に対する準備や対処についての助言を行うサイバーセキュリティコンサルタントです。「サイバーセキュリティ市場の競争は激化しており、意欲的に顧客を獲得するプリセールス職やセールスエンジニア職の採用に積極的な企業も多く見られます」とアードリーは説明します。 

2. データサイエンスとデータ分析 「今回の危機をきっかけに、多くの企業がテクノロジーを活用してビジネスモデルの転換を進めました」とアードリーは説明します。「パンデミック第1波が過ぎたころから、企業は新型コロナと共存しながら事業を継続する方向を模索し始めたのです。こうした過程で、顧客との接点を築き、ビジネスを最適に展開するためには、データの活用に力を入れることが必要であると企業は気づきました。データアナリストやデータサイエンティストへの需要が高まったのは、こうした背景があるからです。」

さらにパンデミックによる移動制限がeコマースの活況に繋がり、データ関連職へのニーズを後押しした、とアードリーは語ります。「大手eコマース企業は、パンデミックの間も採用活動を行っていましたが、人材の採用は今後も継続されるでしょう。これらの企業は顧客基盤が拡大傾向にあることから、自社のサービス向上に貢献できるデータ関連職を求めています。」

3. ITインフラ – 「日本にはさまざまな規制事項がありますが、今回の危機下で企業はこれらに対する迅速な対応を迫られました。この結果、インフラに関する助言や導入支援が出来るITベンダーやコンサルティング企業への需要が急増したのです」とアードリーは語ります。「クラウドエンジニアやコンサルタントなど専門性が高い職種の他、ヘルプデスク職やデスクトップサポート職への需要も高まりました。技術インフラを外注する企業が増加したことがその一因です。」企業の多くは現在もデジタル化を進行している最中であり、ITインフラ分野は当面の間採用市場の中心であり続けるであろうとアードリーは予測しています。

アードリーは、「上記3分野の採用人数は高止まりが続くでしょうが、求職者間の競争は激化しています」と警告しています。「人員余剰や雇用に対する不安から、求職者数は増加傾向にあります。加えて海外在住の日本人も帰国を視野に入れており、競争は厳しい展開となるでしょう。候補者は、変化と革新の時代に勝ち残るために、技術スキルの向上に加えて二か国語によるコミュニケーションスキルを磨き、これまでの経験と適応力をアピールしていきましょう。」