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ヘイズ採用動向リポート 「インサイドストーリー」 エンジニアリング業界編を公開
転職市場では電気自動車の開発職への需要が急増

 

外資系人材紹介会社ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパン株式会社(本社:港区、マネージング・ディレクター:グラント・トレンズ、以下ヘイズ)はこの度、業界動向レポート「インサイドストーリー」のエンジニアリング業界編を公開しました。

日本のエンジニアリング産業の採用市場のトレンド

  • ジュニアレベルからミドルレベルの求人で最も活発なのは、アプリケーション・エンジニア、プロジェクト・マネージャー、セールス・エンジニアなど。エンジニアリングのバックグランドを持ち、顧客と技術的な内容について折衝出来る力や高いプレゼンテーション能力、プロダクトデザインの経験などが求められている。

  • シニアレベルのポジションでは、セールスエンジニアリング・マネージャーやエンジニアリング・ディレクターに需要が見られるが、条件を満たす人材が不足しているのが現状。求められるスキルは、チームマネジメント能力、交渉力、プレゼンテーション力、顧客との折衝経験と高い語学力。

  • 求職者が転職活動に使用するメディアは、現在もリクルート・ナビやキャリアクロスといったジョブボードが有力。一方で、LinkedInなどのソーシャルネットワークの活用も進んでいる。

  • 成長分野として期待されるのが、災害地域など危険な場所を調査目的で撮影するドローンの生産。垂直離着機(VTOL)が開発されたこともあり、今後3年から5年にかけてベンチャー企業、大手企業の双方の参入が見込まれる。

自動車産業では今後も電気自動車(EV)の開発職に高い需要

日本は世界第3位の自動車大国であり、自動車産業は日本の工業部門にとって基幹となる産業の一つです。日本は、これまで自動車に関するイノベーションの最先端を走ってきました。国内自動車メーカーなどが開発を進めている全自動運転は、産業界が誇る屈指の革新的技術と言って良いでしょう。

日本の自動車産業が積極的に強化しているのは、全自動運転技術だけではありません。コネクティビティを活かしたナビゲーションシステムやインフォテインメント(情報・娯楽の両要素を提供するシステム)、モビリティなど、さまざまな技術イノベーションの重点化に取り組んでいます。また、自動車関連の他にも、空気感染性疾患の防止に役立つウィルスろ過装置など、新分野の技術に投資しているのも昨今の特徴です。新たな技術の振り向け先が見つかれば、今後も技術投資は続いていくでしょう。これらの傾向に鑑みると、景気が後退しても関連産業での採用意欲が冷え込むことはないと思われます。

ヘイズ・ジャパンのマネージング・ディレクター、グラント・トレンズはこれについて、「注目を集めているのは確かに自動運転技術です。しかし、自動車産業が優先的に力を入れたいのは、電気自動車の開発ではないでしょうか」と一石を投じています。「日本の政府も地方自治体も、将来的にガソリン車の販売を停止する計画を打ち出しています。こうした潮流の中、未来の交通手段として、ハイブリッド車と電気自動車のいずれが覇権を握るのか競争が始まっているのです。内燃機関を自社で生産している企業はもはや少数派です。現在では、自動車産業の研究開発職で募集されるポジションのうち、約50%が電気自動車のエンジニアやその関連職で占められています。」

自動車や交通関連のエンジニアリング市場をさらに後押ししているのが、政府が推進しているMaaS(Mobility as a Service)です。日本政府はMaaSプロジェクトを主導し、公共交通機関とカーシェアリングなど、さまざまな交通手段による移動を1つのサービスとしてつなぎ合わせることを目指しています。MaaSは、日本の交通の未来に大きな変革を起こすものとして期待されています。

技術は主役交代の時期を迎えています。未来の自動車は、タイヤが付いたスマートフォンのような姿になるかもしれません。クラウド技術を介して技術を統合すれば、充電ポイントを見つけたり降車したり、次の乗り物を見つけることがスムーズに出来るようになるでしょう。こうした可能性を実現すれば、日本のMaaS市場は2030年までに6兆3,000万円規模に達する可能性があります。その結果、企業は必要なイノベーションを実現化出来る人材を求めるようになるでしょう。

熱い注目を集めるメカトロニクス

さらに、未来の技術の鍵を握るのが、メカトロニクスです。メカトロニクスとは、ソフトウェアのバーチャル的な側面とハードウェアを総合的に活用する工学分野の一種です。

ソフトウェアは、長い間バーチャル世界を中心に活用されてきましたが、現在では現実の世界にも浸透しつつあります。近い将来、音声で操作可能な家電製品や自動運転車のインターフェースなど、メカトロニクスを使った技術が私たちの日常生活の随所で見られるようになるでしょう。就職活動を控えた学生、新しい分野への挑戦を考えているベテランのエンジニアを含め、自分のキャリアでさらなる高みを目指してみたい求職者は、メカトロニクスの分野に注目することも検討すべきでしょう。

また、トレンズは「国際企業の多くは研究開発拠点を海外に置いており、採用条件として英語力を重視する傾向があります」と指摘します。「日本は、英語を流暢に話せる人口が2%にも達しません。こうした事情もあり、日本のエンジニアリング採用市場ではポジションは豊富にありながら、適切な人材が不足している状態が長く続いています。英語力の高い求職者は、そうでない人材に比べて20%から30%高額な給与を期待出来るかもしれません。意欲の高い人材にとっては、挑戦しがいのある分野と言えるでしょう。」

日本のエンジニアリング分野に関するインサイドストーリーの全文は、こちらをご覧ください。