転職理由を好印象に伝える方法とは?
年齢別・職種別にポイントを詳しく解説

転職理由は、中途採用の面接で必ずと言っていいほど質問される項目です。転職理由を確認することで、「採用したものの、すぐに退職してしまわないか」を確認します。転職理由は、自分では理解していても、事前に整理し伝え方も考えておくことで、「何をどう答えればしっかり伝わるのかわからない」という状態から、自信をもってスムーズに答えられるようになります。
本記事では、転職理由を聞かれる理由、実際の転職理由のランキング、企業が敬遠する転職理由、転職理由のまとめ方、履歴書や職務経歴書での転職理由の書き方、年齢や職種別の転職理由およびOK例・NG例などを紹介します。面接で好印象を与える転職理由の伝え方についても解説し、転職理由のまとめ方から伝え方まで網羅して説明します。
目次
- 面接ではなぜ転職理由を聞かれるのか
- 転職理由ランキング
- 企業が敬遠する転職理由
- 転職理由のまとめ方 ― ポイントと注意点
- 履歴書・職務経歴書での転職理由の書き方
- 主な転職理由とOK例・NG例
- 【年齢・キャリアステージ】転職理由と例文
- 【職種別】転職理由と例文
- 転職理由と志望動機のつなげ方
- 面接で好印象を与える転職理由の伝え方
- 転職理由を効果的に伝えて理想の転職を叶えよう
1 面接ではなぜ転職理由を聞かれるのか

中途採用の場合、ほぼ例外なく面接の序盤で転職理由を質問されます。なぜ面接で転職理由を聞かれるのでしょうか。採用担当者が転職理由を聞く意図や、転職理由がどのように自己分析やキャリアプランを表すかなどについて解説します。
1-1 採用担当者が転職理由を聞く意図
採用担当者は転職理由を聞くことで、応募者が求める仕事の条件や応募者が働く上で重視していることを理解したいと考えています。
・問題や課題への対処の仕方を把握するため
転職理由を聞くことで、応募者が過去の職場で抱えた問題や課題にどのように対処してきたのかを把握します。例えば、人間関係や労働条件に不満があった場合、それをどう解決しようとしたかを知ることで、問題解決能力や積極的な姿勢を評価できるでしょう。 転職を決意するまでの対策や自己改善のエピソードを伝えると、適応力や意欲が高いと判断されやすくなります。
・自社に定着できそうかを見極めるため
転職理由は、入社後の定着可能性・早期離職のリスクを予測する目安となります。例えば応募者が「より柔軟な働き方を求めている」場合、自社がその希望を叶えることができるかを確認するなど、ミスマッチを避けるために確認します。
・自社で希望が実現可能かどうかを考えるため
転職理由で、キャリアアップや年収アップなど叶えたいことが挙げられる場合、自社で実現可能かどうかを考える必要があります。「業務の幅を広げたい」「特定の分野でより経験を活かしたい」などのキャリアップを目指していて、それが募集職種の仕事内容と近しいものであれば、企業研究ができていると評価されます。
転職理由はどう伝える?面接官が知りたいこと&回答例
詳細はこちら1-2 転職理由は自己分析やキャリアプランの裏付けになる
例えば「自分にはどのような環境が合うのか」「どのような働き方が自分のパフォーマンスを引き出すのか」などを具体的に把握している人は、より深い自己分析ができていると判断されるでしょう。
転職理由に自身のキャリア目標や達成したい将来的なビジョンを含むことで、「どのようなキャリアを設計しているのか」を採用担当者に伝えられます。例えば「マネジメントポジションに挑戦したい」「データ分析を活用したマーケティング戦略に関わりたい」など、具体的な目標を伝えることで、採用担当者は候補者が将来を見据えて転職を考えているという評価につながります。
面接でよく聞かれる8つの質問 ― 理想の仕事は?希望年収は? 回答法も解説
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2 転職理由ランキング
| 順位 | 転職理由 | 割合 |
| 1位 | 仕事にやりがいがない enough | 30.7% |
| 2位 | キャリアアップの欠如 | 28.5% |
| 3位 | 給与が低すぎた | 23.2% |
| 4位 | 雇用の安定性がない | 18% |
| 5位 | 上司との関係が悪い | 16.1% |
| 6位 | ワークライフバランスが悪い | 13.9% |
| 7位 | 定年退職または解雇 | 13.5% |
| 8位 | 組織やチームの多様性の欠如 | 11.6% |
| 9位 | 学習・能力開発の機会が不足していた | 11.2% |
| 10位 | 勤務形態の柔軟性に欠ける | 9.0% |
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給与ガイド詳細へ3 企業が敬遠する転職理由
転職理由はどう伝える?面接官が知りたいこと&回答例
4 転職理由のまとめ方 ― ポイントと注意点
4-1 まずは洗い出してみる
4-2 優先順位を決める
4-3 言わない方がいいことを整理する
4-4 ポジティブな言い方を身に着ける
| よくある理由 | ポジティブな言い換え例 |
| 給与や年収が低い | 経験やスキルを活かし、正当な評価を得たい |
| 人間関係(上司・同僚と合わない) | チームや他部署と連携して目標達成へ取り組みたい |
| やりがいがない | 意義や成長を感じられる仕事をしたい |
| 残業や休日出勤が多い | スキルアップなど自己研鑽のできる環境で働きたい |
| 安定した環境で働きたい | 長期的にスキルアップを目指したい |
| 柔軟な働き方をしたい | 生産性の高い環境で成果を出したい |
4-5 志望動機やキャリアプランと一貫性をもつ
5 履歴書・職務経歴書での転職理由の書き方

5-1 履歴書の転職理由のフォーマットと例文
一方、会社の倒産や人員整理、早期退職制度による退職の場合は「会社都合により退社」と記載すれば問題ありません。契約満了による退職の場合は「契約期間満了により退職」と記載しましょう。いずれの場合も、退職年月と一緒に記載します。
5-2 職務経歴書での転職理由の書き方
また、職務経歴書は履歴書と異なり、決まったフォーマットはありません。ポジティブな印象にするためにも、職務経歴書に転職理由は書かない方が良いでしょう。
転職理由は面接で直接質問されることが多いため、その際に答えられる準備をしておきます。会社都合でのやむを得ない退職や、キャリアアップ・スキルアップが理由の場合は、転職理由を書いた方が良い場合もあります。この場合は、あらかじめ職務経歴書に書いておくことで採用担当者に理解を深めてもらえるため、面接時に説明しやすくなります。
6 主な転職理由とOK例・NG例

6-1 転職理由が人間関係の場合
転職理由が人間関係の場合、環境改善の意欲や自身の成長や挑戦に重点を置いて伝えるのがおすすめです。
NG例
6-2 転職理由がキャリアアップの場合
6-3 転職理由がワークライフバランスの場合
ワークライフバランスを向上させたい意思を伝えつつも、自己成長意欲やキャリアビジョンを明確に語ることで、前向きで納得感のある転職理由として受け取ってもらいやすくなります。
また、ワークライフバランスの自分なりの定義を明確にしておくことも必要です。残業の有無、リモートワークの有無、フレックス制の有無、通勤時間の許容範囲など、今どんな部分を改善したいと考えているのかをクリアにします。
7 年齢・キャリアステージ別 ― 転職理由とOK例・NG例

7-1 20代の転職理由の伝え方
OK例
7-2 30代の転職理由の伝え方
OK例
30代で転職理由を伝える際は、長期的なキャリア目標を踏まえた転職であることを示し、計画的な転職であることを伝えることがポイントです。さらに、これまでの職務での実績や成果を示し、それをさらに発展させたいと伝えると、前向きな転職理由になります。
仕事を選ぶ基準は報酬だけ?
詳細はこちら7-3 40代の転職理由の伝え方
年齢やキャリアステージが進むほど、「具体的なスキル」「達成した実績」「将来のキャリアビジョン」の説明が求められます。40代で転職理由を伝える際は、自身の経験や専門性を生かし、応募先企業の成長に貢献したいことを強調するのがポイントです。
8 職種別 ― 転職理由とOK例・NG例

8-1 エンジニアの場合
現職の経験に基づいて、応募企業でさらに成長したいという姿勢や、スキル習得の意欲や成長目標を具体的に伝えることがポイントです。
8-2 営業職の場合
OK例
現職での経験とスキルをもとに営業先の拡大や提案力の向上を目指す姿勢を明確に示すと、挑戦意欲が伝わりやすくなります。また、企業の特徴と自身の営業スタイルの一致を示すことで、好印象につなげられます。
8-3 コンサルタント職の場合
OK例
コンサルタント職はスキルや専門性の追求、影響力の拡大といった成長意欲が面接官に伝わりやすい職種です。応募先企業の特徴や強みを踏まえた理由のまとめは必須です。
8-4 マネジメント職の場合
OK例
現在のマネジメント経験を元に、組織を支える役割への意欲を示すことがポイントです。また、若手育成に対する意欲を伝えることで、組織全体の成長をサポートしたいという前向きな姿勢を伝えられます。
9 転職理由と志望動機のつなげ方

つまり、転職理由が「今の職場で成し遂げられない目標」を示すのに対し、志望動機は「応募先でならその目標を実現できる」という方向性を明示するものといえるでしょう。ここでは、転職理由と志望動機のつなげ方のステップや具体的な例文を紹介します。
9-1 具体的なステップ
まず、現職での経験や果たせない理由、成長に対するニーズなどを転職理由として明確にします。例えば「スキルアップを求める」「より大規模なプロジェクトに挑戦したい」といったように、今の職場環境では得られない経験や挑戦を転職理由とします。
ステップ2:応募企業で得られる成長機会を明示する
応募企業の特徴や提供する機会と照らし合わせ、応募先でなら「転職理由の解決や成長が実現できる」という内容で志望動機をつなげます。
ステップ3:企業の特徴を踏まえた貢献意欲を加える
最後に、自分の経験とスキルを応募先でどう活かし、成長しながら貢献していきたいかを明示することで、転職理由と志望動機が一貫性を持つ形にします。
9-2 転職理由と志望動機の具体的なつなげ方の例文
【志望動機】
新しい技術に挑戦したいという意欲があり、その挑戦の機会が応募企業にあることに言及することで、成長意欲と貢献意欲、そしてその企業で働きたい理由を合わせて伝えることができます。
転職理由として、現職での経験を活かしつつ、次のステージでどのように貢献できるかが伝わるようにまとめると、転職理由と志望動機がつながり、一貫性も打ち出せます。
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10 面接で好印象を与える転職理由の伝え方

・面接官が転職理由で重視する点を意識する
・ネガティブな転職理由をポジティブに言いかえる
10-1 前向きな転職理由を前面に出す
10-2 ネガティブな転職理由は言い換えが重要
10-3 面接官が転職理由で重視する点を意識する
11 転職理由を効果的に伝えて理想の転職を叶えよう

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