転職理由を好印象に伝える方法とは?
年齢別・職種別にポイントを詳しく解説

明るいオフィスで前向きに話すグレースーツの男性。

転職理由は、中途採用の面接で必ずと言っていいほど質問される項目です。転職理由を確認することで、「採用したものの、すぐに退職してしまわないか」を確認します。転職理由は、自分では理解していても、事前に整理し伝え方も考えておくことで、「何をどう答えればしっかり伝わるのかわからない」という状態から、自信をもってスムーズに答えられるようになります。  
 
本記事では、転職理由を聞かれる理由、実際の転職理由のランキング、企業が敬遠する転職理由、転職理由のまとめ方、履歴書や職務経歴書での転職理由の書き方、年齢や職種別の転職理由およびOK例・NG例などを紹介します。面接で好印象を与える転職理由の伝え方についても解説し、転職理由のまとめ方から伝え方まで網羅して説明します。 
 

目次

  1. 面接ではなぜ転職理由を聞かれるのか
  2. 転職理由ランキング
  3. 企業が敬遠する転職理由
  4. 転職理由のまとめ方 ― ポイントと注意点
  5. 履歴書・職務経歴書での転職理由の書き方
  6. 主な転職理由とOK例・NG例
  7. 【年齢・キャリアステージ】転職理由と例文
  8. 【職種別】転職理由と例文
  9. 転職理由と志望動機のつなげ方
  10. 面接で好印象を与える転職理由の伝え方
  11. 転職理由を効果的に伝えて理想の転職を叶えよう

 

1 面接ではなぜ転職理由を聞かれるのか

「Continue」と「Change job」と書かれた円を両手に持つビジネスマン。キャリアの選択を象徴。

中途採用の場合、ほぼ例外なく面接の序盤で転職理由を質問されます。なぜ面接で転職理由を聞かれるのでしょうか。採用担当者が転職理由を聞く意図や、転職理由がどのように自己分析やキャリアプランを表すかなどについて解説します。
 

1-1 採用担当者が転職理由を聞く意図

・求める条件や重視する項目を理解するため
採用担当者は転職理由を聞くことで、応募者が求める仕事の条件や応募者が働く上で重視していることを理解したいと考えています。

・問題や課題への対処の仕方を把握するため
転職理由を聞くことで、応募者が過去の職場で抱えた問題や課題にどのように対処してきたのかを把握します。例えば、人間関係や労働条件に不満があった場合、それをどう解決しようとしたかを知ることで、問題解決能力や積極的な姿勢を評価できるでしょう。 転職を決意するまでの対策や自己改善のエピソードを伝えると、適応力や意欲が高いと判断されやすくなります。

・自社に定着できそうかを見極めるため
転職理由は、入社後の定着可能性・早期離職のリスクを予測する目安となります。例えば応募者が「より柔軟な働き方を求めている」場合、自社がその希望を叶えることができるかを確認するなど、ミスマッチを避けるために確認します。

・自社で希望が実現可能かどうかを考えるため
転職理由で、キャリアアップや年収アップなど叶えたいことが挙げられる場合、自社で実現可能かどうかを考える必要があります。「業務の幅を広げたい」「特定の分野でより経験を活かしたい」などのキャリアップを目指していて、それが募集職種の仕事内容と近しいものであれば、企業研究ができていると評価されます。
 

転職理由はどう伝える?面接官が知りたいこと&回答例

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1-2 転職理由は自己分析やキャリアプランの裏付けになる

転職理由が自己分析やキャリア設計の裏付けになるのは、転職理由を通して候補者のキャリア観や自己理解の深さ、目指すキャリアの方向性などが明確になるからです。転職理由を説明できることは、自身の強みや弱み、仕事に対する価値観、今後の方向性などを把握していることを示します。

例えば「自分にはどのような環境が合うのか」「どのような働き方が自分のパフォーマンスを引き出すのか」などを具体的に把握している人は、より深い自己分析ができていると判断されるでしょう。

転職理由に自身のキャリア目標や達成したい将来的なビジョンを含むことで、「どのようなキャリアを設計しているのか」を採用担当者に伝えられます。例えば「マネジメントポジションに挑戦したい」「データ分析を活用したマーケティング戦略に関わりたい」など、具体的な目標を伝えることで、採用担当者は候補者が将来を見据えて転職を考えているという評価につながります。
 

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2 転職理由ランキング

 
順位  転職理由  割合
1位 仕事にやりがいがない enough 30.7%
2位 キャリアアップの欠如 28.5%
3位 給与が低すぎた 23.2%
4位 雇用の安定性がない 18%
5位 上司との関係が悪い  16.1%
6位 ワークライフバランスが悪い  13.9%
7位 定年退職または解雇  13.5%
8位 組織やチームの多様性の欠如 11.6%
9位 学習・能力開発の機会が不足していた 11.2%
10位 勤務形態の柔軟性に欠ける 9.0%

      
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
出典:『2025年ヘイズアジア給与ガイド』
 

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3 企業が敬遠する転職理由

面接で採用担当者に転職理由を伝える時、これまでのキャリアや今後の展望、強い動機を示すものであるべきです。では、企業としてよい印象を受けない転職理由とはどんなものでしょうか。
 
・上司や同僚への愚痴や不満
主な転職理由として人間関係が挙がる場合、上司や同僚への不満を説明してしまうことがあります。「仕事をきちんと教えてもらえなかった」「同僚のやる気が低かった」など、たとえばそれが実際に感じているものだとしても、採用担当者が知りたいのは「その問題にどう対処したか」です。
・現職への不満
「今の仕事がおもしろくない」「やりがいがない」など、これらも転職理由として直接面接で話すべき内容ではありません。なぜそう感じたのかの理由と、今後への改善案などをセットで伝えることが必要です。

転職理由はどう伝える?面接官が知りたいこと&回答例

 

4 転職理由のまとめ方 ― ポイントと注意点

4-1 まずは洗い出してみる

現在の仕事での不満や実現したい未来などは、転職を検討し始めるきっかけになります。そうした自分の気持ちを一度書き出してみるのがおすすめです。思いつくものを書き出してから、項目別に分類すれば、どの要素が自分の重視するポイントなのかが見えてきます。仕事内容、給与やボーナスなどの年収、年間休日や休暇、福利厚生、勤務地、勤務時間、雇用形態、会社規模、業種・業界、職種など、転職先を選ぶ際に考えられる項目に当てはめてみるのは有効です。


4-2 優先順位を決める

年収アップもポジションアップも希望の勤務地もワークライフバランスも叶えたい、それは自然な願いです。しかし、すべてを満たす求人に出会える方がレアかもしれません。そのため、今回の転職ではどの要素が自分にとって最も重視したいものなのかを明確にしておく必要があります。洗い出して項目別に分類したら、優先度の高いものから並べていくと、自分の考えや希望がクリアになっていきます。


4-3 言わない方がいいことを整理する

転職理由が自分の中で整理できたら、企業に伝えることと伝えないことを区別していきます。全てを打ち明ける必要はなく、転職によって解決しうることを伝えるのが賢明です。採用担当者は、自社とのマッチングや定着可能性を見極めようとしているため、応募先企業では叶わないことが明白な内容を挙げてしまうとマイナスに働きます。また、現状への愚痴や漠然とした不満は、面接では避けるべきです。


4-4 ポジティブな言い方を身に着ける

転職理由が、現職での不満や不安から来ていることも多く、それ自体は自然なことです。ただし、志望企業にすべてをストレートに伝える必要はありません。以下に、よくある理由とポジティブな言い換え例をいくつか挙げてみます。
 
よくある理由 ポジティブな言い換え例
給与や年収が低い  経験やスキルを活かし、正当な評価を得たい
人間関係(上司・同僚と合わない) チームや他部署と連携して目標達成へ取り組みたい
やりがいがない 意義や成長を感じられる仕事をしたい
残業や休日出勤が多い スキルアップなど自己研鑽のできる環境で働きたい
安定した環境で働きたい 長期的にスキルアップを目指したい
柔軟な働き方をしたい 生産性の高い環境で成果を出したい
   
重要なのは、ポジティブな言い換えをする際に、自分の希望だけを伝えるのではなく、企業にとってどんなメリットがあるかを打ち出すことです。自分を採用することによって、どのような成果や利益につながるのかを数字を交えて具体的に表現することで、採用担当者も入社後の働く姿をイメージしやすくなります。


4-5 志望動機やキャリアプランと一貫性をもつ

転職理由・キャリアプラン・志望動機は、一貫性がとれている必要があります。転職は、自分が描く理想のキャリアプランや働く目的などを実現する手段であり、その場としてなぜ応募先企業を選んだのかをセットで話すことで、説得力が増します。
 
「こういう理由で転職を考えるようになった。仕事内容や働き方など描いているキャリアプランがあり、転職で叶えたいものを実現できるのが御社だと感じている」のように、シンプルに伝えるのがよいでしょう。

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5 履歴書・職務経歴書での転職理由の書き方
「履歴書在中」の赤いスタンプが押された日本の履歴書。

 
履歴書や職務経歴書に転職理由を書く場合、限られたスペースで転職理由を書く必要があるため、短く簡潔にまとめる必要があります。そもそも履歴書や職務経歴書には転職理由を記入する必要はあるのでしょうか。
 
ここでは、履歴書や職務経歴書での転職理由の書き方について解説します。
 

5-1 履歴書の転職理由のフォーマットと例文

履歴書では、転職理由を「職歴」の欄に書きます。履歴書に書く転職理由は定型文で問題ありません。例えば、人間関係の悩みや体調不良、結婚・妊娠・出産によるワークバランスの調整、企業や職種に関する問題など、個人的な理由の場合は「一身上の都合により退職」と一言で記載します。

一方、会社の倒産や人員整理、早期退職制度による退職の場合は「会社都合により退社」と記載すれば問題ありません。契約満了による退職の場合は「契約期間満了により退職」と記載しましょう。いずれの場合も、退職年月と一緒に記載します。
 
また、「退職」を「退社」と記載する人もいますが、「退社」は「勤務時間終了後に自宅に帰る」という意味合いもあるため、履歴書に書く場合は「退職」にする方が良いでしょう。

5-2 職務経歴書での転職理由の書き方

職務経歴書には転職理由を書かなくても問題ありません。職務経歴書では限られた文章で記載するため、転職理由を正しく伝えきれない可能性があります。退職理由にもよりますが、職務経歴書に転職理由を書くことで、職務経歴の内容がネガティブな印象になる恐れもあります。

また、職務経歴書は履歴書と異なり、決まったフォーマットはありません。ポジティブな印象にするためにも、職務経歴書に転職理由は書かない方が良いでしょう。

転職理由は面接で直接質問されることが多いため、その際に答えられる準備をしておきます。会社都合でのやむを得ない退職や、キャリアアップ・スキルアップが理由の場合は、転職理由を書いた方が良い場合もあります。この場合は、あらかじめ職務経歴書に書いておくことで採用担当者に理解を深めてもらえるため、面接時に説明しやすくなります。
 

職務経歴書を書く時のよくある疑問に答えます ~ 実績や経験が少ない/多い場合は?更新頻度は?長さは?

 
 

6 主な転職理由とOK例・NG例

二つのオフィスビルのイラストの間で転職を考えるビジネスマン。
 
面接で転職理由を質問された場合はどのように答えれば良いのでしょうか。ここでは、よくある転職理由と例文を紹介します。
 

6-1 転職理由が人間関係の場合

人間関係が原因で転職した場合、そのまま伝えると「採用しても人間関係でトラブルを抱えるのではないか」「環境変化に順応できない人なのかもしれない」とネガティブな印象を持たれてしまうかもしれません。チームワークや協調性への不安要素と捉えられるリスクも考えられます。

転職理由が人間関係の場合、環境改善の意欲や自身の成長や挑戦に重点を置いて伝えるのがおすすめです。

NG例
現在の上司とはコミュニケーションがほとんどなく、的確な指示もなかったため、成果を出せなかった。そのためなかなか評価も得られなかった。
OK例
チームワークを重視し、積極的なコミュニケーションが取れる職場で働きたいと考え、転職を決意しました。貴社は協力的な企業文化を大切にされていると伺い、自分の経験やスキルを活かしつつ、さらに成長できると感じました。
指導やコミュニケーションが活発な環境で、自己成長を支援する職場に魅力を感じています。貴社では、社員が自由に意見を交換できる環境であると伺い、自分の成長に向けてチャレンジしたいと考え、応募いたしました。

 
6-2 転職理由がキャリアアップの場合

転職理由がキャリアアップやスキルアップの場合、成長意欲や新しい挑戦を求める姿勢を伝えることで、採用担当者に好印象を与えられます。キャリアアップ・スキルアップが転職理由の場合は、自己成長への意欲や現職での経験を踏まえ、具体的な目標や目指すスキルを示すと効果的です。
 
NG例
現職ではマニュアル通りに仕事を進めるだけで、成長できないと感じました。業務に必要なことを勉強するための資料などもなくスキルアップが叶わない環境でした。 職務の幅を広げたいと考え、転職を考えました。
OK例
現職ではWebアプリケーションの保守と機能追加が主な業務ですが、より先進的な技術に触れ、スキルを高めたいと感じています。貴社ではAIやクラウドサービスなど、最新技術を活用した開発に注力されていると伺い、これまでの経験を基に新しい技術に挑戦できる環境だと感じて応募いたしました。
これまでの職場では主に開発業務を担当してきましたが、今後はプロジェクトのマネジメントにも関わり、リーダーシップスキルを高めたいと考えています。貴社のプロジェクトは多くのメンバーと連携する場面が多く、そこでマネジメント経験を積むことができればと考え、転職を決意しました。
転職理由がキャリアアップ・スキルアップの場合も、現職での不満を前面に出したり漠然とした表現に終始したりすることは避けます。現職での経験やスキルをデータで示しながら、なぜ現職ではこれ以上のスキルアップやキャリアアップに限界があるのかを説明します。そして、応募先企業でどのように貢献できるのかを具体的に伝え、成長や貢献の意欲を伝えことがポイントです。


6-3 転職理由がワークライフバランスの場合

ワークライフバランスや働き方改革を転職理由にする場合、現職への不満だけを強調するのではなく、「より効率的な働き方」「成果を出す環境での成長」「仕事と生活の調和を保ちながら高いパフォーマンスを発揮したい」など、前向きな意図を表現することが重要です。
 
NG例
現在の職場では残業が多く、深夜に帰宅することが続いています。 このまま働き続けることは難しいと感じており、転職を検討しています。
OK例
現在はプロジェクトの進行管理を担当しておりますが、夜遅くまでの作業が続き、十分なパフォーマンスを維持することが難しい状況です。貴社のように柔軟な働き方が認められる環境であれば、生活とのバランスを保ちつつ、より高いパフォーマンスを発揮し、長期的な成長が実現できると感じました。自身のスキルアップと効率的な働き方の両立を目指し、応募いたしました。
現在の職場ではプロジェクトが集中する時期に長時間労働が続き、短期間の成果は出せていますが、長期的な視点での成長が難しいと感じています。貴社のように長期的なキャリア形成が推奨され、ワークライフバランスの取れた環境であれば、無理なくキャリアを積み重ねられると考えています。自分のスキルをより発揮し、成長し続けるために転職を検討いたしました。
転職理由がワークライフバランスの場合、単に「残業を減らしたい」などの表現は避けます。現職でワークライフバランスがとれていなかった原因を明らかにし、その際に改善しようとした取り組みも合わせて説明できると、意欲と行動力を示すことができます。ワークライフバランス求める理由を「成長」や「成果」を求めているためだと伝わる表現にします。さらに、応募先企業ならワークライフバランスがとれると考えている理由も合わせて伝えると、説得力が増します。働き方に関する方針や制度に触れるなど、共感した点を具体的に述べると、企業に対する理解と共に志望度が伝わりやすくなります。

ワークライフバランスを向上させたい意思を伝えつつも、自己成長意欲やキャリアビジョンを明確に語ることで、前向きで納得感のある転職理由として受け取ってもらいやすくなります。

また、ワークライフバランスの自分なりの定義を明確にしておくことも必要です。残業の有無、リモートワークの有無、フレックス制の有無、通勤時間の許容範囲など、今どんな部分を改善したいと考えているのかをクリアにします。
 
 

7 年齢・キャリアステージ別 ― 転職理由とOK例・NG例

「STEP」と書かれたカラフルな階段を登る小さな人のシルエット。
 
転職理由は、年齢やキャリアステージによっても異なる表現や伝え方が求められます。年齢やキャリアステージに合った転職理由を述べることで採用担当者に対して「自身のキャリアや価値観が適切に変化していること」を示し、転職の説得力を高められます。
 
以下に、20代、30代、40代それぞれのキャリアステージに応じた転職理由と例文を紹介します。
 

7-1 20代の転職理由の伝え方

20代はキャリアの基盤を作る時期であり、転職動機としては幅広いスキル習得や新しい環境での挑戦を求める理由が多い傾向にあります。「経験を積み、成長したい」という姿勢が前向きに伝わる表現を意識します

OK例
現職では主に営業活動を通じて対顧客折衝や提案力を磨いてきましたが、今後は企画やプロジェクトマネジメントなど、より幅広いスキルを身につけたいと考えています。貴社ではそのようなスキルをさらに高められる環境が整っていると感じ、転職を決意いたしました。
現在はWeb開発を担当しておりますが、これまで培ってきたフロントエンドスキルに加えて、バックエンドやデータベース関連の知識も習得したいと考えています。貴社であれば、成長機会が多く新しい分野にも挑戦できると感じ、応募いたしました。
 
20代で転職理由を伝える際は、新しい環境でスキルを磨きたいといった積極的な意欲を伝えることがポイントです。
 
20代で年収1000万円を超えるには|目指す方法と狙える企業


7-2 30代の転職理由の伝え方

30代はキャリアの中心的な時期に差し掛かり、職務経験の積み重ねが実績となって表れる時期です。より専門性の高いスキルや、管理職へのステップアップを目指した転職理由が説得力を持ちやすくなります。

OK例
現職ではプロジェクトマネージャーとしてプロジェクトの進行管理に携わってきましたが、より高度なデータ分析やIT戦略立案のスキルを高めたいと考えています。貴社のように最先端技術を活用し、データを重視するプロジェクトに関わることで、さらなる成長ができると感じ、応募いたしました。
これまで開発チームのリーダーとしてプロジェクトを推進してきましたが、今後はさらに管理職として組織全体のマネジメントに挑戦したいと考えています。貴社では若手にもマネジメント経験が積める環境が整っていると聞き、自身のスキルを一層磨けると感じ、転職を決意いたしました。

30代で転職理由を伝える際は、長期的なキャリア目標を踏まえた転職であることを示し、計画的な転職であることを伝えることがポイントです。さらに、これまでの職務での実績や成果を示し、それをさらに発展させたいと伝えると、前向きな転職理由になります。
 

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7-3 40代の転職理由の伝え方

40代は豊富な経験と高い専門性を武器に、より安定したキャリアや組織貢献を重視する傾向があります。これまで積み上げてきたスキルや経験を活かし、組織の成長に貢献したいという意図を転職理由に盛り込むことで、経験者としての信頼感が得られます。
 
OK例
これまで20年間、製造業のエンジニアとしてプロジェクト開発や技術支援に携わってきました。これまでの経験を活かしながら、長期的に貢献できる安定した環境を求めております。貴社では、技術面での支援を重視していると伺い、自分のスキルと経験が貢献できると感じて応募いたしました。
現職では複数のプロジェクトを指揮し、成果を挙げてきましたが、今後はより後進の育成や組織の成長に貢献する立場で仕事をしたいと考えています。貴社では若手社員の成長支援を重視されていると伺い、これまでのマネジメント経験を活かし、貴社の成長に貢献したいと考え、応募いたしました。

年齢やキャリアステージが進むほど、「具体的なスキル」「達成した実績」「将来のキャリアビジョン」の説明が求められます。40代で転職理由を伝える際は、自身の経験や専門性を生かし、応募先企業の成長に貢献したいことを強調するのがポイントです。

 
 

8 職種別 ― 転職理由とOK例・NG例 

オフィスの会議で熱心に説明するビジネスマン。
 
業務の内容や幅に関わる転職理由の場合は、その職種でどのような変化や成長、挑戦を求めているのかを具体的に示すことがポイントです。職種によって、転職理由として説得力のある伝え方や伝えるべき内容は異なります。


8-1 エンジニアの場合

エンジニア職の転職理由としては、技術スキルの向上や新しい技術の習得、プロジェクトのリード経験などを重視していると伝えるが効果的です。将来的なキャリアアップや特定の分野での専門性の向上を目指しているという前向きな姿勢が評価されます。
 
OK例
現職ではWebアプリケーションの開発に従事し、フロントエンドの技術を中心に経験を積んでいますが、貴社が導入しているAIやクラウド技術といった最新のテクノロジーに強い関心を持っています。これまでの開発スキルを活かしつつ、新しい技術に挑戦し、エンジニアとしてさらに成長したいと考え、転職を決意いたしました。
現職では主にバックエンドの開発を担当しておりますが、フロントエンドやインフラにも関心があり、フルスタックエンジニアとして幅広いスキルを習得したいと考えています。貴社では複数の技術領域をカバーする環境が整っていると伺い、キャリアアップを目指して応募いたしました。


現職の経験に基づいて、応募企業でさらに成長したいという姿勢や、スキル習得の意欲や成長目標を具体的に伝えることがポイントです。 

 

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8-2 営業職の場合

営業職では、顧客層の拡大や新しい市場への挑戦、より高い営業成果を目指す意欲が歓迎されます。特に、法人営業から個人営業、個人営業から法人営業への転換といった具体的な変化を求める姿勢を示すと効果的です。
 
OK例
現職では主に中小企業向けの営業を担当し、顧客との関係構築に力を注いでまいりましたが、今後はより規模の大きな法人顧客への提案営業に挑戦したいと考えています。貴社では大手企業を顧客に持ち、高度な提案力が求められると聞き、自身のスキルをさらに磨けると感じ、応募いたしました。
法人営業として多くの顧客を担当してきましたが、今後は個人営業にシフトし、一人ひとりのお客様に寄り添ったサービスを提供したいと考えています。貴社はお客様との信頼関係を重視していると伺っており、私の営業スタイルに適した環境と感じ、応募いたしました。

現職での経験とスキルをもとに営業先の拡大や提案力の向上を目指す姿勢を明確に示すと、挑戦意欲が伝わりやすくなります。また、企業の特徴と自身の営業スタイルの一致を示すことで、好印象につなげられます。
 

 
8-3 コンサルタント職の場合

コンサルタント職の転職理由は、「特定の業界や専門分野への理解を深めたい」「新しいクライアントやプロジェクトに携わりたい」「マネジメントスキルを強化したい」など、キャリアの目標に基づくものがよく見受けられます。これまでの成果や評価を具体的に挙げながら、コンサルタントとしてのスキルアップや専門性の向上、プロジェクト全体への影響力を高めたいという意欲を伝えることが効果的です。

OK例
現職では、幅広い業界のクライアントに向けた戦略立案を行ってきましたが、今後は特定の分野に専門性を持ち、さらに深く関わりたいと考えています。貴社はヘルスケア業界に強みを持つと伺っており、私のこれまでの経験を活かしつつ、専門性を高めることができると感じました。
これまで中小企業向けの経営戦略コンサルティングを主に担当し、経営課題の解決に貢献してきました。しかし、今後はより大規模なクライアントを担当し、プロジェクトの影響力を広げると同時に、自身のスキルをさらに伸ばしていきたいと考えています。貴社では大企業向けのコンサルティングにも携わる機会が多いと伺い、応募を決意いたしました。

コンサルタント職はスキルや専門性の追求、影響力の拡大といった成長意欲が面接官に伝わりやすい職種です。応募先企業の特徴や強みを踏まえた理由のまとめは必須です。
 
コンサルタントの年収は高い?種類別ランキングと年収アップのコツ
 

 

8-4 マネジメント職の場合

マネジメントや管理職の場合、チームの成果を重視したい、後進の育成に力を注ぎたいといった組織貢献への意欲が重要です。また、キャリアアップとして役員や部長クラスを目指す意欲を示すことで、組織全体の成長に貢献したい姿勢が伝わりやすくなります。

OK例
これまでチームリーダーとして複数のプロジェクトを担当し、成果を挙げてまいりましたが、今後はより大きな組織の運営に携わり、部門全体の成長を支える役割を果たしたいと考えています。貴社の組織拡大のビジョンに共感し、自身の経験を活かしつつ、さらなる貢献ができると確信し、応募いたしました。
これまでプロジェクトマネージャーとして、プロジェクト管理やチームメンバーの指導に携わってきました。今後は若手の育成にも力を入れ、組織全体が成長できるような環境を構築したいと考えています。御社では若手の成長支援を重要視されていると伺い、応募いたしました。

現在のマネジメント経験を元に、組織を支える役割への意欲を示すことがポイントです。また、若手育成に対する意欲を伝えることで、組織全体の成長をサポートしたいという前向きな姿勢を伝えられます。
 
 

9 転職理由と志望動機のつなげ方

ペンが置かれた日本の履歴書のクローズアップ。「志望の動機・特技」欄が見える。
 
転職理由は「今の環境において不足している点、もしくは自身の成長ニーズ」を示し、志望動機はその理由を踏まえて「応募先企業でその成長ニーズが満たされる」とつなげる形になります。
つまり、転職理由が「今の職場で成し遂げられない目標」を示すのに対し、志望動機は「応募先でならその目標を実現できる」という方向性を明示するものといえるでしょう。ここでは、転職理由と志望動機のつなげ方のステップや具体的な例文を紹介します。
 

9-1 具体的なステップ

転職理由と志望動機のつなげ方は以下のステップで行います。
 
ステップ1:転職理由を具体化する
まず、現職での経験や果たせない理由、成長に対するニーズなどを転職理由として明確にします。例えば「スキルアップを求める」「より大規模なプロジェクトに挑戦したい」といったように、今の職場環境では得られない経験や挑戦を転職理由とします。

ステップ2:応募企業で得られる成長機会を明示する
応募企業の特徴や提供する機会と照らし合わせ、応募先でなら「転職理由の解決や成長が実現できる」という内容で志望動機をつなげます。

ステップ3:企業の特徴を踏まえた貢献意欲を加える
最後に、自分の経験とスキルを応募先でどう活かし、成長しながら貢献していきたいかを明示することで、転職理由と志望動機が一貫性を持つ形にします。
 

9-2 転職理由と志望動機の具体的なつなげ方の例文

転職理由と志望動機の具体的なつなげ方を、例文を挙げて説明します。エンジニア職で新しい技術に挑戦したい場合のつなげ方の一例です。
 
【転職理由】
現職では主に既存システムの運用と保守を担当し、技術的な基盤を構築するスキルは向上しました。しかし、新しい技術に挑戦する機会が限られており、エンジニアとしてスキルをさらに伸ばしたいと感じています。

【志望動機】
御社では、最新のクラウド技術やデータ分析に注力していると伺い、エンジニアとして次のステージで新しい技術に挑戦できると確信しました。これまでのシステム運用の経験を活かしつつ、御社のプロジェクトに貢献したいと考えています。
新しい技術に挑戦したいという意欲があり、その挑戦の機会が応募企業にあることに言及することで、成長意欲と貢献意欲、そしてその企業で働きたい理由を合わせて伝えることができます。
 転職理由と志望動機をつなげるポイントは、応募企業の特徴を理解し、その企業だからこそ実現できる理由を示した上で、自身の希望や展望とその企業にとってメリットとなるポイントを組み合わせることです。

転職理由として、現職での経験を活かしつつ、次のステージでどのように貢献できるかが伝わるようにまとめると、転職理由と志望動機がつながり、一貫性も打ち出せます。
 

志望動機への完璧な回答は?押さえるべき4点と模範解答例

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10 面接で好印象を与える転職理由の伝え方

面接中に自信を持って話すスーツ姿の男性。
 
面接で転職理由を伝える際、好印象につながる伝え方のポイントは以下の3つです。
・前向きな転職理由を伝える
・面接官が転職理由で重視する点を意識する
・ネガティブな転職理由をポジティブに言いかえる
 
 

10-1 前向きな転職理由を前面に出す

前向きな転職理由とは、「これまでの経験やスキルを活かして、新しい環境でさらに成長したい」「キャリアの幅を広げたい」という意欲的な姿勢が伝わるものであり、面接官に好印象を与えやすくなります。転職理由が前向きであるほど、自己成長意欲や貢献意欲が強いという印象につながりやすくなります。
 
前向きな転職理由を伝える際は、現職でのスキルや経験に触れつつ、さらに挑戦したい意向ならびにどのように実現できると考えているかまでセットで触れます。単に「現職の環境に不満がある」という印象にならないように、これまでの成果と自分の成長目標、応募先企業で実現できると考える理由までをリンクさせるのがポイントです。
 

10-2 ネガティブな転職理由は言い換えが重要

人間関係や待遇面での不満など、ネガティブな転職理由がある場合は、そのまま伝えると面接官にマイナスイメージを与えます。例えば「より良い働き方を求めている」「自己成長を図りたい」など、前向きな表現に変えることで印象を改善できるでしょう。
 
ネガティブな転職理由を好印象に変えるポイントは、不満やストレスの直接的な表現を避け、目指したい働き方や自分の成長にフォーカスした言い方に変えることです。ネガティブな側面に触れる場合でも、それをきっかけに「自分が成し遂げたいこと」「働きたい環境」が明確になったと伝えると、面接官に前向きな印象を与えられます。
 

10-3 面接官が転職理由で重視する点を意識する

面接官が転職理由で重視するのは、「候補者のキャリアプラン」「現職の不満ではなく次のステップへの意欲」「長期的な定着意識」の3点です。現職での不満に対し自身で改善や解決を図ったかどうか、問題が起きた時にどのように対処してきたかを意識して伝え、キャリア観や貢献意欲、実際の問題解決能力と複合的に伝われば、面接官に信頼感を与えます。
 
採用担当者は「入社後に長く働いてもらえるか」を見極めようとしています。企業の価値観にマッチしており定着できる人材ととらえてもらうためには、自身の経験、キャリアプラン、転職理由、応募先企業でどのように貢献できるかを意識して構成することが重要です。
 

面接でよく聞かれる失敗談、面接官の真意や正しい回答は?注意すべき点を解説

 
面接で緊張をしないためには?効果的な対策やコツを解説


11 転職理由を効果的に伝えて理想の転職を叶えよう 

スーツを着た日本人ビジネスマンが新宿の高層ビル街を歩く様子。キャリア成功の象徴。
 
転職は、思い描くキャリアプランや働き方を叶えるためのアクションです。「なぜ転職したいのか」を多角的な角度で掘り下げると、それが自己分析となり、どのような企業や求人が自分の求めるものに近いのかも見えてきます。
 
面接では転職理由の説明は避けて通れません。転職理由、キャリアプラン、志望動機をしっかりとまとめ、実際に声に出して説明する練習を繰り返せば、面接でも論理的に明確に伝えることができます。希望を叶える転職をするために、転職理由の整理は欠かせません。
 
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