選ばれる企業になるために
多くの企業は社外向け案内に売上高、製品、利益などを記載しています。もちろん、就業先を探す決定的な要素として必要な情報源にはなりますが、従業員をどれだけ大切にしているかも重要なポイントとなります。
たとえばの話。会社が成功して、景気が良い。株主も銀行とも幸せ、全てが上手く行いっている上に会社はますます急成長中。もっと人材が必要だ!このような成功を治めている状況で厄介な事は、よりよい人材をもとめて、人材獲得争いが激化するということです – 2つの企業が同じ人物を雇おうとして「給与引き上げ合戦」を繰り広げるケースがよくみられます。
「働きたい企業」として自社の評判を高める戦略をたて、実現できれば、候補者自らが、あなたの会社へ連絡をしてきて、働きたい!と希望をし、あなたの会社は選択権を得ることができ、結果として会社の立場が強化されます。
超一流企業について、あなた自身の印象を思い起こしてみましょう。もし、知的創造性に満ちた職場環境で働きたいと思うような人物であれば、某有名コンサルティング会社に入りたいと思うかもしれません。若さに満ちた姿勢や文化を持つ企業と考えれば、某有名飲料水企業はどうでしょう? 多くの企業名が頭に浮かぶ中、魅力的だと思えるところと、そうでないところもあるでしょう。 「**の様な企業で働きたい!」と思うのはなぜでしょう? その様な企業は何千通にものぼる履歴書を受けとり、これだ!と思う人材のなかから選りすぐりする事が出来るのです。
「働きたい企業」としての名声を手に入れる
大手企業の多くは、マーケティング予算を割き、知名度を上げようと努力しています。しかし、どの会社もそのような金額を自由に使えるわけではありませんが、即効性があり、しかも簡単にできる事柄があります。
- 次回、会社案内の見直しをするときには、就職志願者になった気分で読んでみましょう。なにか「メッセージ」が伝わりますか?「会社」が従業員のキャリアアップ、成長を全面的にバックアップしているように思えますか?意欲的に採用している企業としてキャリアアップを望む人には様々な道が開ける会社の様に目に映りますか?
- 従業員を大切にしている企業と顧客は感じていますか?顧客は潜在的なマーケターとしての要素を秘めているため、彼らが口コミであなたの会社の評価を広めてくれるのであれば、良いことずくめといえるでしょう。
- コンピューター関係や営業などがこの方法にぴったりなビジネスなのですが、自ら社外へ出て、採用担当者としてあなたの会社を売り込みましょう。大学のキャリアフェアやジョブフェアなど、機会を探せばいくらでも出てきます。いわゆる「巡回行脚」ですし、自ら選ばれる企業として売り込み効果的な方法にもなるでしょう。ただし、その場にいること、つまりは選ばれる企業として自らを売り込みにいっている事を忘れると、逆効果になりかねません。仮にこのようなイベントごとで適切なイメージの売り込みに失敗すると、一部の大手企業には絶対に就職したくない、という就職活動中の生徒の声をよく聞くようになるでしょう。 このような学生たちは採用企業側が望むような学業成績を残しておらず、そのために「冷たくあしらわれた」わけなのですが、その様な学生が現在大手企業のCFOとなり、たくさんのインパクトを与える人物になっている例もあるのです。
何よりも大切なのはコミュニケーションです。どんな企業でもコミュニケーション戦略の確立が他社を差別化する重要なポイントとなります。どの様な方法で、どの様な「トーン」でメッセージを伝えていきたいのか、ほとんどの場合、CEO(最高経営責任者)や社長に委ねられますが、それは彼らが社風を作り上げ、会社の顔として認識されるからです。ここで伝えようとしている事は、受け身のミッションや企業価値ではなく、日々の業務を通じて外からみた企業イメージです。ですから顧客への文書や社員への伝達事項(例えば給与明細書)、またはベンダーに提出する書類など、会社のロゴが付いた物であれば、たとえ誰かが製作したにしろ、それぞれ一つ一つが一貫したメッセージを宿している事を忘れてはいけません。