を見据えて備える
2026年の日本の労働市場を定義する5つの採用・キャリアトレンド

2026年は、日本の労働市場において大きな転換点となる一年です。経済環境の変化、働く人々の価値観の変容、新技術の急速な導入など、企業を取り巻く環境はこれまで以上に複雑化しています。 

アジアの一部地域では景況感がやや弱まる中、日本の企業は停滞することなく前進を続けています。成長志向は依然として強く、特に「人材をどのように惹きつけ、定着させ、活躍を促すか」が大きく見直されています。柔軟な働き方からグローバルなキャリア機会まで、企業のアプローチは新たなフェーズに入っています。 

最新の労働市場の動向をもとに、2026年を迎えた今、企業と働き手の双方が備えるべき5つの潮流を紹介します。 
 

1. 経済逆風下でも成長への意欲は依然強い 

GDPの縮小や輸出の停滞といった経済逆風が続く中でも、日本企業は依然として「成長」を明確な戦略目標に掲げています。 
 
 
ヘイズの最新調査によると、日本で事業を行う企業の87%が「来年の主要戦略として組織の成長を目指す」と回答しており、アジア平均の86%をわずかに上回ります。 
 
成長の方向性を見ると、 
  • 38%の企業が市場シェア拡大に注力 
  • 35%が競争力強化を重視 
  • 35%が売上の直接的な増加を目標 
という結果が示されており、拡大と収益性の両立を図る現実的な戦略が浮かび上がります。 
ただし今日では、「成長」は急拡大ではなく持続的な前進を意味します。多くの企業は、広範な採用ではなく、重要ポジションや将来性のあるスキル領域、業務効率化を優先しています。 
スキルと経験のある人材にとって、この動きは大きなチャンスです。 
AIツール活用などの高い業務インパクトを生むスキル、そして適応力・課題解決力といったソフトスキルを磨くことで、企業の成長を直接支える即戦力として存在感を高められます。
 

2. 人材定着は成長実現に向けた最大の障壁の一つ 

高い成長意欲を持つ一方で、日本企業は「人材の定着」が今年最大の課題になると認識しています。 
 
日本の企業の35%が「組織目標の達成を阻む最も大きな要因は人材の定着」と回答しており、アジアで最も高い割合です。 
従業員はキャリア形成、ウェルビーイング、柔軟性など、働き方に対する期待値を再検討しており、特に競争が激しい分野では、優秀人材の維持は採用以上に難しく、コストもかかります。 
 
また、年始は転職意欲が高まる傾向が強いため、企業がエンゲージメント、キャリアパスの明確化、対話機会の充実に投資することで、人材流動リスクを軽減できます。 
 
働き手にとっては、今こそ主体的にキャリアを客観的に見つめ、自身のキャリアパスを明確にし、現職が目標や価値観に合っているかを見直す絶好のタイミングです。 
 

3. 柔軟な働き方は主要な魅力要因に 

柔軟な働き方は、もはや一時的な対応や付加的な福利厚生ではなく、日本で働く人材の多くにとって「不可欠な要素」となっています。 
 
日本では、43%の働き手が柔軟な働き方を「重要」と回答(アジア平均は45%)。数字はやや低いものの、柔軟性がもたらす効果は大きく、働き方にも深く影響しています。 
 
日本で働く人にとっての柔軟な働き方の意義: 
  • 68%:ワークライフバランスが向上 
  • 52%:生産性が向上 
  • 37%:企業への定着意欲が上昇 
これらは、柔軟性がパフォーマンスと定着率の双方に影響することを示しています。 
柔軟な働き方を組織運用に組み込むことができる企業は、社員のエネルギーとコミットメントを維持しやすくなります。 
 

4. 会話型AIアシスタントが日常業務に浸透 

働く場所や働き方の変化に加え、テクノロジーは従業員体験の中心的な役割を担うようになっています。 
 
特に会話型AIアシスタントは、世界で最も利用されているAIツールであり、アジア地域での普及にも勢いがあります。 

日本でも90%の働き手がChatGPTやCopilotなどの会話型AIを利用しており(アジア平均は92%)、業務プロセスに大きな変化をもたらしています。 
 
多言語でのコンテンツ作成、データ分析、意思決定支援、効率化など、AIは日々の業務に深く組み込まれつつあります。 
 
企業にとっては、これは機会であると同時に責任でもあります。 
AI利用に関するガイダンスや研修、明確なポリシーを提供することで、社員が安心して活用しつつ、品質・コンプライアンス・信頼性を担保できます。 
 

5. 国際的なキャリア機会は、日本のプロフェッショナルにとって依然魅力的 

日本の国内市場は、人口構造の変化、消費の停滞、慢性的な労働力不足など、構造的な制約が続いています。こうした背景の中、国際的な経験は引き続き強い魅力を持っています。 

日本で働く人材の63%が「機会があれば海外で働くことに興味がある」と回答しており、グローバル経験、スキル習得、キャリアへのアクセルに対する意欲が示されています。 
多国籍企業にとって、国境を越えた移動は、意欲的な人材の獲得、グローバル人材の育成、次世代リーダーの輩出など、戦略的価値の高い取り組みとなります。 
 
一方で、国内におけるキャリアパスを明確に示すことも重要です。 
企業が海外での機会と長期的なキャリアパスを結びつけることで、グローバル志向の人材を定着させ、社内での成長を促進することができます。 
働き手にとっては、グローバルに通用するスキルの習得や、長期的キャリアビジョンの発信が、海外機会を単なる短期的なステップではなく、持続的な成長につなげる鍵になります。
 

2026年をより実りあるものにするために 

日本の採用市場は今、意欲・変化・前進の三拍子が揃ったダイナミックな局面にあります。企業は成長志向は堅調ですが、実際に成長を実現するためには人材の定着、柔軟な働き方への対応、従業員側の変容する期待への適応が不可欠です。 
同時に働き手一人ひとりも、急速に変化する市場の中で、自らのキャリアの方向性を主体的に描くことが求められています。 

企業と従業員が同じ方向に進むことで、組織はより強いチームを築き、働き手はキャリアで大きく前進する力を得られます。 

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