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会議を上手く進める方法とは?意見の伝え方を解説

会議を上手く進める方法とは?意見の伝え方を解説

ビジネスの会議で自分の意見を上手く伝えるためには、「前置き」が大切だと考えています。ここでの「前置き」とは、自分の意見をどのような方法や順序で伝えるかということです。
 
会議で「前置き」をすることで、他の参加者は話の文脈や流れを理解しやすくなります。また、自分も言葉の選び方やトーンに気を配る余裕ができるので、メッセージを正しく伝えることができます。
 

なぜ会議で「前置き」をしない人が増えているのか

最近、会議などの場面で「前置き」をしない人が増えています。それは、スマートフォンのショートメッセージやライン、メールなど短い言葉でのコミュニケーションが増えていることが背景にあります。
 
また、会議が立て続けに行われ、常に時間がない状況であるため、まるで国会審議のようにせわしなく会話をしなければならないことも原因の一つです。急かされると、話す前に考える時間がなくなり、自分の言葉を順序良く伝えることができなくなります。このような行動は、伝染しやすく、一人の会議の参加者がこのようなコミュニケーションの取り方をすると、他の参加者もそれに倣うことが多いのです。
 

会議の「前置き」で重要なポイント:発言の許可を求める

会議における「前置き」で、特に重要だと考えているのが、話す前に発言の許可を求めることです。これによって、話をさえぎってけんか腰になることなく、協力的な雰囲気で会議を進めることができます。
 
また、会議で自分の発言に対して相手がどのように反応するか心配な場合、発言の許可を求めることは非常に重要です。相手の注意をひきつつ、ゆっくりとこれから自分が何を話すのか考えさせることができます。下記に、実際の会議でどのように活用できるかまとめました。
 

1. フィードバックを提供する

フィードバックをすることは、誰にとっても難しいことです。人は、ものごとを深刻にとらえがちだからです。フィードバックをする前に発言の許可を求めることで、相手に不快感を与えずに済みます。例えば、「会議の中で分からないところがあったので、少しよろしいでしょうか」と発言の前に一言添えるだけで印象が大きく変わります。
 

2. 誰かの意見に反対する

個人的には、会議で議論を活発にするためにあえて反対意見を述べるという手法は好みません。そのような手法を取る人は、その後の会議の進め方や自分の言葉が与える影響について責任を負わないことが多いからです。それよりも、「ご提案ありがとうございます。おっしゃることはよく分かりますが、この問題について自分は少し違った見方をしているので少しお話をしてもよろしいでしょうか」と言った方がいいと思います。もちろん、会議で反対意見を述べるたびに発言の許可を求める必要はありませんが、よく考えてみるとこのアプローチが必要になりそうな会議の場面やテーマなどが見えてくるのではないでしょうか。
 

3. 会議を始める

具体的な会議の場面を思い浮かべてみてください。会議を始める前に、どのようなことで「許可」を求める必要があるでしょうか。例えば、「特定のテーマについて話し続ける」、「上司や先輩に質問をする」など、会議のさまざまな場面で許可を求める必要があります。
 

先に良い点を話してから反対意見を述べる

以前、ボストンで開催された「クリエイティビティ・ワークショップ」に参加したことがあります。そのワークショップでは、アイデアを発展させるために、協力的でオープンな環境が維持することに焦点が当てられていました。彼らが誰かのアイデアに反対するときに使用すべきテクニックとして紹介していたのが、先に良い点を話してから反対意見を述べるという手法です。
 
最初のうちは、機械的で実際の会議の場面には使いにくいテクニックだと感じるかもしれません。しかし、それは不慣れなだけで、練習をすることで上手く使えるようになります。以下は、その例です。
 
Aさん:アイデアを発表する
 
Bさん:そのアイデアの良い点について3つ話す:「確かに、そのアイデアなら多くの人を巻き込むことができると思います。部門を超えた連携も深まり、ユニークなアイデアも生まれるかもしれません」
 
Bさん:次に懸念している点を述べる:「しかし、どうすればプロジェクトを遅らせることなく、そのアイデアを実現できるでしょうか」
 
会話はゆっくりと、より慎重に。そして、自分は協力的であるということが伝わるように穏やかなトーンで話すようにしてください。会議で反対意見を述べる際は、前置きが大切です。何も考えずに話すのではなく、しっかり状況や文脈を踏まえたうえで話す必要があります。つまり、自分の言葉を「聞いてもらう」ということより、「相手にどう響くか」を気にすべきです。
 
他にも、スキルアップやマネジメントに役立つ情報を紹介しています。こちらの記事もぜひご覧ください。

著者

ポール・アクステル
作家、講演者、企業トレーナー
ポール・アクステルは、作家、講演者、企業トレーナーです。「Ten Powerful Things to Say to Your Kids」「Meetings Matter」の2冊の受賞作があります。また、管理職や人事担当者向けの研修シリーズ「Being Remarkable(英語のみ)」を出版しています。

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