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上司との関係がキャリアに大きく左右する!?良い上司を見分けるための4つのポイント

上司との関係がキャリアに大きく左右する!?良い上司を見分けるための4つのポイント

転職を決意したら、実行前にある程度の「転職基準」を決めておくことが大切です。希望の転職先や仕事を絞り込んで集中的にアプローチすることができるようになりますし、成功する確率も高くなります。
 
あなたは、転職先にどのようなことを希望しますか?社会人としての長い経験が給与に反映されることでしょうか。キャリアアップや昇進のチャンスが沢山与えられることでしょうか。それとも、柔軟な働き方やスキルアップができ、自宅から比較的近い場所で働きたいと考えているのでしょうか。あるいは、これらすべてを叶えてくれる仕事を探していますか。

しかし、一緒に働くことになる上司について考えたことはおありでしょうか?転職条件のうち、「上司に恵まれること」は、何番目くらいになりますか?
 
 
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良い上司の存在を転職基準にするべき理由

上司の存在は、キャリアの成功や勤務先への愛着、満足度に大きく影響します。社員にとって上司とは、報告・連絡する相手であったり、ときには頼りにしたりする存在です。良い上司に恵まれるか否かは、あなたのキャリアに大きな影響を及ぼします。

では、上司に恵まれなかった場合にはどのようなことになるのでしょうか。悪い上司がもたらす影響については、いくつかの調査結果が報告されています。士気や当事者意識、幸福感の低下, ストレスの増大などの他、健康状態の悪化が挙げられています。さらに、部下自身も悪い上司になってしまう可能性がある、とも指摘されているのです。
新しい仕事を探すときは、上司についても条件をまとめておく方が良いでしょう。
※上記の段落の参考URLは英語のみ
 

面接で上司を見分けるための4つのポイント

1. 良い上司は、メンターやコーチになれる

ビジネスの世界は、常に進化し続けているため、生涯にわたり学び、スキルを磨き続ける姿勢が一段と重要視されるようになっています。こうした環境にあって、お手本になる上司を持つこと(英語のみ)は、自分自身が成長していくためにも非常に大きな意味を持ちます。学ぶ努力をしている上司の姿は、あなた自身の向上心にも良い影響を与えるでしょう。

キャリアのお手本となってくれる人との仕事は、良い刺激にもなります。その人の真摯な姿勢から学ぶことで、あなたのキャリアも大きく飛躍していくでしょう。
 
また、良い上司はコーチング能力にも優れており、部下が課題に直面したときは、これを良い機会と捉え、さまざまなことを教えてくれます(英語のみ)。問題をあっさり自分で処理してしまうのではなく、部下の将来やビジネスにとってプラスとなるやり方で解決していくのです。
 
キャリアアドバイザーとして知られるカーラ・ハリス氏は、「TED Talk」で(日本語字幕あり)、良い上司は、あなたの「スポンサー」になってくれる、と述べています。つまり、一般社員が参加を許されない会議の席上で、あなたの意見を代弁してくれる、ということです。あなたの希望が高い報酬や昇進ならば、これは特に重要なポイントです。
では、一体どうすれば上司のこうした資質を見極めることができるのでしょうか。
 
  • 上司は、あなたのキャリアプランや将来の夢・目標について質問してくれますか?「イエス」ならば、その上司は、あなたのプロフェッショナルとしての成長を大切にし、キャリアの目標達成のために力を貸してくれるでしょう。
  • あなたが応募した仕事について説明するときは、その仕事がビジネスでどのような位置づけにあるか、また、あなたがどのような役割を担うことになるのかなどを、具体的に説明しようとしていますか?「イエス」ならば、あなたはその上司のサポートを受けて、戦略的に将来を構想するスキルを身に着けることができるでしょう。
  • トレーニングやスキルアップについて質問したときの上司の反応は?前向きですか?それとも消極的?こうした質問への上司の答え方によって、スキルアップのチャンスがあるか否か、また、上司が人材育成にどのくらい力を入れてくれるのかが判断できるでしょう。
  • 上司自身のキャリアについても質問してみましょう。さて、あなたは上司の答えを聞いてどのように感じましたか。何かを学ぶことはできそうですか?上司は、現在の仕事に熱意を持っていそうですか?

2. 良い上司は、「一匹狼」ではなく「チームプレイヤー」

上司にとって重要な資質はそれだけではありません。部下や同僚、仲間たちと協力しながら働くことができるか否かも非常に重要です。部下に仕事を「丸投げ」するのではなく、効果的に「任せる」ことができますか?業務が計画通り進捗せずに行き詰まったときは、きちんと責任を取りますか?良い上司は、上記のことがしっかりとできます。それだけではありません。良い上司は、多様性を尊重し、インクルーシブな環境を創り、目的意識を共有するチームを育てることができるのです。
 
そのような上司であれば、あなたの意見も尊重するでしょうし、ときには他者からの批判も受け入れるでしょう。多様な意見や見解を大切にしながら、革新的で、パフォーマンスを向上させるチームマネジメントをするのが良い上司です。部下の一挙手一投足を細かく管理する「マイクロマネジメント」とは、対極のスタイルかも知れません。ご参考にフォーブス誌の記事をご覧ください(英語のみ)。キャリアアップのチャンスは、大きく広がっていくでしょう。

良い上司は、チーム全体のメリットを考えて行動します。ただし、自分のチームの利益ばかり考えて、他のチームをないがしろにするようなことはしません。こうした上司と一緒に働けば、あなた自身もプロフェッショナルとしての信頼を獲得することができるでしょう。

では、こうした資質を、早い段階で感知するためにはどうすれば良いのでしょうか。以下にそのポイントをご案内します。
 
  • 上司は、どのような言葉を使って話しますか?例えば、「私」や「私たち」をどのように使い分けるかによって、その上司が「誰を」、そして「何を」重視しているかが分かります。
  • あなたが他のチームメンバーとの上手く協力し合っているかどうかに関心を持っていますか?他のメンバーとの関係を気にするような質問をしてきますか?
  • 面接に他のチームメンバーなども一緒に参加している場合は、彼らとの関係にも注意して下さい。どのようにコミュニケーションしていますか? チームとして有効に機能していると感じますか?
  • チームについて聞いてみましょう。チームの雰囲気、メンバーや自分の役割など。それぞれのメンバーが、相互に上手く機能していそうですか?
  • 面接終了後にオフィスを案内してくれたり、チームのメンバーに紹介してくれたりするでしょうか?
  • 面接は、「取り調べ」ではなく「対話」です。この対話を通して、未来の上司はあなたがどんな人物か、また、あなたがその会社の同僚とどのように仕事をしていくのかに関心を持っているかどうかが分かるのです。

3. 良い上司は、コミュニケーション能力に優れている

テクノロジーの浸透が急速に進むビジネスの世界でも、コミュニケーションスキルの重要性は変わりません。チームが機能するためには、適切なプランニングと具体的な指導やリーダーシップ、パフォーマンス管理が必要です。つまり、コミュニケーション能力に欠けた上司は、チームを動かすための基本的な役割を果たすことができないのです。

上司にとって、コミュニケーション能力は基本的、かつ重大なスキルです。この力を効果的に発揮すれば、部下たちは自分の役割や責任を明確に理解して、仕事の生産性を向上させることができます(英語のみ)。また、コミュニケーション能力には、高い「傾聴力」も含まれます。他人の話をオープンな姿勢で聴くことができる上司は、他人からのフィードバックを適切に解釈することができます。また、他人に与えるフィードバックも分かりやすく、適切です。

こうした上司は、視野が広く、物事を俯瞰的に見ることができるので、あなたの仕事の目的をより広範に捉えてくれたり、問題点を戦略的に解決するサポートをしてくれたり、決定事項や考えを効果的に説明してくれたりします。

また、コミュニケーション力の高い上司は、往々にして組織の中でも強い影響力を発揮します。こうした上司は、あなたのキャリアのチャンスも広げてくれるでしょう。上司のコミュニケーション能力は、以下の方法で判断することができます。
 
  • 質問も回答も明確で、簡潔です。
  • あなたの発言にも熱心に耳を傾け、さまざまな情報を提供してくれようとします。ただし、あなた自身も効果的にコミュニケーションできるよう準備しておく必要があります。
  • 適度なアイコンタクトや、言葉以外で励ます素振りなどが見られますか。ジェスチャーや表情など、言語以外のコミュニケーションも重要です。
  • 相手の話を途中で遮らず、会話がスムーズに進むように配慮してくれます。

4. 良い上司は、部下を一人の人間として見る

上司には、部下の目標達成を支援する高いマネジメント能力も必要ですが、優れたEQ(心の知能指数)や他者に対する共感力、つまり、部下一人一人の立場や意見を理解し、これに共感できる力も重要です。あなたのことを、その他大勢の社員の中の一人として見るのではなく、一人の人間として見ていることが大切なのです。換言すれば、リーダーには「オーセンティシティ(本物であること)」が求められているということです。

「オーセンティシティ」が意味しているのは、「自分らしさ」だけではありません。自分らしさを自覚して、経験を積むことで磨き上げてきた「自分の在り方」がオーセンシティです。しかしながらその人の資質とは、他人が判断するものであり、本人が決めるものではありません(英語のみ)。オープンな心を持っているか、多様性を受容する姿勢があるかについては、あなた自身が見極めましょう。誠実であること、正直であることは、チームの士気を高め、多様性を受け入れる環境を創り上げるためにも重要です。
 
良い上司は、褒めるときも叱るときも心から誠実に伝えます。また、親しみやすく相談しやすい上司がリーダーシップを取ることで、すべてのチームメンバーに居心地がよく、コミュニケーションしやすい環境が生まれます。
 
上司があなたを人間として見ているのか、それともロボットとして見ているのか。これを判断するためには、以下を参考にして下さい。 
 
  • その人と向き合っていて、心地よいと感じますか?過剰に気を遣ったり譲歩したりしなくても良好な関係を築けると思いますか?あなたが上司のために存在するだけではなく、上司もまた、あなたのために存在していることを忘れないで下さい。
  • ジェスチャーなど言語以外のコミュニケーションも重要です。上司は自分の話を熱心に聴いてくれている、と感じますか?
  • 上司はあなたの仕事以外についても質問してきますか?「イエス」ならば、あなたは部下としてだけではなく、一人の人間として評価されているということです。
  • あなたが質問したとき、上司はあなた同様に、質問のすべてに対して誠実に回答してくれますか?

おわりに

上記の他にも、上司についてインターネットで検索してみたり、面接開始前に少しだけ質問したりすることで、沢山見えてくることがあるでしょう。

また、実際にオフィスを見学できるのであれば、チームの雰囲気や環境を確認してみるのもお勧めです。みんな楽しそうに働き、コミュニケーションしていますか?あなたを感じよく迎えてくれましたか?

高額な給与や恵まれた福利厚生、昇進や成長のチャンスは確かに転職条件として魅力的です。しかし、良い上司に恵まれることも、これらと同等、あるいはそれ以上に大切なことです。もしその会社に転職が決まれば、あなたは今後数年間、もしかしたら数十年間、その上司と一緒に仕事をすることになるかもしれないのですから。
 
他にも転職活動に役立つ情報をご紹介しています。ぜひこちらの記事もご覧ください。
 
 
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著者

アレックス・シュテインガルド
ヘイズ・ロシア、マネージング・ディレクター

アレックスは、2008年にヘイズ・ピーエルシーに就任。現在ヘイズ・ロシアでは、会計や金融、ITなどの専門分野や石油・ガス、資源、鉱山など工業分野の部門強化を進めている。Russian State Academy of National Economyで経済学を専攻。その後、国際的なエンジニアリング企業でプロジェクト・エグゼクティブに就任し、同社で8年以上のキャリアを積んだ後、ロシア支社のマネージング・ディレクターに任命される。ヘイズでは9年のキャリアを有し、現在は北部・中部・東部ヨーロッパを統括するマネージング・ディレクターの直下で活躍している。

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