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転職先や新しい仕事では初めが肝心 スタートダッシュするための7箇条

転職先や新しい仕事では初めが肝心 スタートダッシュするための7箇条

 

ビジネスの世界と、その世界で活動している企業は、かつてないほど早いスピードで変化しています。これに伴い、新しい事業部門や仕事も次々と誕生しています。
 
次に皆さんが担当する仕事は、これまで存在しなかった、まったく新しいものになるかもしれません。その可能性は、日に日に高まる一方です。
 

新しく生まれた仕事は、大きなチャンス

ビジネスパーソンにとって、これは大きなチャンスであるとともに、非常にやりがいのある機会であるとも言えます。自分より先にその仕事を経験した人は1人もおらず、その仕事を評価する基準すら確立されていません。つまり、まったく新しいポジションで、自分が信じる方向に向かって舵を切ることができるのです。まっさらな状態から仕事を作り上げていくのは、自分だけの貴重な経験となるでしょう。
 
しかし、新しい仕事特有の課題もあります。仕事に対する責任の範囲がはっきりしないと、ビジネスが円滑に進まなくなるケースが出てくるのです。
 

新しい仕事で成功するための7つのポイント

ご存じの方も多いでしょうが、新しい仕事を始めるには、いくつかのコツがあります。そして、これらのコツは、これまでは存在しなかった、まったく新しい仕事にチャレンジする時にも役立ちます。
 
まずは新しい仲間に自己紹介し、分からないことがあったら積極的に質問しましょう。最初はなかなか環境に馴染めないかもしれませんが、力を貸してくれそうな仲間を早めに見つけることが大切です。最初のミーティングは特に重要ですので、出席して自分の顔を覚えてもらうようにします。参加者と会話し、自分が頼りになる存在であることをアピールしましょう。
 
しかし、あなたが始めるのは、これまで誰も経験したことのないまったく新しい仕事なのですから、この他にも注意点や気に留めておかなければならないことが数多くあります。
 

1.大局的な視点を持つ 

その仕事は、なぜ必要とされたのでしょうか?勤務先の会社は、これまでどのように成長し、どのような実績を積み重ねてきたのでしょうか?あなたがその仕事に選ばれたのは、どのようなスキルや経験を持っているからですか?その仕事は、会社の戦略上、数か月後や数年後にはどのような役割を果たしているのでしょうか?これらに対する答えを見つければ、成功に近づくことができるはずです。

2.上司が最初の数か月に期待していることは? 

まずはSMARTスキームを使って目標を設定し、定期的に進捗を確認しましょう。「SMART」とは、「Specific(具体的)」「Measurable(評価可能)」「Achievable(達成可能)」「Realistic(現実的)」、「Timely(タイムリー)」を表しています。新しい仕事の多くは、内容がしっかりと固まっていないケースも珍しくありません。このため、上司と協力して目的や内容を明確にし、あなた自身だけでなくチームや会社全体が誤った方向に進まないように配慮することが非常に重要です。また、自分が上司から何を期待されているかについては、最初からしっかりと理解しておいた方が良いでしょう。この仕事で成功する確率がさらに高まります。

3.新しい仕事の評価方法について知っておく 

あらゆる仕事に通用する絶対的な評価方法は存在しません。それは私たちが現在担当している仕事でも同じです。これまで誰も経験したことのない仕事であれば、評価はなおさら難しいでしょう。それは仕事の内容によっても大きく異なります。例えば、営業職であれば、大きな比重を占めるのは売上実績という客観的な数字になるかもしれません。しかし、ソフトウェア開発者の収益への貢献度を評価するためには、主観的な見方が中心となります。このため、自分が担当する新しい仕事の評価方法は、十分に理解しておくことが必要です。評価方法を理解しておくことで、目標達成に向けた貢献度も高まるからです。

4.ステークホルダーと良好な関係を 

新しい仕事は、重要なステークホルダーや彼らの利益に、どのように影響するのでしょうか。また、その仕事に最も強い影響力を持っているのは、どのステークホルダーですか?関連するステークホルダーとは、できるだけ早めに良好な関係を築いておきましょう。将来、何らかのプロジェクトや活動を進める時に、理解を得やすくなります。

しかし、仲間のために時間を使うことも忘れないで下さい。これは非常に重要なことです。

当初は、あなたが始めようとすることに、抵抗する同僚もいるかも知れません。こんな時にこそ、仲間の理解と協力が必要になるのです。職種や役職にこだわらず、すべてのステークホルダーを巻き込んで協力してもらいましょう。そして、彼らからさまざまな事を学んで下さい。ただし、仲間の力やスキルを借りるだけで、彼らの負担を増やすだけの関係は控えましょう。
 

5.焦らない

就任当初は、結果をすぐにでも出したいと考えてしまいがちですが、ぐっと我慢しましょう。冷静になることで、各部門がどのように連携しているのか、戦略的な観点から何を優先すべきなのかなど、会社全体を俯瞰して見ることができるようになります。

周囲を観察することで、他の仲間の邪魔をせずに、自分が価値を最も発揮できる方法や活躍の場所を見つけたり、すでに実行した仕事を的確にフォローすることも可能になります。就任後数ヶ月から1年間は、新しい仕事の課題に慣れ、チームに溶け込みながら、自分の仕事を主体的にこなすことに力を入れましょう。
 

6.できない約束はしない

 最初のミーティングや顔合わせでは、自分の意欲や実力を分かってもらおうと、つい行き過ぎた約束をしてしまうことがあります。「実力を証明したい」「もう実行したいプランがある」と逸る気持ちも分かります。新しいポジションということで、周囲があなたに寄せる期待や変化、進歩を待ち望む気持ちを感じることもあるでしょう。背伸びをしたくなる気持ちも理解できますが、ここはその気持ちを抑え、慎重で現実的な方法で仕事に取り組んでください。
 

7.自信を持ち、正しい判断を 

「早く認めてもらわなければ」と、プレッシャーを感じることもあるでしょう。しかし、それに屈せず平常心で仕事を進めることが肝要です。ビジネスの判断は、周囲にプラスの影響を与えるものでなければなりません。このため、戦略を理解し、正確な情報に基づいて判断をすることが重要になります。就任したばかりであったとしても、その仕事に与えられた長期的な目標に即した行動をとらなければならないのです。ですから、こうした長期目標については、上司と事前によく相談して決定しておきましょう。目標を理解しておけば、この達成に向けた戦略を立てることもできます。この戦略は、将来多くの人たちが従うことになるかもしれません。自分のスキルや能力を信じて、一歩一歩確実な判断を行ってください。

これまで誰も経験したことがない仕事は、非常に刺激的で魅力的です。同時に、非常に困難な課題に直面することもあります。未知の仕事に対応するときは、既存の仕事以上に高い創造性や責任感、機転などが求められます。
 
そんな仕事にチャレンジするときは、今回ご案内したポイントをぜひ参考にして下さい。その新しい仕事を、あなただけではなく、全社員にとって理想的なものに仕上げることができるでしょう。結果的に、あなたはその会社の成功に大きく貢献することになるのです。
 

著者

ロビー・ヴァヌクサム
ヘイズ・ベルギー、マネージング・ディレクター
 
20年以上の業界経験を持ち、そのうち15年以上はヘイズでキャリアを積んできた。2000年に人事の世界に入り、コンサルタント、ビジネス・ディレクター、リージョナル・ディレクターとキャリアを重ね、2015年にマネージング・ディレクターに就任。

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