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IT業界の転職理由ランキング|まとめ方・伝えるコツ・例文を紹介

転職活動をする際には、転職する理由を明確にすることが大切です。転職する理由を明確にすることで、次の会社選びの指針にもなります。また、面接では転職理由への質問は頻出しており、たとえネガティブな転職理由であっても表現を工夫し、面接官の理解を得る必要があるでしょう。

今回は一般的な離職理由ランキングと、IT業界で多い転職理由をご紹介したうえで、面接時に伝えやすい転職理由の選び方や回答例を紹介します。

目次

  1. 一般的な転職理由|厚生労働省「雇用動向調査」
  2. IT業界・職種別の転職理由
  3. 転職理由のまとめ方
  4. 転職理由を伝える3つのコツ
  5. 効果的にアピールできる転職理由の例文
  6. まとめ IT業界の転職支援ならヘイズ・ジャパン

一般的な転職理由|厚生労働省「雇用動向調査」

 
IT業界の動向を見る前に、まずは一般的な転職理由を見ていきましょう。厚生労働省が調査した「平成30年雇用動向調査結果の概況」の主要産業における入職・離職の状況によると、主な離職理由は以下ようになっています。
 

一般的な転職理由ランキング

(男女ともに「その他の理由」を除きランキング化)
男性 項目 割合
1位 定年・契約期間の満了 16.9%
2位 給料等収入が少なかった 10.2%
3位 労働時間、休日等の労働条件が悪かった 10.0%
4位 職場の人間関係が好ましくなかった 7.7%
5位 会社の将来が不安だった 7.6%
6位 会社都合 5.9%
7位 能力・個性・資格を生かせなかった 4.8%
8位 仕事の内容に興味を持てなかった 4.6%
9位 結婚 0.7%
10位 介護・看護 0.6%
 
 
女性 項目 割合
1位 定年・契約期間の満了 14.8%
2位 労働時間、休日等の労働条件が悪かった 13.4%
3位 職場の人間関係が好ましくなかった 11.8%
4位 給料等収入が少なかった 8.8%
5位 仕事の内容に興味を持てなかった 5.5%
6位 会社都合 4.7%
7位 能力・個性・資格を生かせなかった 4.3%
8位 会社の将来が不安だった 4.0%
9位 結婚 2.6%
10位 出産・育児 1.3%
 
男性は2位に給料などの収入面を挙げ、女性は2位に労働条件を挙げているのが特徴となっています。女性の場合には家庭との両立という点から、労働条件がネックになることが多いのかもしれません。ただし、前年と比べると1.4ポイント下がり、状況は改善傾向にあるようです。
 
また女性の場合は定年・契約期間の満了が前年より3.2ポイント多くなっているのも特徴です。
 

■参考 平成30年雇用動向調査結果の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/19-2/dl/gaikyou.pdf

 
 

IT業界・職種別の転職理由

 
続いてIT業界における職種別の転職理由ランキングを紹介していきます。ITエンジニア、プロジェクトマネージャー/システムコンサルタント、ゲーム職種で傾向にどういった違いがあるのでしょうか。
 

ITエンジニア

パーソル総合研究所の2021年2月26日付けニュースリリースによると、ITエンジニアが抱えるキャリア不安としてもっとも多く挙げられたのが「自分の技術やスキルがいつまで通用するか不安だ」(46.5%)がもっとも多く、次いで「今の会社でどこまで給与が上がるか不安だ」(45.9%)、「いつまで新しい技術やスキルを修得できるか不安だ」(43.6%)でした。
 
また、「ITエンジニアの転職理由と面接での回答例とポイント」に掲載されている「type転職エージェントを利用したITエンジニア約2,500人を対象に調査。調査期間は2019年9月1日~2020年8月31日(重複回答あり)」によるとITエンジニアの転職理由として挙げられたのは、「年収・待遇」(790人)がもっとも多く、次いで「業務内容」(773人)、「キャリアチェンジ」(528人)でした。
 
ヘイズに寄せられる声でも「上流工程(企業の戦略や業務改善に近いレイヤー)に関われるポジションに就きたい」「事業会社における新規事業開発に携わりたい」などを理由に転職を希望する人が多く、ITエンジニアの場合は、技術に関することが転職の理由となっていることが分かります。
 
技術と言う点では、Fintech、D2C、DX、Mobility/IoT、SaaSといった分野への注目が高く、将来性を見越してキャリアチェンジしたいと考えることも多いようです。
 
■参考 「パーソル総合研究所、ITエンジニアの就業意識に関する調査結果を発表
ITエンジニアのキャリア不安1位は自分の技術やスキルの陳腐化で46.5%」
https://rc.persol-group.co.jp/news/202102260001.html
■参考 typeI転職エージェント「Tエンジニアの転職理由と面接での回答例とポイント」
https://type.career-agent.jp/knowhow/change_reason_engineer.html
 
 

プロジェクトマネージャー/システムコンサルタント

IT・WEB・ゲーム業界専門人材紹介のGeeklyの「651人にアンケート調査実施!転職理由ランキング(2021年度)」によるとシステムマネージャー/システムコンサルタントの転職理由ランキングは以下のようになります。
 
1位が「業務内容に不満がある」(34%)、2位「会社の将来性に不安がある」(16%)、3位「ライフスタイルの変化」(14%)です。
 
待遇よりも業務内容への不満を感じやすいのがプロジェクトマネージャー/システムコンサルタントの特徴となっています。上流工程を担当する人の場合、収入はある程度確保されているため、それよりも将来に向けてよりよいキャリアを積みたいと考える人が多いのかもしれません。
 
■参考 Geekly「【最新版】2021年度 転職理由ランキング調査!転職希望者が転職後に叶えたいこともあわせてご紹介」
https://www.geekly.co.jp/column/cat-geeklycolumn/2021_reason_ranking_forjob/
 
 

ゲーム職種

同じくGeeklyの「651人にアンケート調査実施!転職理由ランキング(2021年度)」によると、ゲーム職種の転職理由ランキングは以下のようになります。
 
1位「会社の将来性に不安がある」(30%)、2位「ライフスタイルの変化」(13%)、3位「業務内容に不満がある」(13%)です。
 
会社の将来性に不安を感じている人が多いことが特徴で、ゲーム業界の場合は一つのゲームタイトルが終了になると、次の展望に不安を抱くことが多いのかもしれません。
 

転職理由のまとめ方

 
上記のアンケート結果と同様に「担当業務が不満だ」「会社の将来性が心配だから転職したい」と思う方もいることでしょう。ただし、そのような転職(離職)理由を、面接でそのまま伝えてしまうと、ややネガティブな印象を与えてしまい、選考に通過しづらくなる可能性が高いため注意が必要です。ここからは、転職理由のまとめ方や伝え方を考えていきましょう。


①転職を思い立った要因をすべて書き出す

まず、自分自身の心情変化を振り返り、思考整理するために、どんなときに転職をしたいと思ったのかすべて書き出してみましょう。書き方は文章にせずとも箇条書きで十分です。
 
退職、転職をしたいと思った理由は、どうしてもネガティブな話が多くなりがちですが、まずは気にせずすべて書き出してみてください。
 
例えば「上司に仕事が遅いことを度々とがめられて、自分はこの仕事に合わないと感じたため」「上流工程を担当したいのに、下流工程しか任されなかった」などが考えられます。
 

②どのような職場・仕事内容なら①を改善できるか検討する

次に①で書き出したことに対して改善案を1つずつ考えていきます。現職でかなえるにはどうすればいいかを考え、難しければ「どのような条件、環境の職場ならかなえられるのか」と他社のイメージをしながら検討を進めていきます。
 
例えば「仕事の遅さ」を度々指摘されるならば、業務の効率化や担当について上司と話し合ってみる余地があるかどうかを考えてみます。もし、現職では実現が難しそうであれば、自分の作業が遅くなる理由をしっかりと分析した上で、他社の情報を集め、どのような会社であれば改善ができるのかを検討します。
 

③条件に合った転職先があるか探す

②がある程度まとまったら、そのメモを片手に、求人サイトや転職エージェントなどのホームページなどで、求人を見てみましょう。そうすることで、自分の希望に合う転職先が現実的にあるかどうかが分かってきます。
 
ここで大切なことは、他の会社と今の会社を見比べることです。見比べてみても今の会社よりも条件のいいところがなければ、転職そのものを見直す必要が出てきます。本当に転職すべきか否か、原点に戻ることも含めて、自分の転職理由をブラッシュアップしていきます。未経験から挑戦したい場合は未経験可の求人案件があるかも見ておくようにします。
 

④転職理由を文章化する

最後に、メモ書きしたものの中から、転職希望先の企業に伝えるのに適したものをピックアップして文章化していきます。
 
文章を組み立てる流れとしては、「なぜ前職を辞めたいと考えたのか」を冒頭で伝え、次いで「なぜ今回の求人に対して応募したいと考えたのか」と組み立てると、相手に伝わりやすくなります。
 
辞めたい理由ばかりだとネガティブな印象を与え「次もすぐに離職するのではないか」と疑わせてしまいます。そこで、なぜ応募したいのか、という前向きな転職理由を書いてバランスをとるようにしましょう。
 

転職理由を伝える3つのコツ

 
ここからは具体的に転職理由を伝えるコツをお伝えします。面接の時間は限りがあるため、転職理由を伝える中でも、就職への熱意を伝えたいところです。また、否定的な表現ばかりでは好印象とならないので注意が必要です。どのように工夫をすれば、ネガティブにならずに転職理由を伝えられるか確認してみましょう。
 

1.自分の希望ばかり伝えない!企業目線を意識する

最初にメモ書きした転職理由では、「自分はこうしたい」「自分はこれが嫌だから転職したい」という自分目線のものが多かったと思います。しかし、応募先企業にとって「この人材を採用したい」と思わせるような、企業目線の文章に表現を整えることが必要です。
 
そこで「企業はなぜ、このタイミングで求人広告を出しているのか」「この求人では、どのような人材を求めているのか」を別の軸で考えます。自分のwantと、企業のwantがどこで重なるか、折り合いがつきそうな項目を見つけ転職理由に反映させます。
 
例えば、その企業が特定の技術に関する即戦力を求めているのならば「私は〇〇の技術と経験を持っており、その技術を生かせる職場への転職を希望しました」となります。
 

2.現職では駄目な理由を具体的に伝える

転職理由をまとめる際には「これは自社でかなえられないことなのか」と、落ち着いて考えることも必要です。現職でも実現できることばかりを伝えてしまうと、応募先の企業は、「転職の必要がないのでは」「自分の努力が足りないから他責にしているのでは」と受け取る場合もあります。
 
例えば、SEからコンサル、下流工程から上流工程など、業界内でのキャリアチェンジやキャリアアップしたい場合には、現職の人事制度を用いて、キャリアチェンジの余地はないか、一度調べてみるとよいでしょう。給与のアップを望む人は、自分の実績を上司にアピールして、社内での評価を上げていくことは本当に難しいのか、念入りに検討してください。具体的なアクションを起こしたけれど、どうしても現職でかなえられない(または時間がかかる)ので転職を選んだ、という流れで転職理由をつくるのがポイントといえます。
 

3.理屈だけでなく熱意も伝える

転職理由を伝える際は、応募先企業の何に惹かれたのか熱意を伝え、頑張りたいと意思表示することも大切です。先の章で紹介した転職理由を伝えるコツでは、自己分析と企業研究の上で論理的に伝えることが重要視されますが、それを意識しすぎると、どこか理屈っぽい印象を与えるケースもあります。
 
確かに「給与が上がらない」「上流工程に関われない」など他責にしすぎると、面接での評価が下がりやすくなるため注意が必要です。しかし、採用担当もある程度は、「応募者はネガティブな転職理由を抱えているもの」と理解しているので、過度に気にする必要もありません。本音と建前のバランスを意識して、建設的な転職理由と本音ベースの思いや熱意を伝えることも大切です。
 

効果的にアピールできる転職理由の例文

 
ここからは、採用担当者に気持ちや希望が伝わりやすい、転職理由の例文を紹介します。ポイントとしては先に「前職を辞めたいと思った理由」を伝え、その後に「なぜ応募先に入社したいと思ったのか」を伝える流れを意識することです。

また、「前職は長時間労働が多くブラック企業だった」という抽象的な言葉は避け「前職では残業が月60時間ほどあり、余暇の時間がとりづらくワークライフバランスを大事にしたいと思った」などと客観的な表現に言い換えるようにしましょう。
 

働き方を変えたい

時間への不満だけではなく、新しい職場ではどんな働き方をしたいのか(リモートワーク、時短など)を伝えるのも大切です。
 

OKの例文

今の職場は毎朝8時から夜の9時頃までの勤務が常態化し、締め切りが近くなるとそれ以上の残業が頻繁にありました。エンジニアの増員や業務の進め方の見直しなども提案してみましたが、難しいということで進展が見られませんでした。ワークライフバランスをはかりたいという思いもあり、リモートワークなどの多様な働き方を推進されている御社への転職を考えました。

NGの例文

今の職場は毎朝9時から夜の9時頃までの勤務が常態化し、締め切りが近くなるとそれ以上の残業が頻繁にありました。体を壊す社員も多く、このままではいけないと転職を希望しました。
OK例文では、現職の課題に対して改善策を提案した点がポイントとなります。NG例文では、嫌なことがあったら改善策を考えたり、社内で話し合いをしたりアクションを起こさず、すぐに逃げてしまう印象を与えかねません。
 

上流工程に関わりたい

続いて、上流工程に関わりたいという転職理由を伝える際の回答例文を見てみましょう。


OKの例文

今の職場ではプログラミングなどの下流工程を担当し一通りの実績があります。その中で、要件定義や設計でクライアントの希望を実現する上流工程の仕事に興味を持つようになり、勉強をしてきました。しかし、所属している会社は下流工程の仕事を請け負っているため、上流工程にチャレンジする機会がなく転職を希望いたしました。下流工程と上流工程を一貫し請け負っている御社で、ぜひ働きたいと考えました。

NGの例文

ここ一年ほど下流工程の仕事に携わってきていましたが、正直、このままでは先がないと思いました。日々、同じ作業の繰り返しでもあり、仕事へのモチベーションが保てない状態が続いたので、自分には上流工程があっていると思い、転職を希望しました。
OK例文では、現職で上流工程に関わることが可能かどうか確認している点がポイントです。NG例文では、自分のやりたいことができない環境に対して、何もアクションを起こさないまま他責にしている印象を受けます。
 

技術やスキルを身に付けたい

エンジニアとして、技術やスキルを身に付けたいという転職理由の回答例文です。
 

OKの例文

現在の職場ではPHPやPythonなどを使用し、服飾系ショップのECサイトの開発を行っています。しかし、長くエンジニアとして働く上でスキルアップしたいと思うようになり、新しい技術の勉強を自分でも行い、IoTの分野で活躍したいと考えるようになりました。そこで、IoTについて高い技術力を持つ御社への転職を希望いたしました。

NGの例文

今の会社のエンジニアはレベルが低く、新しい技術を手に入れてスキルアップしようと思ってもなかなかできません。上司にも相談しましたが「まずは現状の仕事をしっかりやれ」と言われるだけで、希望を聞いてもらえませんでした。副業で新たな分野に挑戦しようと思いましたが、時間もとれず断念したことがあり、転職を考えました。
OK例文のように、漠然と高度な技術を身に付けたいというだけではなく、積極的に勉強をしたいという姿勢を見せることも大切です。
 

給与アップしたい

給与に関する転職理由の回答例文です。
 

OKの例文

私はプロジェクトマネージャーとして複数のプロジェクトを成功に導いてきました。クライアントから予定外の要望が出た際もエンジニアの大幅な負担増を避けながらも柔軟に対応し、継続的な発注を受けることにも貢献してきました。しかし、会社の評価制度の中ではなかなか収入面に反映されず、自分の強みを生かせる転職をしたいと考えました。

NGの例文

今の会社は三次請けや四次請けの仕事が多く、正直に言いまして、労働時間と収入が合わないという不満がありました。なかなか年収が上がらず、上司にも掛け合いましたがほかの社員とのバランスを考えて無理だと言われてしまいました。あまりにも不当な状況から抜け出したいと転職を希望しました。
OK例文のように、なぜ現在の会社では給与アップが難しいのかについて、過度な他責には感じられない程度に話すようにしましょう。


まとめ IT業界の転職支援ならヘイズ・ジャパン


今回ご紹介したように、転職理由を書き出して深掘りする作業は、自己分析や会社研究も必要となり、骨の折れる作業です。転職理由を一人でまとめるのが難しい場合は、一人で抱え込まず、転職エージェントを活用してみてはいかがでしょうか。転職エージェントでは担当コンサルタントが転職理由の整理や、伝え方のアドバイスを行ってくれるので、自分自身を客観的に振り返る際に役立ちます。

「ヘイズ・ジャパン」は東京、横浜、大阪を拠点に、外資系人材紹介会社として、IT系の求人案件などを豊富に紹介しています。


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