Ricky Long

Ricky Long

アジア ピープル&パフォーマンス

担当ディレクター 

   

「多分こうだろう、で済ませることなく、厚顔無恥になって人に聞くべきことを聞き、ビジネスにもっと貢献できるようにして、コラボレーションを推進し、先頭に立って変化を促していけるようにすること」

 

 

人に対する情熱

ホスピタリティ業界で幹部候補生としてキャリアをスタートさせたRickyには、後の進路として人事とマーケティングのどちらかを選ぶチャンスが与えられましたが、彼にとっては難しい選択ではありませんでした。「人に対する情熱が人事を選択した動機です」

その後、決断を後悔したことはありません。30年近く経った今も人事に携わり、Colliers Internationalのアジア地域担当ピープル&パフォーマンスディレクターの仕事に就いている現在も、彼が追いかけているのは、この、人に対する情熱です。

今の彼の仕事は、従業員のパフォーマンスを向上させてビジネスを推進するための戦略を開発することです。

カナダへ

キャリアの早い時期、Rickyはカナダに移り、そこで人事関連の資格を目指しました。彼が取得したCertified Human Resources Professional(CHRP)は人事業務の能力レベルを認定する国家レベルの資格です。人事担当者にとっては必須の資格ではあるものの、この資格さえ取ればHRDになれるというような特別な資格などないと彼は言います。

Rickyは人事関連の集まりでさまざまな仕事を買って出るなどして、仕事に関連する人脈づくりに注力しました。そのおかげで、間もなくホリデイイン・カナダの人事職を見つけることができました。「一生懸命努力した結果、縁があってホリデイインでの仕事に就くことができました。職場がキッチナーにあり、大手保険会社の本社があるという恵まれたロケーションで働けたことは、私にとってラッキーでした。ここで5年間、人事担当者として実績を積むことができました。

カナダ時代を振り返って、海外で勤務した経験が、その後のキャリアにとって非常にプラスになったとRickeyは考えています。「カナダ時代に交流範囲が広がり、それまでとは違う文化や人と接したり、成功体験を身に付けたことは、非常に大きなプラスになりました。カナダにいたのはちょうど世界不況の時期でしたが、それも色々なことを学ぶいい経験になりました。

香港に戻る

カナダに移る前の短い間、Rickeyは香港で仕事に就きました。社会学と都市計画を学んで大学を卒業し、経営研修コースを修了した後に、New World Hotelの人事担当者になりました。その後、キャセイパシフィックに移り、ここで労使関係担当ディレクターについて仕事をしたことが、彼にとっては「目からうろこ」の経験だったと言います。

1990年代半ばに香港に戻ると、彼は人事マネージャーとしてMotorolaに入社します。彼にとっては初めての管理職でした。1997年に製造部門のHRマネージャーとなり、翌年の1998年には地域本部に移って、新たな挑戦に踏み出しました。当時、Motorola社はすでに、最新テクノロジーを活用した革新的なHRモデルを導入していました。各部門のトップを支援するリージョナルHRビジネスパートナーとして彼は事業部門と密接に連携し、それぞれのニーズを把握してた上で効果的なソリューションに変えていく役割を担いました。

MotorolaでのRickyの役割は「インビジネスHR(事業部付HR)」に相当するものでしたが、やがてこの仕事は自分が身に着けたいと思っていたスキルとはかけ離れた内容であることに気が付きました。「この時、香港で初めての管理職の仕事に就きましたが、自分としてはもっと現場での経験が積みたいと思っていました。そこで、もっと現場の仕事に携わりながら専門的な経験やスキル磨ける職場に移りました」

懸命に働き、好奇心を持ち続けること

Rickyは、必要なスキルや経験を磨いていくためには、転職するのが最も早道だと確信していました。「口だけでなく、実際に行動を起こすことです。必要なスキルを身に付けるには、忙しい職場に身を置き、先見性を持って、実際の仕事をしながら知識を身に付け、さまざまな問題に素早く対応しながらひたむきに努力することです」

新しい職に就く場合、自分が何を実現したいのか、会社に貢献するためにどのように能力を高めたいのかというビジョンを持つと同時に、自分自身のキャリアに関してもどのようなゴールを目指すのか、目標をはっきりさせておくことを勧めています。こうしたアプローチを採ることで「ウィン‐ウィン」の状況につながります。

これまで受けた最高のアドバイスとして、Rickyは以前、言われた言葉を挙げました。「技術的な理解がなければ戦略的にはなれない」ということです。専門分野での経験のほかに、パーソナリティや意欲、やる気、信念を持って学ぶ姿勢といった個人的な性格に加えて、きちんとした態度やビジネスセンスが成功できるかどうかを左右すると言います。

Motorolaを退社後、Rickyはデータベース管理を手掛けるSybaseに入社します。この会社にとってはじめてのリージョナルシニアHRマネージャーとして入社した彼は、アジア12カ国、300人ほどの部下を束ね、幅広い職務や難問に対処することになりました。結局Sybaseには6年半在籍し、その間、HRDからシニアHRDへの昇格を果たしました。その後、短期間SASに移った後、1年後に再びSybaseに戻り、さらに3年間在籍して、アジア各国で人事に関する優れた枠組みの構築と実践を行いました。

Rickyが次に選んだのがAtmel Corporationでした。米国の上場企業で、全世界に約7,000人の従業員を擁するこの会社で、彼はグローバルHRビジネスパートナーとして戦略レベルで上級幹部と連携して業務に当たりました。グローバルHP担当のバイスプレジデントの直属として、2012年にはラーニング&人材育成部門のグローバル統括責任者を任されます。「ここが自分のキャリアのピークでした。ここでエグゼクティブレベルでのリーダーシップエクセレンスを構築するために、いくつもの取り組みの推進に当たりました」

HRDへの道は一つではない

そして、Colliers Internationalへの移籍が直近の転職です。ここまで彼自身は何度も会社を移ってきましたが、他の人には必ずしも同じような道を勧めようとは思いません。「成功への道は人それぞれです。意欲あふれるHRプロフェッショナルの人たちには、しっかり時間をかけて仕事に打ち込み、実戦的な経験を積む時間を惜しまないでほしいと思います」

「多分こうだろう、で済ませることなく、厚顔無恥になって人に聞くべきことを聞き、ビジネスにもっと貢献できるようにして、コラボレーションを推進し、先頭に立って変化を促せるようになってほしいと思います。HRDに求められるのは、経営陣の利害と従業員の利害とのバランスをうまく取る能力であり、そのために必要なスキルは、常に意欲的に学び、積極的に困難な仕事を引き受け、必ずできるという自信を持ち続けることによって身に付けてきたものです。

HRDとして各方面の利害をうまく調整するためには、企業経営の仕組みを理解していることが重要です。「トップレベルで成功するマネージャーは、常にビジネスに近いスタンスを取り、細部にまで気を配っています。リーダーとしての自分の資質をしっかり把握した上でチームを信頼し、部下に仕事を任せることもできなければなりません」

ネットワーク

最後に、これからHRDを目指す人たちへのアドバイスとして、Rickyは人脈を広げ、しっかりした人間関係を構築するよう助言しています。「私はLinkedInなどのソーシャルメディアサイトを利用したり、ネットワークイベントに参加したりしています。毎年クリスマスの時期には、知り合ったほとんどの人たちにカードを送って連絡を絶やさないようにしています。年月をかけてメンターとの関係を築いてきたおかげで、意見を求めると大抵、すぐに返答がきます。私にとっては本当にありがたいことで、私自身も人から尋ねられれば、力になったりキャリアについてのアドバイスをしたいと思っています。

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